「Nokiaハウス」として知られる本社ビル

Nokiaの故郷を訪ねた翌日の月曜日、いよいよNokiaの本社を訪問する日がやってきた。フィンランドでは誰もが知っているNokia、ヘルシンキではNokia本社の名称は「Nokiaハウス」として知られている。ホテルの前からタクシーに乗って「Nokia」と伝えると、すかさず「Nokiaハウスだね」と運転手が聞き返してきた。「ヘッドオフィス」などと伝えなくとも、Nokiaハウスといえばすぐ理解してもらえるわけなのだ。

ヘルシンキは昨日訪問したノキアの町とは違い、車の量も多くトラムも走っている。だが道路は渋滞するほどではなく、タクシーは快調に雪道を飛ばしていく。程なく運転手が「ほら、Nokiaハウスが見えてきたよ」と指差すので、その方向を見てみると大きな建物の右上にうっすらとおなじみの青い「NOKIA」のロゴが見えてきた。ヘルシンキ中央駅からNokia本社までは20分ほど、あっという間に到着する。

タクシーに乗ること十数分、NOKIAのロゴの掲げられたビルが見えてきた

Nokia本社の敷地入り口

交通量の多いメイン道路からNokia本社の敷地内に入っていくと、「NOKIA」の看板が来訪者を出迎えてくれる。本社ビル南入口前でタクシーを降りると、ガラス張りで明るい雰囲気の建物が目の前にそびえ立っていた。この建物はフィンランドで有名な建築家ペッカ・ヘリン氏設計によるもの。日の短い冬が長いフィンランドの気候を考慮し、ガラスを多用して自然の光を積極的に取り入れる設計になっているのが特徴だ。これはまさしく北国ならではの建築デザインと言えるだろう。

Nokia本社訪問当日は最低気温がマイナス10度前後と、だいぶ”暖かい日”だった。だが、車道以外は雪が降り積もり、駐車場へ向かう密閉された通路にはツララが連なっている……。寒さを感じられずにはいられないので、すぐにNokia本社のドアを開けた。

中に入ると、ロビーには正面の大きなガラス窓から外光が入ってきており、明るく、暖かかった。窓に降り積もった雪越しに外を見ると一面雪景色なのだが、なんとそこは海だという。冬の間は凍結しているとのことだった……。

ガラスを多用した本社ビル正面。あたりは雪に覆われている

駐車場への通路にはツララ。冬の厳しさを垣間見ることができる

さて、ロビーの左側と右側にはそれぞれのビルの入り口があるのだが、そこから先は関係者と許可を受けた来訪者以外は立ち入りできないとのことだった。今回筆者は、入り口を入った先のカフェテリアや端末のディスプレイなどを見学させてもらった。カフェテリアは、木材を多用した落ち着いたインテリアと吹き抜けの開放感が印象的で、いかにもヨーロッパ企業といった感じ。このカフェテリアには、オリペッカ・カラスブオCEOも訪れるそうだ。

ロビーは明るく開放感あるがガラス窓には雪。その先の海面は凍結していた

カフェテリアでもやはり魚料理が美味しい。手前のベリージュースは無料

Nokiaグッズ売り場に突撃

前述したが、Nokia本社の内部は自由に見学することはできない。今回は一般的な打ち合わせで利用する場所のみを見せていただいたのだが、これでは「本社訪問紀」とするには物足りない……。しかし、ここには来訪者を楽しませてくれる、とっておきの場所があったのだ。そこはNokiaのロゴ入りグッズを販売している「Nokia Promoshop」である。

Nokiaグッズを販売しているNokia Promoshop

Nokiaは携帯電話だけではなく周辺機器などのアクセサリ、そしてストラップやノート、果てはバッグや帽子などのさまざまなグッズを販売している。

Promoshopでは、それらのNokiaグッズを販売しているのだ。さすがに全ての製品を取り扱っているわけではないが、型落ちの入れ替え商品が割引価格になっていたり、限定販売品などのお得な商品を見つけることができる。他にはフィンランドのデザイナーのオリジナル商品なども取り扱っているそうだ。営業時間は月曜から金曜の9:30~16:30。ただしお昼の休憩が約1時間あり、こちらは12:30を前後に来客の数などによってずれるとのこと。筆者はカフェテリアでお昼ご飯を済ませたあとに訪ねてみたのだが、その日は13:30までが昼休みだった。しょうがないので、ロビーのベンチで営業再開を待つこととした。

さて待つこと数十分、Promoshopのドアが開いたので早速入ってみると、そこは「Nokia、Nokia、Nokia」、右も左も正面も後ろも全てNokiaグッズで埋め尽くされていた。しかもお土産にもちょうどよい数百円程度で気軽に買えるグッズも多数販売されている。寒いフィンランドだけにNokiaロゴ入りのジャケットやパーカーなどのウェア類も豊富だ。Nokiaファンならこのためだけに本社へ立ち寄って見るのも悪くは無いかもしれない。店内は写真撮影できないため、イラストで内部の雰囲気の一部を味わって欲しい。

店内の感動をイラストで!! とにかくNokiaグッズだらけなのだ

世界一の携帯電話メーカー、Nokia。厳しい自然環境の中に本社が位置しているからこそ、常に「使いやすい携帯電話」を追い求めて製品開発を行っているのではないだろうか。Nokiaの製品が世界中で支持されている理由はそこにあるのかもしれない、そんなことを思いながら本社を後にしたのであった。

ついつい大量に買ってしまったグッズたち

本社へはバスで行くことも出来る。帰りはこの向かいのバス停からバスでヘルシンキへと戻った