【乗る!】観音様に大仏……と言えば長谷駅

鎌倉駅周辺の次に、にぎわうのが観音様のある長谷駅だ。鎌倉駅から江ノ電で3つ目にあるこの駅は平日、休日問わず、観光客で賑わっている。駅をおり、まずは長谷観音に向かう。

江ノ電の駅のなかでも比較的大きな駅となるのが長谷駅。観光地の駅だが、100円ショップがあるなど、地元とも密着している

長谷観音への道中には様々なお店が立ち並んでいる。中でも、ひときわ目立っているお店が先住民のクラフトショップ「middles」だ。いろいろな国の民芸グッズを扱っており、店内を見ているだけでも面白い。「なぜ鎌倉で民芸グッズ?」と、お思いの人もいるかもしれないが、実は長谷駅周辺はこういうお店が最近増え得つつある。ちょっとした小物を見つけて、あとで自宅に戻ってじっくり撮影するのも楽しい。長谷観音へ行く前にちょっと覗いてみるのも良いだろう。

とにかく店内が楽しい、先住民のクラフトショップ「middles」。最近、鎌倉にはこういう店が目につくようになった気がする

【撮る!】長谷観音は撮影ポイントの宝庫

長谷駅と言えば観音様。それくらい有名な観光スポットでもある。そのため、良い写真を撮ろうと写真愛好家たちが多く集まってくる場所でもある。丘の斜面を利用してたてられており、入り口すぐにある池は、四季折々に表情を変えるのでいつ来ても飽きることはない。

池全体をとらえるのも1つの撮影方法だが、部分的に面白い造形の場所を撮るのもまた1つの方法だ。場合によっては、どこで撮影したかわからないような写真を撮るのもいいだろう。 長谷寺の中央の階段を上っていくと、ちょっとした見晴し台があり、そこから鎌倉の街々を見下ろすことができる。この時期はあまり被写体としては面白くないが、雪が降った翌日などは、この場で撮影すると非常に風情のある写真が撮れる。被写体として目に付くものがないなぁと思ったときは、とにかく良く観察することと、気になったものは何でも撮っておくことが大事だ。

池のなかに作られたちょっとした清流部分をアップで撮影した例。ちょっとした渓流にいる雰囲気になる

普段はこのように何でもない風景なのだが、雪が降った後に出かけると、非常に風情のある景色に変身する。覚えておくと良いだろう

このような何気ない1コマもどんどん撮影しておくと良い。デジタルカメラなのだから、あとでどのようにでもすることができるのだから

被写体を引き立てるには望遠レンズで撮影した方が、背景が適度にボケて見栄えが良くなる

【撮る!】鎌倉と言えばやっぱり大仏

長谷観音から歩くこと約10分。鎌倉でも人気の高い観光スポット、鎌倉大仏がある。建長4年に建築が始まった今の大仏は、青銅でできており、大仏の胎内に入ることも可能だ。全長は13.35メートル(台座を含む)だ。ここでの撮影ポイントは、大仏はもちろんだが、その周辺にあるオブジェや庭など、実にいろいろな場所がある。

大仏を正面にとらえるときの注意点としては、顔が画面の真ん中に来る、"日の丸写真"にならないように、画面全体のバランスを考えて撮影することだ。また、大仏と一緒に誰かを撮影する場合、広角レンズを使用して、被写体に近づきつつ、大仏を入れて撮影すると良い。レンズの特性として、広角レンズになるほどピントの合う範囲が広くなり、また、ピントは後ろの方があいやすくなるからだ。

いわゆる日の丸写真と言われる、被写体が写真の真ん中に来てしまう例。撮り方によってはこれでもかまわないのだが、一工夫欲しいところ

上下左右のバランスを考えて撮影した大仏の写真。被写体が何かはっきりわかるため、写真に説得力が出る

(左)広角レンズを使って、人物と大仏を一緒に写した例。広角レンズはピントの合う範囲が広いため、このような撮影をするときに便利だ(注:顔にモザイクを入れてますが、ピントは合ってます)(上)裏の庭の地面にできた影の模様をスナップしてみた。造形の面白さを表現するには、物だけにこだわらない方が思わず1枚が撮れる

【撮る!】極楽寺は"江ノ電"の撮影ポイント

長谷駅の隣にある駅が極楽寺駅だ。長谷から歩いていくこともできるが、ちょっと時間がかかるので、第1回で説明した周遊切符があるのなら、ここは江ノ電に乗っていこう。

江ノ電の唯一のトンネルがある極楽寺駅周辺。江ノ電の撮影ポイントとしても有名だ

実は駅名にもなっている極楽寺は撮影禁止の場所。「じゃ、何を撮影するの?」と、お思いの読者もいるだろうが、ここは江ノ電で唯一、トンネルから電車が出てくるところが撮影できるポイントでもある。また、関東の駅百選にも選ばれた駅舎は撮影ポイントとしてもぴったり。そして鉄道ファンにはたまらない、江ノ電車検区があるのがこの場所なのである。ほとんど地元の人のための駅だが、鉄道ファンにはたまらない場所。それが極楽寺駅なのだ。

関東の駅百選にも選ばれた駅舎はこじんまりとしていて雰囲気があるのでぜひとも撮影しておきたい

駅から少し江の島方向にあるくと、そこには極楽寺車検区がある。踏切から撮影可能でここも人気のポイント

極楽寺車検区は撮影者が多いため、注意書きが出ているほど。約束事は守って撮影しよう

【食べる!】ちょっと小腹がすいたら食べてみたい

長谷駅周辺は観光地ならではの飲食店も多い。なかでも、中華料理店の名門である「華正樓」が入り口で販売している肉まんは食べておきたいところ。

大きめの肉まんで、なかにはたっぷりと肉、肉汁が詰まっている。1個420円。ボリュームがあるので軽食としておすすめしたい。また、肉まんのほかに月餅なども売っており、お土産にも最適だ。場所は長谷観音から大仏に向かう途中の左側にある。

鎌倉の中華料理店の老舗「華正樓」は、駐車場の入り口で肉まんや月餅を販売している

肉まんはジャンボサイズで肉もたっぷり。ジューシーな肉汁のうまさも閉じ込められている

そして、もう一つは華正樓の斜め向かいにある「いも吉館」の紫いもソフトクリーム。原料に紫いもを使用してあり、いものおいしさがそのままソフトクリームになっていて素朴な味がたまらない。こちらもぜひとも食べてみてほしい。

(上)紫いもを使った食品を扱っているのが「いも吉館」。ソフトクリーム(295円)のほかにもコロッケ(100円)などが有名(右)「いも吉館」のおすすめの逸品「紫いもソフトクリーム」。紫いもの濃厚な味わいが楽しめる、おすすめのソフトクリームだ

さて、次回はTVドラマのロケ地としても人気の高い稲村ケ崎駅周辺を紹介しよう。