ここ数年で、ハンドメイド作品が販売できるサイトやアプリがずいぶん充実しました。手作りすることが好きで作品を販売してみたい、空いている時間で副収入を得たいという人には、興味深いですよね。ハンドメイド販売の副業とは、どのようなものなのでしょうか。

  • ハンドメイド販売は副業になる?

    注目のハンドメイド販売、どれくらい稼げる?

どんなものが売れるの?

ハンドメイド作品が販売できるwebサービスとしては、「minne」や「Creema」などが利用者も多く、代表的です。多くのサイトでは、売り上げの一部を販売手数料として支払う仕組みで、登録料や月額利用料なしで気軽に出品できるようになっています。流れとしては、会員登録後、商品説明の記載や値付けをして、商品画像をアップロード、商品が購入されれば、発送作業を行う、という流れになります。

ハンドメイド作品として販売できるものはとても幅広く、アクセサリーやファッション小物、洋服、インテリア用品、家具のほか、食品や食器、アート作品、ベビー用品、ペットグッズなどが売られています。そのほか、購入した人がカスタマイズできるよう、パーツや素材なども販売されています。

どれくらい時間がかかる?

ハンドメイド販売にかかる時間は、商品の受注状況によって異なります。受注製作の場合、注文が入った分だけ製作・発送の時間を確保する必要がある一方、製作した分だけ販売するなら、自分で時間を調整することもできます。

副業として行う際は、受注の連絡を見逃さないようにする、商品の納期に余裕を持たせておく、などの配慮をしましょう。

製作スキル以外にも必要なスキルとは?

当然ですが、まずはハンドメイド作品を製作するスキルが必要になります。ハンドメイドと言うと、「素人が趣味の延長で作る程度」というイメージを持っている人も多いようですが、サイトで販売されている作品には既製品と遜色ないクオリティの作品も数多くあります。また、副業としてだけでなく、ハンドメイド作品の販売を本業としている人も多く出品しています。

さらに、デザインにこだわったオリジナリティの高いものも多く、そうした作品と肩を並べられるセンスの良さも持ち合わせている必要があるでしょう。アクセサリーや洋服、ファッション小物を販売する場合は、トレンドも把握しておかなければなりません。

そのほか、商品に目を留めてもらうため、見栄えの良い写真を掲載することが非常に重要になります。つまり、写真撮影や加工、編集のスキルも多少なりとも必要になるのです。商品が魅力的に見える背景を選んだり、時には撮影用の小物などを用意したり、作品作り以外にも、工夫を欠かすことができません。

始めるためのコスト

始めるにあたってのコストとしては、まず作品の材料費と商品発送のための梱包材費などが必要になります。また、綺麗な写真を撮るための照明器具など小道具があればなお良いですが、まずは、撮影のためのデジタルカメラやスマートフォン、インターネット環境の整ったパソコンなどがあれば問題ないでしょう。

見込める収入はどれくらい?

では、ハンドメイド作品の販売でどのくらいの収入が期待できるのでしょうか。一般的には、月に1~5万円ほどの人が多く、10万円程度稼ぐ人はかなり限られた一部の「売れっ子」ということになりそうです。販売数が多ければそれだけユーザーの目に留まる機会も増えますが、「欲しい」と思われない作品であれば、販売する数が多くてもあまり売り上げが出ないこともあるでしょう。

ハンドメイド販売のサイトには、値段が手ごろでデザイン性が高く、さらに、購買意欲をそそられるような商品がたくさんあります。そのため、消費者目線で売れる工夫を施さなければ、月に1万円程度の収入を得ることさえ難しいケースもあるようです。また、商品の単価にもよりますが、副業として月数万円の収入を目指す場合、自分の時間を相当費やす必要がありそうです。

ハンドメイド販売の将来性

今から参入して稼げるのか、ハンドメイド販売の将来性も気になるところです。ハンドメイド販売のサイトは年々数が増えており、登録クリエイターや販売作品数も右肩上がりに伸びているところが多いようです。一方で、利用者数が増加せず、閉鎖してしまうサイトも。販売を始めるなら、大手でスタートするのが安全でしょう。

また、売るための努力や工夫を行えば、クリエイターが多くひしめく現状でも、売り上げが伸びる可能性はあります。地道な作業が苦にならず、「自分のお店」を盛り上げる意識で楽しめる人にとっては、ハンドメイド販売は副業として最適なのではないでしょうか

まずは「販売」することを楽しもう

ハンドメイド作品の販売は、ただ良いものを作れば勝手に売れていくわけではないところに難しさがあります。しかし、「どうすれば売れるのか」を楽しみながら取り組めるのなら、結果は自ずとついてくるのではないでしょうか。ハンドメイド販売を行うなら、その点もしっかりと考えていきたいですね。

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筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。

イラスト=竹村おひたし