みなさんは、葉巻を嗜んだことがあるだろうか? 筆者は、ない。葉巻っていったいタバコと何が違うのだろうか? いい年をして、実はまったくわかっていないことに気が付いた。一生このまま葉巻未経験でいいものか? いや、よくない。何事も経験してみなければ。というわけで、今回は赤坂にあるシガーバー「b&r」で、葉巻を初体験してきた。
葉巻とタバコの違いって?
葉巻といえばなんとなく浮かぶのがマフィアのボスが咥えてそうなイメージ。我が心のベストテン第一の映画「ゴッドファーザー」っぽさあるな……と思ったら、「ゴッドファーザー」で葉巻が出てくるシーンって全然ないんだって!そういえば見たことない気がするぞ。もしかして、ロバート・デ・ニーロの物真似とごっちゃになっているのかも。
そして日本人で葉巻と言えば、在りし日のジャイアント馬場しか浮かんでこない。う~ん、やっぱり葉巻についての知識が全くないのが自分でもよくわかる。そこで、「b&r」の佐藤拓明マネージャーにレクチャーをお願いした。すみません、そもそも葉巻ってタバコとどこが違うんですか?
「原料は、タバコの葉と一緒です。根本的な違いは、紙巻きタバコが細かく刻んだタバコの葉を紙で包んだ「工業製品」なのに対して、葉巻はタバコの葉を育てて、収穫してタバコの葉だけを使ってハンドメイドで作る「農産物」に近いということですね」(佐藤マネージャー)
そうだったのか、知らなかった!そして、葉巻にとって一番大事なのが、温度と湿度の管理。「ヒュミドール」と呼ばれる葉巻専用のBOXに入れて保管されており、中は湿度が70%前後に保たれるようになっている。最も理想的なのが、温度が18℃で湿度が69%だという。
「b&r」では、見せるために店頭に出しているものと、ワインセラーを使い最良の状態で保管しているものがあり、質の良い葉巻を提供しているとのこと。葉巻の種類には細いもの、太いもの、味わいにも辛いもの、マイルドなものまであるとのこと。初心者には、太めでマイルドのものが吸いやすくおすすめとのこと。
人生で初めての葉巻体験
では、いよいよ葉巻を吸ってみよう。まずはリストを見ながら、葉巻をチョイス。値段はピンキリで、1本1,000円程度の物から、5、6千円くらいまであるんだとか。今回、おすすめいただいたのは、「ロメオYジュリエッタ」という葉巻。その名の通り、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」から名付けられたもの。なんだかダンディなイメージの葉巻とそぐわないようなロマンティックなネーミング。葉巻の世界って面白い。
早速香りから味わってみよう。なるほど。元喫煙者としてなんとなくイメージしたのは、紙巻きタバコの「ゴロワーズ」。苦みばしったような、それでいて自然の恵みを感じさせるような独特の香りがする印象だ。手に取ってみると……えっ軽い!重量感があるのを想像していたので、これは相当意外だった。
シガーマニアの方には怒られるかもしれないが、例えるならば、うまい棒。いやマジでそれくらいの感じ。よく考えたら、タバコの葉で出来てるんだから、タバコ同様に軽くて当たり前かもしれないけど。
まずは、シガーカッターで吸い口をカットする。そして、反対側の「フット」と呼ばれる先端部分に、斜め45度の角度からガスライターで一気に点火。この際、ジッポーなどのオイルライターはオイルの匂いが移ってしまい、葉巻の香りが損なわれてしまうのでNG。しばらくすると火がついて、煙が立ち昇っている状態に。
吸うにあたっての注意点として、タバコは肺に吸い込むが、葉巻は煙の香りを楽しむものなので、吸い込まずにふかすのだそうだ。「イメージとしては、吸い込んで口の中に入れた煙をすぐに吐き出してください」とレクチャーされたものの、実際に吸ってみると、ついついタバコの要領で吸い込んでしまい、むせてしまう。キ、キツい。思わず涙目に。そして口の中には辛い後味が強烈に残っている感じ。結構、辛いんですけど。全然タバコと違う。
「基本的に、葉巻は前提として辛いもので、その度合いがものによって違うんです。それと、タールが結構あるので、吸っていると口の中が結構しんどくなるんですよ。そこで、飲み物と一緒に吸うのがおすすめなんです」(佐藤マネージャー)