保険料をムダに払い続けないためには目的にあった保険に加入することが大切です。ひとくちに保険と言ってもさまざまな種類がありますから、まずはどんな保険があって、どんな特徴なのか理解しておきましょう。ここでは加入目的別に代表的な保険を紹介します。
代表的な保険の種類を知ろう
●万が一の保障
世帯の稼ぎ手がいなくなると、残された家族のその後の生活費や教育資金などが心配です。そのために備えておく保険のことを一般的に死亡保険といいます。
死亡保険には「定期保険」「終身保険」「定期付終身保険」などがあります。定期保険は契約で決めた一定期間だけ保障する保険です。対して終身保険は一生涯保障が続きます。定期付終身保険はこれら両者を組み合わせ、契約してから一定期間をより手厚く、その後は保障額を小さくして生涯続けるものです。
●病気やケガの保障
前述の死亡保険に入院や通院などの医療保障特約を付けることができます。 しかし、死亡保障は必要ないけど医療保障が欲しいというような場合に加入したいのが「医療保険」です。
医療保険では、一般的に入院給付金日額5,000円、10,000円というように、入院したときに1日当たりいくらもらえるかという契約の仕方をします。また、高額な医療費が必要とされる三大疾病や先進医療に対し、特約をつけて保障を手厚くすることもできます。なお、女性疾病への保障を手厚くした女性保険もあります。
●将来のための貯蓄代わり
契約で定めた年齢に達した時、終身または一定期間にわたって年金をもらえる「個人年金保険」があります。また、将来の子どもの教育資金のための貯蓄なら「学資保険」があります。
どちらも貯蓄性に重点を置いていますが、死亡保障もありますから純粋な貯蓄というわけではありません。低金利が長く続く現在のような状況下では元本割れのリスクもあります。払い込む保険料の総額ともらえる予定の総金額をしっかり比較して検討することが大切です。
必要な保障を知る5つのパターンとは
保険の種類を知ったあとは、自分にとって必要な保障を把握することが大切です。ライフスタイルが多様化してきた現在では必要な保障の定型というのはありませんが、シンプルに言うと「扶養すべき家族がいるかどうか」で変わってきます。そこで、簡単に5つのパターン別に分けて、必要な保障を把握できるポイントを紹介します。
結婚していない場合
病気やケガの保障(医療保障)を優先、結婚、子どもの誕生に合わせて将来的に万が一の保障(死亡保障)を検討結婚していないが、子どもがいる場合
万が一の保障(死亡保障)を優先、病気やケガの保障(医療保障)は公的保障や会社の保障を確認しながら検討結婚している(したい)場合
共働きかどうかによって万が一の保障(死亡保障)または病気やケガの保障(医療保障)を検討結婚していて、子どもがいる場合
万が一の保障(死亡保障)を優先、病気やケガの保障(医療保障)は公的保障や企業保障を確認しながら検討結婚していて、将来的には子どもが欲しい場合
子どもの誕生に合わせて万が一の保障(死亡保障)を検討。母親となる人の状態によっては妊娠前に女性保険など病気やケガの保障(医療保障)を検討。
まだ独身のうちは大きな保障を備えるよりも貯蓄を重視したいもの。公的保障や企業保障を確認しながら必要最小限の医療保障に加入しておくのもいいでしょう。
筆者プロフィール:續 恵美子
エフピーウーマン認定ライターファイナンシャルプランナー。生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに――。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。