自宅やオフィス、外出先など、複数のパソコンを使う環境のすべてで、Excel 2007環境を揃えるのは難しい。今でもExcle 2000/2002/2003をインストールしている企業やネットカフェは多いのだ。ならば、肌身離さず常備するTODO&スケジュール表は、メインマシンがExcel 2007であっても、旧バージョンで快適に使えるように工夫したほうがいい。
新機能は便利だけど……「互換モード」から離れられない!
メインマシンをExcel 2007にして久しいが、ほとんどの場合、TODO表を含めて「Excel 97-2003互換モード」で保存している。主な理由は3つある。ひとつは、普段使っているパソコン環境。僕は主にExcel 2007をインストールした自宅のメインマシンと、Excel 2000搭載のモバイルノートを使っている。モバイルノートでTODO表を開く機会が5割程度あるため、Excel 2007専用の「.xlsx」ファイルへの以降を踏み切れないでいる。
マイクロソフトが公開している「Word/Excel/PowerPoint 2007 ファイル形式用 Microsoft Office 互換機能パック」。各2000/2002/2003向けのブログラムで、これを適用すると2007のファイルが扱えるようになる。ダウンロードはここから |
ただし実際は、旧バージョンで.xlsxファイルを開くためのプログラムがマイクロソフトから入手できる。これにより少し手間をかければ第一の理由はクリアできるのだが、Excel 2007に慣れきって、編集部に提出するファイルまでうっかり.xlsx形式にしてしまうのが怖い。それが第二の理由だ。僕の周りでは、今でもExcel 2000/2002/2003が主流な気がする。.xlsxファイルを共有物にできる環境はまだ完成していない印象だ。まあ、うっかりミスをしなければいいんだけど、気をつけてもやってしまうのがうっかりなわけで。
そして最後の理由は、新機能を使いこなす面倒くささだ。グラフが美しくなったり、インタフェースが動的に表示されるようになるなど、劇的な変化を遂げたが、僕はExcel 2000の少し野暮ったい感じが好きで使い続けていた。
「じゃあ買うなよ」と言われそうだが、もちろんExcel 2007を導入するメリットも大きいのだ。マルチコアCPUに対応したことで複雑な処理が素早くなったほか、並べ替えやフィルタ機能が強化されて、膨大なデータベースから目的の情報を探しやすくなったのはうれしい。細かい所では、数式バーの大きさが可変になったことで、長い関数式が見やすくなったのも助かっている。
Excel 2000のパレットを2007に持ち込む
僕としては、Excel 2007の利点を享受しつつ、Excel 2000のインタフェースに近づけるのが理想なのだ。そして、EXCEL 2007でしか反映されない表示機能やファイル形式を回避することで、旧バージョンとの敷居を極限まで低くする。
理想の環境を手に入れるために、ウィンドウの上部を占拠するリボンを最小化した。作業中もリボンを開かなくていいよう、「クイックアクセスツールバー」によく使う機能を設定するのも忘れてはいけない。これだけで随分抵抗感がなくなる。
もうひとつ重要なのが、「テーマの配色」だ。Excel 2007は最大1600万色をサポートしており、「テーマ」に合わせた多様な配色がプリセットされている。しかし、旧バージョンのパレットに並んでいた色のセットが見あたらない。僕のTODO表は、様々な文字色や背景色を駆使して多様な情報を区別しているため、従来の色がすんなり引き出せないと作業効率の大幅ダウンに直結する。Excel 2007に色を合わせ直すと、今度はモバイルノートで十分な操作ができなくなる。
そこで、「新しい配色パターンの作成」を使い、旧バージョンでよく使っている色セットを自作した。色は「ユーザー設定」で赤緑青(RGB)それぞれを255段階に調節して決められる。Excel 2000のパレットのスクリーンショットを脇に置いて、Excel 2007のRGB設定でぴったりの色設定をメモし、「新しい配色パターン」に登録。この配色を現在のテーマに設定することで、旧バージョンと同じ色が利用できるようになるのだ。
Excel 2007がスタンダードにはなっていない現在、自宅や職場、ネットカフェなど、複数のPC環境でExcelのTODO表を使うなら、旧バージョンとの操作性における互換性を最大限に高めるのが、もっとも効率的な付き合い方と思える。周囲に合わせられるのは、やはり最新バージョンのみが持つ特性なのだ。