付き合いはじめて十数年経つのに、いまだ痛みと倦怠感で憂うつな気分になる「生理」。「女の子の日」とかわいく言い換えたところで、かわいさの欠片も感じないのは筆者だけでしょうか。そんな生理をはじめ、女性特有の問題を技術で解決する「フェムテック」。本特集では、今注目を集める「フェムテック」をさまざまな切り口からひも解いていきます。
第6回目は、オンライン漢方相談サービス「わたし漢方」をご紹介。漢方と聞くと、「値段が高い」「種類がありすぎてよくわからない」と言ったイメージを持つ人もいるのでは? かく言う筆者もその1人。今回はそんな悩みを解決してくれるサービスの体験レポートはもちろん、漢方についてもお伝えしていきます。新生活がはじまって体がついていかない人や、長い間不調を抱えているという人はぜひ、記事を参考にしてみてくださいね。
■「漢方」って何だろう?
まずは漢方について紹介していきましょう。
「わたし漢方」によれば、漢方は、「生薬」と呼ばれる自然界に存在する植物や動物、鉱物などの薬効となる部分を使用して作られる医薬品とのこと。「降圧剤」「抑うつ剤」と言った個々の症状を抑えるように働く対症療法の西洋薬とは異なり、漢方は症状の原因となる体質を改善するのが特徴。そのため、漢方による体質改善は「根本治療」とも言われているそうです。
ちなみに、恥ずかしながら筆者は昔「サプリと一緒でしょ」と思っていたのですが、それは全く違うとのこと。サプリメントは足りない栄養素などを補う健康食品を指しますが、漢方薬は医薬品です。そのため、薬剤師が処方しているんですね。
では、ここからは「わたし漢方」について紹介していきます。
■"気軽さ"にこだわった「わたし漢方」
「わたし漢方」は、LINEで体の悩みを薬剤師に相談すると、自分にあった漢方薬を自宅に配送してくれるオンライン漢方相談サービスです。
同サービスは創業者である水沼さんが、約15年悩まされていた症状が漢方に出会い改善され、漢方は「今を生きる女性の心強い支えとなる」と思ったのがきっかけ。そこから、「もっと気軽に漢方に触れるきっかけを、日本の女性たちにつくりたい」との思いから、2017年にサービスがスタートしました。
"気軽に"がポイントの「わたし漢方」の特徴は、大きく分けて2つです。
1つ目は「相談しやすい環境」。同サービスでは、カウンセリングはすべてLINE上で行います。漢方の専門家が直接悩みに答えてくれ、購入前はもちろん、購入後も体質の変化に合わせて相談が可能です。働く女性にとって、病院に行く手間や時間を取るのは一苦労。スキマ時間を使って相談できるのがうれしいですよね。
2つ目は「価格」。基本的に漢方は貴重な天然資源からできているため、薬局で購入すると月2~6万ほどかかってしまうこともあるそうです。その点、「わたし漢方」はLINE相談に特化することで人件費を削減し、低価格の値段設定を実現。どの処方も定額の1万円台におさえることができたのだとか。さらに最初の問診は無料と、初めて漢方をはじめる人も安心ですね。
今回、筆者も「わたし漢方」を実際に体験したのでその様子をレポートしていきます。
■LINEで悩みや不調を丁寧にヒアリング
まずは、LINEのお友達登録をすることからスタート。そのあとは、どんどん質問が出てくるのでひたすら自分にあてはまるものを答えていくだけです。筆者の場合は、肩こり・頭痛、おなかのハリや倦怠感などの症状を回答しました。
個人的に数分で終わると思っていたのですが、舌の写真を送って健康状態を確認する「舌診断」や、第三者に協力してもらい自身の体調をチェックする質問など、予想以上に細かく丁寧に問診されたのが印象的でした(舌診断・第三者チェックは任意)。
質問の合間には、「漢方についての説明」(任意)などもあるので、それらをチェックする時間も合わせると約10~15分で問診が完了。あとは、薬剤師から診断結果が送られてくるのを待つだけ。約3~5営業日とのことでしたが、翌日には長文のお返事が!
簡単に言うと、筆者は体の巡りと自律神経のバランスが悪いとのこと。漢方においては「気」の巡りが悪く、停滞したその状態を「気滞(きたい)」と言うそうです。
そこで、「血行を良くし、血を補い体をあたためていく」「痛みやこりなどをやわらげる」「神経をリラックスさせる」などの効果が期待できる生薬を組み合わせた漢方「抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)」をすすめられました。
ちょっと難しい名前ですが、期待できる効果を最初に説明してもらえるので、薬や効果をきちんと理解してから、購入するか否かを決められます。
あとは、お値段などを確認して、クレジットカード情報や個人情報を入力。いろんなサイトに飛ばされることもなく、LINE上ですぐに手続きが済んだのもラクチンでした。
■オシャレな見た目で届く漢方
その後、約3日で自宅に漢方が届いたのですが、そのパッケージはパッと気分が明るくなるようなかわいらしいもの。以前病院でもらったことのあるシンプルで、少し古めかしいイメージとはかけ離れたオシャレなデザインにびっくり! 偶然にも荷物を受け取った夫が言った「漢方らしくないね」との言葉に、「うんうん」と自然とうなずいていました。
早速パッケージを開けて中身を出すと、漢方30日分と一緒にスタートガイドや漢方専用の保管袋、気滞体質の説明書などが入っていました。中身も同様、女性が手に取りやすいよう工夫されたデザインで、薬を飲むと言うのに少しだけ胸がトクンと高鳴ったような気持ちに。
■漢方1週間飲み続けたら……
ただ、見た目がいくらかわいくても結局は漢方。以前に病院で出されたものを飲んだときは粉薬の粒が大きいためか、飲みづらく服用を諦めてしまったのを覚えています。
そんな経験が頭をよぎる中、恐る恐る封を切り、口に入れると……、アレ? 思ったより飲みやすい。粒が細かいからなのか、種類のせいなのか、筆者が大人になったからなのか。答えはわかりませんでしたが、想像以上に飲みやすく約1週間、継続することができています。
ちなみに、「わたし漢方」は届けて終わりではなく、届いたあともLINEでサポートをしてくれます。例えば、粉薬が飲みにくい場合は、「水や白湯に溶かすと飲みやすくなること」や、「空腹時に服用することで薬がより吸収され、効果が出やすくなること」など、ちょっとした豆知識を教えてくれるのもうれしいポイントです。
そして、筆者が最も感じたのは「わたし漢方」は"とにかく優しい"ということ! LINE上で薬を飲んだことを報告すると褒めてくれたり、「辛いですよね」と悩みに寄り添ってくれたり、飲み方や生活におけるアドバイスをくれるなど、事務的ではないコミュニケーションがなんとも心に染みます。個人的には、ここ数週間で1番気にかけてもらい、優しくされた気がしています。(笑)
現在飲みはじめて約1週間が経過しますが、お通じが良くなったこと、おなかのハリが少し収まったように感じます。ですが、肝心の肩こりや頭痛への効果はいまひとつ。
購入前にも説明がありましたが、長年の蓄積は改善するまでに同じだけ長い時間がかかるとのこと。生活習慣なども見直し、最低でも半年きちんと継続して、様子をみようと思います。
体にはもちろん、心にも優しいサービス「わたし漢方」。長年の不調に悩まされている人や、新生活に慣れず疲労がたまっている人は、「わたし漢方」で自身の心と体をいたわってみてはいかがでしょう。