TODO&スケジュール帳だからといって、シートを仕事の予定や統計だけに限定する理由はない。体型管理グラフや出納帳などを個別に作るより、“毎日必ず見るファイル”に組み込んだほうが断然楽なのだ。Excelならそうした組み込みが実現できる。今回は、リフィルを追加するように、身の回りのあらゆるデータを組み込む活用法をお伝えしたい。
Excelのワークシートはリフィルである
ExcelでTODO&スケジュール管理を行うもうひとつの利点が、ワークシートの自由な追加だ。システム手帳のリフィルのように、任意の機能を手軽に取捨選択していける。身の回りの情報をひとつのファイルにまとめられるメリットは、かなり大きい。たとえば、相手先の電話番号を走り書きしたとして、書いた先が単独のメモ帳であるより、システム手帳の自由メモ欄を使ったほうが、紛失の可能性は断然低いはずだ。常に携帯しているので、いつでも引き出せる安心感もある。要は、使用頻度の高いファイルに情報を一元化したほうが、管理の手間も活用シーンも広がるというわけだ。
このコバンザメ作戦は、自分に対してノルマを課す際に有効だ。僕は、お金に対してだらしなくなってきたと感じたら、TODO&スケジュールに「収支シート」を追加したり、最近太ってきたなと思ったら「体調統計シート」を作るなどして、課題から目を背けにくいようにしている。そして、それぞれ傾向が改善されたり飽きたりしたらシートを削除して、新たな課題が発生したときにシートを追加するのだ。Excelであれば、社内書類のテンプレートを貼って活用することも簡単にできる。経費申請が遅れがちな人には、是非提出用シートの貼り付けをお勧めしたい。経費が発生した都度、忘れずに記載できるようになるはずだ。
また、ライターとしては、特集や連載、単行本などのネタを書きためておく「企画シート」も重要な役割を担っている。外出中にふとネタを思いついたら、モバイルノートを開いてすぐに書き残す。常にTODOファイルを持ち歩いているため、メモ書きではなく、いきなり清書できるわけだ。ただ、紛失したときのダメージは大きく、半泣きどころではないので、セキュリティには特に気を付けたい。
この「収支シート」は2003年2月から2005年3月まで使用していた。第3回で紹介したお小遣いシステムを導入後、意義を感じなくなって削除 |
忙しさにかまけて読書(ライター的な勉強)を怠りだした2005年末に導入した「読書シート」。記事の批評を書きためてデータベースにすることを目指した。2006年2月に終了 |
2007年10月に不摂生が気になり始め、PCにデータを転送できるオムロンの体組成計「KaradaScan HBF-354IT」を購入。計測データを付属のPCソフト「BI-LINK STANDARD」に記録し、そのCSVファイルの情報を「体型統計シート」に貼り付けて管理している。体年齢43歳って…超ヤバイ |
リンク貼り付けで長短期スケジュールを連携させる
さらにExcelは、システム手帳にはない、シート間(リフィル間)の連動というワザを備えている。第4回で紹介したように、別のシートの情報を自由に活用できるのだ。たとえば、現在から数ヶ月先まで続くプロジェクトに参加した場合、スケジュールの流れを把握するには、各予定を長期間の一覧性に優れた年間予定表に書いたほうがいい。一方で、日々の作業では、近々の予定が具体的に書き込まれた週間予定表を目にする機会のほうが多い。とはいえ、スケジュールが2箇所に分かれていると、把握しきれずにバッティングする予定を入れてしまったりと効率が悪い。この問題は、週間予定表に年間スケジュールを自動で反映させるようにすれば、簡単に解決する。
僕は、まず「年間シート」を作成し、予定部分を「リンク貼り付け」したものを元にして「週間シート」を作っている。リンク貼り付けとは、リンク元と情報を同期できる貼り付け方法だ。リンク貼り付け部分をピンクの背景色に指定し、各シートの間に1日分の予定書き込みエリアのテンプレートを順次挿入していくことで、週間シートが成り立っている。これにより、年間シートの予定が反映できるうえ、週間シートのスケジュール書き込みルールを曲げることなく、情報が棲み分けられるのだ。