最近、量販店のフィルムコーナーにいくのが、ちょっとつらいかも。フィルムの種類が少なくなった上に、ブローニーフィルムなんか、単品で買えるものがずいぶん減ったから。特に、2010年以降は加速度的にフィルムの種類が減っている。たとえば、こんな製品がなくなった。

カラーネガだと、「FUJICOLOR PRO 800」。「コダック プロフェッショナル ポートラ400NC、VC」は統合されて「ポートラ 400」へ。リバーサルだと、「FUJICHROME T64」の120フィルム、そして、35mmのアスティアまでが販売中止になってしまった。

なくなったフィルムの銘柄、単品で販売されなくなったフィルムはどれでしょう?

私は、最近はブローニーの120フィルムを使うことが多いが、単品のパッケージ商品がほとんどないのが痛い。つい1、2年前には、プロビアもアスティアも、ポートラも単品で買っていたのがうそみたいだ。プロのフォトグラファーがデジタル一眼レフに乗り換えた結果だが、ホルガ愛好者など個人ユーザー向けとして、単品の120フィルムはぜひ残してほしい。

フィルムがどんどん少なくなっていくこの2011年にフィルムの本が増刷だって。

しかし、フィルムカメラの人気は根強く、多くのカメラ雑誌・ムックがフィルムカメラ特集をしている。『カメラ・ライフ』最新号Vol.8は「バルナック&M型ライカ」特集、『CAMERA magazine』の最新第14号は「フィルムの魅力」特集、というのはなんとなく理解できるが、『写ガール』最新第3号の「迷ってるヒマはない! よく学び、よく遊ぶフィルムカメラ入門!」特集にはびっくりした。

そう、迷ってるヒマはないのかもしれない……。と思っていたら、『写ガール』と同じエイ出版が刊行した『SNAPSHOT magazine』というムックの特集も「デジタル時代にはじめるフィルムカメラ生活」だって。「35mmカラーネガフィルム全35種、全特徴」なんて記事もある。みんなフィルムカメラ好きなんだね。そういう私は最近、ベビーイコンタ買っちゃった。まだ撮っていないんだけど、ちっちゃくてかわいいんだ。

ロモジャパンでは、「The Future is Analogue!(これからはアナログだ!)」を証明する公式マニフェストとして「10の予言」を新たに発表。ロモグラフィー本社見学つきのウィーンへの旅プレゼントキャンペーンも実施中

そして、朗報(?)。マイコミジャーナルを運営しているマイコミが出したフィルムカメラの書籍『フィルムカメラの撮り方 きほんBOOK』もめでたく重版だそう。アナログだからのよさを楽しみたい人はまだまだ健在ですよ。

ところで、フィルムカメラユーザーの多くは、同時にデジタルカメラも使っていると思う。デジタルカメラのいいところのひとつに、データの使い回しというものがあるが、フィルムカメラの場合も撮影したフィルムをデジタルデータにしてしまうと楽だ。次回は、フィルムスキャナーを使ったフィルムカメラの楽しみ方を紹介したい。

『フィルムカメラの撮り方 きほんBOOK』

フィルムで撮る楽しみをクローズアップした本。特に、著者のふんわりやさしく撮るテクニックは真似したいものばかり。「コダック プロフェッショナル ポートラ NC」の作例が満載なので、フィルムカメラ女子必携の本ともいえる。フィルム写真にこだわりをもつ男性にもぜひ読んでほしい。
山本まりこ著、毎日コミュニケーションズ・デジカル編集