マイナビニュースの読者の皆様、はじめまして、"相場の福の神"こと藤本誠之です。今回から、『"相場の福の神"の「NISAで買おう!」』と題して、世間で話題のNISA(少額投資非課税制度)について、初心者でも簡単にわかりやすく、(さらにココが"最も重要な点"ですが)「読んでトクする情報」満載で、解説していきます。是非、この連載で少しでも投資・資産運用について、「投資ってこんなことなんだ」と分かっていただけるようになれば、幸いです。
ココで少し自己紹介、藤本はネット証券最大手のSBI証券投資調査部に所属していてる「シニアマーケットアナリスト」です。日本語にすると「上級者・相場・分析する人」なので、株式市場で起こっていることを、個人投資家に判りやすく解説するのが仕事です。SBI証券のWEB上の様々なレポート、Yahoo!ファイナンスの株価予想などで、藤本のコンテンツを皆様にもご覧いただくことが可能です。
「NISA」って聞いたことがありますか?
皆さん、NISAって聞いたことがありますか?
「アポロ計画の…」、それは「NASA」(アメリカ航空宇宙局)です。って、冗談はさておき、NISAは「ニーサ」と読む、今年1月からスタートした、少額投資非課税制度の愛称です。
「貯蓄から投資」への国策のもと、株式・投資信託(株式型)の一定額の投資までは、その利益の課税がゼロになるというものです。
現在は、株式・株式投資信託への利益に対しては、20.315%の税金がかかります。しかし、NISA口座で取引すれば、この税金をゼロに出来るのです。
例えば、1,000円の株を100株買うことを考えましょう。売買手数料は証券会社によって異なりますが、例えばSBI証券(アクティブプラン)ではこの場合、ちょうど100円です。
- 購入代金=1,000円(株価)×100株(株数)+100円(手数料)=100,100円
この株を、5割高の1,500円になったとき、売却したと仮定すると、
- 売却代金=1,500円(株価)×100株―200円(手数料)=149,800円
になります。
このときの利益は、売却代金-購入代金なので、
- 利益=149,800円-100,100円=49,700円
になります。
NISA口座でない、通常の口座の場合だと、税金は
- 49,700円(利益)×20.315%(税率)=10,096円になります。
本来、49,700円儲かったのに、手取りの利益は、39,604円に減ってしまうのです。
しかし、NISA口座で、この売買を行えば、本来儲かった49,700円がそのまま手取りの利益になります。
コレが、NISAの最大の魅力である「非課税」になるということです。
「少額と言うのは、いくらのことで、いつまで非課税になるか」
それでは、「少額と言うのは、いくらのことで、いつまで非課税になるか」、少しややこしいけど、説明しますね。
少額って言っても、実は「100万円」なんです。ただし、非課税期間は未来永劫ではなく、5年間って決まっています。
下記のような仕組みです。
NISAをはじめるには?
NISAをはじめるには、株式・株式投資信託を販売している金融機関で、NISAの専用口座を開設する必要があります。まずは、このどの金融機関を選ぶのかが、重要です。
なぜなら、NISA口座は、お1人1口座しか開設できないからです。
金融機関の選択肢としては主に下記の3つなどが考られます。
株式投資信託だけしか絶対に買わないって決めている方は、銀行や直販を行っている投信会社を選んでもOKですが、株式を買う可能性がある場合は、証券会社を選んでおいたほうが無難です。できる限り数多い商品を取り扱っている金融機関を選んでおき、投資の選択肢の幅を広げておくことが肝心です。
また、証券会社にも、店舗があり営業マンがいる対面証券と、ネット証券の2つがあります。
対面証券は、手数料が高い代わりに、何を買ったらよいかなど投資に関することを営業マンに相談することができます。ネット証券では、WEBの操作方法など使い方が判らない場合は電話でコールセンターに聞けますが、何を買ったら良いかなどの投資に関する相談には応じていない会社が多いです。
どの金融機関を選ぶのかは、皆さんのご自由です。どうしても投資に関する相談が必要な方は、対面証券会社を選んだほうが良いですし、ネット・書籍・雑誌などさまざまな情報を元に、自分で商品を選択できる方は、ネット証券がオススメです。ご自分に合った金融機関を選んでください。
最後に、もう一度NISAのポイントをまとめると…。
ポイント
NISAに対応する証券会社・銀行・投信会社などのいずれかに専用口座を開設
NISA口座を開設できるのは1人1口座まで
投資金額は年間100万円まで
対象商品は、上場株式(上場投信(ETF)、不動産投信(REIT)を含む)と株式投資信託
売却益や配当金などの利益の税金がゼロ
期間は、最長5年まで
執筆者プロフィール : 藤本 誠之
SBI証券投資調査部 シニアマーケットアナリスト。日本証券アナリスト協会検定会員。自称、「相場の福の神」。関西大学工学部電子工学科卒。日興證券(現SMBC日興証券)入社、個人営業を経て、機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。1999年、日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍(その後、日興ビーンズ証券はマネックス証券と合併)。2008年7月、マネックス証券から、カブドットコム証券に移籍。2010年12月、トレイダーズ証券に移籍。2011年3月、同社を退職。のちに独立、マーケットアナリストとして活躍。2012年からマネーパートナーズのスタッフとして活動。2013年7月1日より現職。著書に 『ニュースを"半歩"先読みして、儲かる株を見つける方法 』(アスペクト)、『株で儲けるニュースの読み方 相場のプロが教える「先読み&裏読み」の極意』(ソフトバンククリエイティブ)、 『儲けに直結!株価チャートドリル』(成美堂出版)がある。
※ 本コラムで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。