先週(5月14-20日週)は個人的な関心も含めて、わりと盛り上がるニュースがいっぺんに出てきた感じの1週間だった。

米Fox TVの2大オーディション番組はこれからどうなる……?

まず月曜日(14日)には、Fox TV(4大テレビ局のひとつ)がニューヨークで秋からの新シーズンに向けた新しい番組ラインアップの発表会を実施した。これは広告枠取引のための「商談会」ウィークのスタートを告げるイベント。この催しのなかで、音楽オーディション番組「The X Factor」(米国版)の「新しい審査員をブリトニー・スピアーズが務めることに決まった」という発表があった。「ブリトニーがなるかも」という噂は前からちょこちょこと出ていたのだけれども、この話を伝えたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事には、「初めてのシーズン(昨年)が結果的にあまりパッとしなかった——期待したほどの視聴率をとれず、売り上げも伸び悩んだThe X Factorが、今年は2シーズンめということで『いよいよ本気になった』云々」という説明がある。

Fox Adds Britney to Juice 'X Factor' - WSJ.com

ちなみに、The X Factor USの番組制作責任者で、『アメリカン・アイドル』の名物審査員としてお馴染みだったサイモン・コーウェルによると、「昨シーズン、1放送あたりの視聴者数はだいたい1,200万人くらいだったけれど、ゴールデンタイムに流れるThe XーFactorのような番組だと、2,000万人くらいに集めてやっと及第点」とのこと。それだけ番組づくりにお金がかかるということの表れかもしれない。なお、Fox側も昨年以上に本気でThe X Factorの売り込みに力を入れるらしく、人気ドラマ「Glee」の後にThe X Factorを持ってくる番組編成に変えるとか。

超高額ギャラで審査員を引き受けたブリトニー・スピアーズ。コンテスタントにどんなコメントをするのか楽しみだ
(C)BANG Media International

さて。実はこのWSJ記事を読んでいて、このThe X Factorの強化以上に注意を惹いた話題があった。それは「スタートからすでに11年が経過した(次はシーズン12となる)『アメリカン・アイドル(アメアイ)』について、Foxが大幅な再活性化(reinvigoration)を考えている」というもの。一視聴者として「シーズン11はここ数年で一番コンテスタントのレベルが高いな」「さすがに"元祖'の番組は作り方がこなれてるなあ」と感心していただけに、その分余計に意外だったのだが、今シーズンのアメアイは、広告収入に直結する視聴者層——18~49歳の女性の数が、前年に比べてなんと平均31%も減ったのだという。いくら米国でもっとも視聴率を稼ぐと評判の番組でも、それだけ人気がガタ落ちとなれば、真剣に手当をしなくては……ということなのだろう。ちなみに、この不振の一因として、FoxのライバルであるNBCが繰り出してきた「The Voice」(Dlifeでも放映中)の人気も指摘されている。

「じゃあ、大幅な再活性化策って、具体的に何なのよ?」という疑問が当然湧いてくるが、それについては次回に譲る。名物司会者のライアン・シークレストや、ここ2シーズンほど審査員を務めてきたジェニファー・ロペス——Forbers誌 のセレブ100ランキングでトップになったJ.Loについての話題とあわせて、改めて少し説明することにしたい。

J.Lo's Stunning Career Reincarnation Puts Her No. 1 On The Celebrity 100 - Forbes

なお、今週最終回を迎え、多くのメンバーが「卒業」する『Glee』のほうも、来シーズンには、すでにケイト・ハドソンやサラ・ジェシカ・パーカーなどがゲスト出演する可能性もあがっているという。

そのほか、週の半ばには、売れっ子脚本家のアーロン・ソーキンが『スティーブ・ジョブズ』伝記本の映画化にあたって脚本を手がけることが決まったというニュースが流れていた。ジョブズ本人がウォルター・アイザックソンという有名なジャーナリスト(TIMEの編集長や、CNNの経営責任者を務めたこともある)に依頼して書かせたこの「公認伝記本」は昨年暮れから年明けにかけて、日本の本屋さんでも山積みになっているのをよく目にした。今のところはっきりしているのは、ソーキンが仕事を引き受けたという事実だけ。どんなふうに仕立てるかも目鼻が付くのはまだこれから、作業に着手するのもいま進んでいる仕事が済んでから……さらに肝心の主演俳優のキャスティングもまだこれから、といった状態らしい。その一方、ジョブズと一緒にアップルを創業したスティーブ・ウォズニアックがこの映画製作のアドバイザー役を務めることに決まった、というニュースはわりと古くからのアップルファンにはちょっと期待を抱かせる話である。

Aaron Sorkin To Adapt ‘Steve Jobs’ for Sony - Slashfilm

さらに、別の「小ネタ」では、「エレンの部屋」などで知られる エレン・デジェネレスが昨年から売りに出していたビバリー・ヒルズの豪邸を、ライアン・シークレスト(アメアイの司会者)が購入、といった話題も出ていた。ただし、エレンがどういう理由でこれを売却したか? などについては、ちょっと聞き取れていない。配偶者の女優、ポーシャ・デ・ロッシに新居購入をせがまれたのかどうかはわからない。

Ryan Seacrest Buys Ellen DeGeneres’s Home for $37M - WSJ