前回の復習
まいど、"相場の福の神"こと藤本です。前回は、「NISAで「投資信託」を買おう!--その(1)」と題して、「投資信託って何?」について解説いたしました。
そのポイントを再掲載すると以下の通りです。
ポイント
投資信託は資金を多くの投資家から集めて、投資の専門家が運用してくれる金融商品
NISAで買える株式投信は、株式だけでなく、債券や商品など様々な金融商品に投資可能です
投資信託を使った資産運用で最も重要なことは、どの「投資信託」を選ぶかです
投資信託は、投資家から集めた資金を投資の専門家が様々な金融商品で運用する商品です。投資家は、どの「投資信託」を選ぶかが最も重要です。
2つの運用方針
NISAで投資信託に投資をするに当たっては、大きく分けて以下の2つの運用方針が考えられます。
- (1)積極運用
非課税になるのだから、利益が大きければ大きいほど得になる。リスクを取って積極的に運用していく。
- (2)安定運用
もしも5年後に損失が出ていたら、非課税制度の意味が全くない。期待できる利益は大きくなくても、できるだけリスクを取らずに価格変動を抑えて安定的に運用をしていく。
どちらの運用方針を採るかは、皆様の資金性格や投資経験などによって決めていただかなければなりませんが、それぞれの方針ごとに、ファンド選びのコツをご紹介していきたいと思います。
積極運用編
今回はまず、(1)の積極運用についてご案内しましょう。
何に投資?
価格変動を恐れず、積極的に収益拡大を目指していくのなら、代表的な資産としては株式やリート(REIT 上場不動産投資信託)が挙げられます。株式やリートに投資する投資信託に投資すれば、銘柄選びや売買タイミングに悩むことなく、株式やリートに投資することが出来ます。また、日本市場だけでなく、先進諸国や新興諸国にも手軽に投資可能です。
どこに投資?
次に、投資する資産としては株式やリートだとして、投資する地域はどこがより積極的といえるのでしょう?
新興国
最も積極的な投資先としては、新興国が挙げられます。人口に占める若い世代が多かったり、資源が豊富だったりして、高い成長性が期待できるためです。新興国にも規模や発展段階に応じていくつかのグループがあります。
(1)BRICs(ブリックス) :ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国を指します。新興国の中で特に規模が大きく、経済発展段階もある程度進んでいる国々です。
(2)BRICsの後を追う国々:インドネシア、メキシコ、トルコ、南アフリカなどBRICsの次に位置する準大国や、タイ、フィリピンなど。
(3)「フロンティア」な国々:モンゴルやバングラデシュ、中央・北部アフリカ諸国など、ようやく発展の緒についたばかりの国々。
経済の安定性という観点で順番をつければ(1)→(2)→(3)、将来性という観点でなら(3)→(2)→(1)と考えられます。
投資信託なら、それぞれの地域・国ごとにも、これらの地域にまとめてでも、比較的簡単に投資することができます。
具体的には、新興諸国に投資するファンドでは下記の4ファンドがオススメです。
先進国
成長性という観点では新興国には劣りますが、投資対象として先進国の魅力が乏しいわけではありません。先進国を地域別に大きく分けると、北米、欧州、日本ということになります。北米・欧州と日本に分けてオススメのファンドをご紹介しましょう。
北米・欧州
日本
今回のまとめ
NISAでの運用方針には、リスクをとって収益を狙う積極運用と、リスクを抑えて安定収益を狙う安定運用があります。
積極運用の場合、株式・リート(上場不動産投信)に投資する投資信託がオススメです
投資する地域は、大きく新興国、先進国に大別され、それぞれオススメのファンドをご紹介いたします
次回は、『NISAで「投資信託」を買おう!--その(3)安定運用編』です
執筆者プロフィール : 藤本 誠之
SBI証券投資調査部 シニアマーケットアナリスト。日本証券アナリスト協会検定会員。自称、「相場の福の神」。関西大学工学部電子工学科卒。日興證券(現SMBC日興証券)入社、個人営業を経て、機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。1999年、日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍(その後、日興ビーンズ証券はマネックス証券と合併)。2008年7月、マネックス証券から、カブドットコム証券に移籍。2010年12月、トレイダーズ証券に移籍。2011年3月、同社を退職。のちに独立、マーケットアナリストとして活躍。2012年からマネーパートナーズのスタッフとして活動。2013年7月1日より現職。著書に 『ニュースを"半歩"先読みして、儲かる株を見つける方法 』(アスペクト)、『株で儲けるニュースの読み方 相場のプロが教える「先読み&裏読み」の極意』(ソフトバンククリエイティブ)、 『儲けに直結!株価チャートドリル』(成美堂出版)がある。
※ 本コラムで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。