キノコのリゾット。様々なキノコを使ったこの料理は、イタリア料理店では秋の定番メニューとして人気。今回は、中国料理でもこの人気メニューをつくってもらおうと東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さんにお願いした。

考案していただいたのは、「キノコのリゾット風チャーハン」。中華のあんをつくったところで後混ぜ法でつくった玉子チャーハンを入れ、混ぜ合わせるといった内容。あんかけチャーハンのあんとチャーハンが一体化したイメージだ。キノコはシメジや舞茸、椎茸を組み合わせて使っている。風味や食感の複雑さが増し、奥深い味わいとなる。さらに、瓶詰めのなめ茸も加えているので、味が決まりやすく、慣れない人でも失敗しにくい工夫がなされている。

「キノコのリゾット風チャーハン」

材料(1人前)
ごはん 180g / 卵 1個 / キノコ類(今回はシメジ、舞茸、椎茸を使用) 60g / 水 200cc / なめ茸 60g / 万能ネギ 適量 / サラダ油 大さじ1 / 塩 少々 / 砂糖(チャーハン用) 少々 / 胡椒 少々 / ゴマ油 大さじ1 / オイスターソース 大さじ1 / 濃口醤油 小さじ1 / 砂糖(あん用) 小さじ1/2 / 水溶き片栗粉 適量

つくり方

1.ごはんはレンジで温めて、ボウルに入れておく。
2.フライパンを火にかけ、サラダ油をひく。卵は溶いておき、フライパンに一気に流し入れる。軽くかきまぜつつまとめ、全体に火が通ったところで1のボウルに移す。
3.ごはんと玉子をしっかりと混ぜ合わせ、フライパンに戻し入れる。中火で切るようにして炒め、水分を飛ばす。塩、砂糖、胡椒で下味を付け、ボウルに移す。
4.キノコ類は石突き部分を取り除き、適当に裂いておく。フライパンを火にかけ、ゴマ油をひき、キノコ類を中火で炒める。
5.キノコ類に油がなじみ、火が通ってきたら、水を入れて強火に。沸騰したら中火にし、なめ茸、オイスターソース、濃口醤油、砂糖を加える。
6.調味料類が溶けたらいったん火を止め、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。再度火をかけ、強火でとろみが出るまで混ぜていく。
7.ある程度煮詰まってきたら中火にし、3のごはんを戻し入れる。あんとごはんが絡むように、中火にかけながら混ぜ合わせる。一体感が出てきたら火を止め、皿に盛って刻んだ万能ネギを散らす。

今回はチャーハンにも塩と砂糖、胡椒で下味をつけている。これは、あんの味との一体感を持たせるため。また、あんのとろみが弱いとジャバジャバとして雑炊のようになってしまうので注意。とろみはやや強めに、しかしあんかけチャーハンのあんよりはやや弱めといった具合にしよう。

キノコの風味に加え、立ち上るゴマ油の香りがなんとも特徴的で、これぞ、中華風リゾットといった仕上がりだ。

教えていただいた料理人

「Essence」オーナーシェフ兼ソムリエ
薮崎友宏さん


横浜中華街の老舗「菜香新館」にて修業を開始。26歳で立川店の料理長に抜擢される。その後、広東省で家庭料理を学び、北京の大学で薬膳の研修を受ける。中国政府認定の国際薬膳調理師の資格も有する。2007年3月に東京・青山「Essence」料理長、2008年に同店オーナーシェフに。同店では薬膳も取り入れ、広東料理をベースにした料理を提供。チャーハンは4種類を用意し、近隣へのデリバリーも行っている。

「Essence」
住所: 東京都港区南青山3-8-2 サンブリッジ青山1F
TEL: 03-6805-3905
この連載では、家庭で再現しやすいよう、卓上コンロと一般家庭にあるテフロンフライパンを使って調理していただいています。

撮影: キミヒロ