不況の日本、定額給付金を活用する様々なアイデアが巷に出ている。先週、日本マクドナルドから、「"景気"をつかもう商品券」発売された。これは定額給付金12,000円で総額約20,000円相当のマクドナルド商品と引き換えられる商品券で、不況の日本を"楽しい"、"おいしい"で元気づけると銘打っている。8,000円もお得になるし、子供が2~3人いるヤングファミリーであれば利用価値大だろうからこれは売れるかもしれない。

この企画が同社の来年の業績に貢献してまた過去最高益更新となるかもしれないので、私個人的にはこの商品券を利用するよりも(残念ながらヤングでもファミリーでもないので)、日本マクドナルド(2702.Q)の株価の行方が気になる。この企画は不況の日本を元気づけようとしているのかもしれないが、同社の株価が元気づけられているのは確実のようで、なんと株価は9連騰(急激な上昇トレンド)で、連日年初来高値更新。15日の高値は1,966円、引け値は+21円高の1,949円。最低単元数は100株だが、10株にしてもらえれば、少しお小遣いを足して、定額給付金を利用して購入することができる。定額給付金12,000円で10株相当の日本マクドナルド株に換えられる「"株価"をつかもう商品券」だったら私は迷わず購入する。単純にいかないが、業績が過去最高を記録すると予想されるのであれば、株価だってそれなりに上昇するとみてもおかしくない。どこか株に換えられるという企画やってくれませんか。そうしたら本当に日本を元気づけられると思っちゃうんですけどね。

チャートが行きたがっている場所をつかめ

先回に続きトレンドについてだが、今回は「トレンドライン」に今回は具体的な引き方をお教えしたい。テクニカル指標は儲けるためだけに利用すると思いがちだが、損をしないためのツールとも考えたい。チャートがどこに行きたがっているかを過去の動きから調べることがテクニカル分析だが、中でも、トレンドラインはその代表格と言える。チャートを眺めるだけでも、現状の相場が一定方向に向いていると捉えることはできるが、トレンドラインを引くと、値段がどちらの方向に向いているとか転換しようとしているなど、より分かりやすい。

上値(高いところ=山)と下値(安いところ=谷)に注目して、目立つ2点(最低2点)を結んで線を引くとそこが上値抵抗線(レジスタンス・ライン)や下値支持線(サポートライン)になり、皆が意識しているポイントである。また、トレンドラインとパラレル(平行)にチャンネルラインも引いてみると、そこが下値支持線や上値抵抗線になりやすい。トレンドラインの引き方はその人の任意などで違いが出るが、パラレルにだったら皆同じに引ける。なぜパラレルに引くかというと、レンジ(値幅)予測に役立てられるからだ。

トレンドラインの具体的活用法

■ポイントは :

【図表1】上昇トレンドの場合 : 上値抵抗線をチャートが抜けたら、相場は上に行く可能性が高い。そして、上値抵抗線を抜けたら、それが下値支持線に変わる。買う場合、下値支持線の手前で買う、だから買いたい時はサポートを探すようにする。

図表1

【図表2】下落トレンドの場合 : 下値支持線をチャートが抜けたら、相場は下に行く可能性が高い。そして下値支持線を抜けたら、それが上値抵抗線に変わる。売る場合、上値抵抗線の手前で売る、だから売りたい時はレジスタンスを探すようにする。

図表2

基本的に、下値支持線や上値抵抗線を下方や上方にブレイクすると相場の転換がおとずれるという見方や、下値支持線や上値抵抗線を抜けたら抜けた側へついてゆくという考えをする。下値支持線や上値抵抗線で必ず止まるという固定観念は捨てた方がよくて、むしろそういった下値支持線や上値抵抗線が破られること自体が買いサインや売りサインになると考えた方がよい。勝率は100%というのは無理にしても、トレンドラインを引くことで予想の確率は高まるだろう。

引いたラインの答えは相場が出す

とにかく色々とたくさん線を引いてみることが大事。自分が引いた線が正しいかどうか答えは相場が必ず出してくれるので、それで検証できることになる。トレンドラインはもちろんいかなる相場(FXでも商品でも株でも)でも使えるので、前述の日本マクドナルドの株価に引いて練習されてみてはいかが? 株価は実際のトレードで、例えば上昇トレンドかどうかその時点で確証が持てない時は、少額の打診買いから入ってトレンドがはっきりした時点で本格的な買いを仕掛け、トレンドが継続すれば買い増しするという方法もある。

気をつけておきたいのは、上昇トレンドや下降トレンドがいつまでもが続くわけではなくレンジ相場に変わったり、レンジ相場が上昇トレンドや下降トレンドに変わったりするということ。こういった相場の流れが変わりその転換が把握できない場合もあることに備えて、大きく損失を出さないように、最低限ストップロスを置いておくことは必要である。

執筆者紹介 : 香澄ケイト氏

主な略歴 : 為替ジャーナリスト
米国カリフォルニア州の大学に留学後、バヌアツ、バーレーン、ロンドンでの仕事を経て、帰国。外資系証券会社で日本株 / アジア株の金融法人向け営業、英国系投資顧問会社でオルタナティブ投資の金融法人向けマーケティングに従事する。退職後、株の世界から一転してFXに関する活動を開始し、為替情報サイト、マネー雑誌などの執筆、ラジオ番組への出演およびセミナー等の講師を努める。著書に『あなたのお金を10倍にする外貨投資術』(フォレスト出版)、『今すぐ始めるFX5人の投資家が明かす勝利のルール』(すばる舎)がある。