まいど、"相場の福の神"こと藤本誠之です。この連載では、上場企業の経営者との面談から気づいた、藤本がすごいと思った、ユニークなビジネスモデルの企業をご紹介します。第15回は、「スマホアプリに新たなマネタイズ方法を提供する企業」です。

今回ご紹介するアイモバイル(6535 東証マザーズ)は、東京都渋谷区桜丘町に本社があるインターネット広告会社です。

国内最大級のアドネットワーク

同社はスマートフォン・タブレット・PCに対応した国内最大級のアドネットワークがメインビジネスの企業です。

アドネットワークとは、広告媒体のWebサイトを多数集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、その多数のWebサイト上で広告を配信するタイプの広告配信手法です。大手メディアや人気アプリと多数提携してるため、豊富な広告在庫を保有しています。

広告主は、このアドネットワーク向けに広告を配信すると、様々なメディアやアプリで広告を掲載することができ、膨大なトラフィックを得られます。また、広告効果に応じ自動で配信先・入札単価を最適化することも可能です。広告主として参加している企業は1,000社を超え、課金方法も、PV課金から、クリック課金、成果報酬課金など様々な形態があります。

スマートフォンに特化した動画アドネットワーク『maio(マイオ)』

スマートフォンに特化した動画アドネットワーク『maio(マイオ)』は、スマートフォンアプリを利用中のユーザーに対して、動画広告を配信するプラットフォームです。フルスクリーンの動画再生を通じて、ユーザーに新たな広告体験を届けています。同サービスでは、ユーザー自らが望んで動画広告を見ます。なぜなら、動画広告を見れば、ゲームや漫画などのアプリでゲームを有利に進めるアイテムなどを課金せずにもらえるからです。

通常、スマホのゲームやアプリのマネタイズは、課金によってなされるケースが過半です。レアなキャラクターやアイテムを抽選で出すガチャなどの仕組みによって、射幸心をあおって、高額課金ユーザーを作りだすことによって収益を上げてきました。しかし、同様な仕組みのゲームが多くなり、競争が厳しくなってきています。また、スマホゲームアプリの場合、学生など未成年の利用者も多いのですが、この層からは課金が非常に厳しいです。

そこで、課金ほどは一人一人の利用者から収益化できないですが、未成年を含めて課金する人より、数多くの利用者に広く薄く収益化できるのが、『maio(マイオ)』です。

国内企業として初めて、世界11カ国でモバイルアプリプラットフォームを展開するイスラエルのironSource社と連携を開始したり、スクウェア・エニックスのソーシャルゲームアプリ「グリムノーツ」に対して、 日本における動画広告の独占配信を開始するプレスリリースを行ったりしています。

また、最近人気のスマホでの漫画アプリでも、『maio(マイオ)』を活用するアプリが増加しています。アイモバイルは、まさにスマホアプリに新たなマネタイズ方法を提供する企業となっています。

福の神の「ここがすごい」
スマホアプリは、課金または広告によって収益化している。これまでは「ガチャ」と呼ばれる射幸心をあおる課金モデルで、日本のスマホゲームアプリは大きな収益を上げ成長してきた。しかし、アイモバイルの『maio(マイオ)』を活用すれば、より幅広い利用者に広く薄く収益化ができるので、今後大きな成長が見込めるだろう。

アイモバイル (6535)東証マザーズ

■株式データ
株価 1,333円
単元株数 100株
予想PER(連)17.93倍
実績PBR(連) 2.64倍
予想配当利回り 無配
時価総額 約296億円

* 株価データは2018年1月26日終値ベース
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藤本誠之

藤本誠之

「相場の福の神」と呼ばれる財産ネット株式会社の企業調査部長。 年間200社を超える上場企業経営者とのミーティングを行い、個人投資家に真の成長企業を紹介している。「まいど!」のあいさつ、独特の明るい語り口で人気。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。ラジオNIKKEIで4本の看板番組を持ち、その他テレビ出演、新聞・雑誌への寄稿も多数。 日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジストAll About株式ガイド。 著書:『難しいことは嫌いでズボラでも 株で儲け続けるたった1つの方法』(SBクリエイティブ)など合計15冊