FXブログの活用法
現代はインターネット社会。様々な情報がインターネットを通じて入手できる。実際マイケル・ジャクソンの訃報も私はTVではなく、ネットを通じて知り、より詳しい情報を知るべく検索を掛けた。FXの場合、インターネット・トレード主体のせいもあって自然とネットで情報を得ることが多い。FXにおいて情報収集がトレードを行う上で重要になってくるが、情報が溢れ過ぎていて、逆に混乱させられることも多い。情報収集の一番のポイントはいかに自分のトレードにとって必要かつ有益な情報を選別できるかだ。
そのツールのひとつとして、FXブログを参考とされる方も多いだろう。FXブログは本当にたくさんある。どうしてこんなに多いかは、アフィリエイト(成功報酬型広告)としてFXブログをやっている人が多いということもあるようだ。FXにおけるアフィリエイトはブログを経由して閲覧者がFX会社に口座開設すれば、そのブログの主催者に成功報酬が支払われる仕組みになっている。アフィリエイト・ビジネス自体が悪いというわけではないが、あまりにもあからさまにFX会社のバナーが多く貼られていたり、口座開設を推進させるような宣伝色が濃い内容であれば、あまり良いブログとは言えないだろう。また比較サイトの順位を鵜呑みにしないこと。良いブログだから上位にランクされているわけではなく、アフィリエイトがらみの可能性もある。他に実際のトレード状況が克明に示されていたり、しっかりと更新されていれば、ブログの良質度は高い。
いちいちFXブログを探すのは大変だと思う方は「FOOREX」の外国為替ブログナビは、為替に関するブログが一同に集約されていて様々なブログの情報をわかりやすく見やすく検索できるので便利である。アフィリエイト・宣伝のみ(とみなされる)サイトについては登録されていないところも安心できる。
会社と為替情報の選別
FXのブログで頻繁に話題にされ上記のアフィリエイト業が成り立つほど、FX会社選びは重要だが、今後金融庁によって、(1)顧客資産の区分管理方法(信託保全)、(2)ロスカットルール、(3)レバレッジ・スプレッド、に関する新たな規制が引かれることを考慮して、特に注意を払うべきなは、財務状況が良好な会社であること。つまり体力がある会社を重視することも必要になってくるだろう。会社のHPにある開示情報を参考にしたい。
為替相場の情報としては、大抵どのFX会社も最新のマーケット情報や分析レポートを配信しているので、情報量には事欠かないが、最初は、欲張らずに自分がマネージできる量に留めておくこと。そのためには自分がトレードする通貨ペアと米国の情報を把握するようにしたい。FX会社の情報だけでなく、偏向なくマーケットを見るために、金融・経済情報が豊富かつタイムリーなロイターやブルームバーグのような情報通信社の情報や相場の大手銀行などの為替レポートもチェックして、その中から自分に活用できるものを選別したい。
相場には"そこそこ"がない
相場も少し落ち着きを見せて来た。今は売られ過ぎの反動で戻しているが、ここから順当に上昇して行くか、また売られるのかは分からない。レンジ相場なのは、市場参加者が売ろうか買おうか迷っている状態を表している。相場のことは相場に訊くしかないが、元来、相場には「過ぎたるは及ばざるが如し」なんてことがなくて、過熱してくると行き過ぎる傾向にある。行き過ぎては戻り、戻っては行き過ぎるということを繰り返している。
サブプライム以降、個人的にドル円は95円まではあるかもと考えていたが、予想に反し一気に90円台をブレイク。60円とかコメントする人も出始め、かなり総悲観状態になっていた。これも行き過ぎの水準に達していたのだろう、だから相場は意外にメルトダウンしなかったのだと思う。
相場が行き過ぎかどうかを判断するきっかけもしくは案外自分の身の回りに転がっている。例えば昨年、原油が140ドル台に入った時に、色々な国で原油が高過ぎるというデモが勃発していた。こういう風にかつてない事象で私たちの日常生活に不具合が出てくることに違和感を覚えた人もいると思う。何かのシグナルを前兆や予兆として捉えられて、行動できるかどうかでマーケットの対応も違ってくる。2007年あたりからから円安に関するいろいろなニュースや記事も出始め、昨年6月半ばくらいには行き過ぎた円安の転機近いというような内容の記事が一層増えていた。
疑って掛かることも大事
また、相場が盛り上がってくると、マネー雑誌やメディアなどに、個人投資家の人が「いくら儲けた」とかと「資産を何倍にした」などということが頻繁に取り上げられようになる。こういうこともインディケーターだと思えばよい。こういった群集心理に流されると、相場のピークをつかんでしまう可能性があり投資は良い結果を生まない場合がある。雑誌やマスコミの煽りは冷静に見る必要がある。
ブログにしても、こういった雑誌やマスコミの煽りに対しても、他人に流されないで疑って掛かってみることも大事。特に何かの違和感を覚えたら、そうすべきだと思う。
執筆者紹介 : 香澄ケイト氏
主な略歴 : 為替ジャーナリスト
米国カリフォルニア州の大学に留学後、バヌアツ、バーレーン、ロンドンでの仕事を経て、帰国。外資系証券会社で日本株 / アジア株の金融法人向け営業、英国系投資顧問会社でオルタナティブ投資の金融法人向けマーケティングに従事する。退職後、株の世界から一転してFXに関する活動を開始し、為替情報サイト、マネー雑誌などの執筆、ラジオ番組への出演およびセミナー等の講師を努める。著書に『あなたのお金を10倍にする外貨投資術』(フォレスト出版)、『今すぐ始めるFX5人の投資家が明かす勝利のルール』(すばる舎)がある。