ビジネスパーソンに求められるスキルとして、ますます『英語』の重要性が増している昨今。読者のなかにも、働きながら英語学習に勤しんでいる人は少なくないはず。

そこで本稿では「大人のための英語塾 LEARN & TRAIN」代表として、数多くの学生やビジネスパーソンの指導にあたっている高井好美さんに『英語学習にまつわる素朴なギモン』をぶつけてみた。

  • 海外に行っても英語は身に付かない!? - 英語力が伸びる人の特徴も解説

高井さんは20年近くにわたり大手米国通信事業者などの外資系企業に勤めたのち、2016年に英語講師に転身し、神田外語学院などで学生・社会人に英語を指導。現在は「大人のための英語塾 LEARN & TRAIN」にて、パーソナルコーチ型のレッスンを展開している。英語のほか、中国語と広東語も話すマルチリンガルでもある。

  • 「大人のための英語塾 LEARN & TRAIN」代表 高井好美さん

そんな高井さんに、海外に行けば英語は身に付くのかという素朴なギモンを聞いてみた。

■英語習得に必要なことは?

―――英語が苦手でも、海外で1年ほど生活すれば英語が得意になりますか?

まったく知識がなくても、どうにか生活はできるでしょう(笑)。でも英語ができるようになる、とは別の話ですね。いま海外でも、ショッピング、あるいは公共交通機関の利用シーンで電子マネーのタッチ決済が利用できます。日常生活において、会話が必要なくなった場面も増えてきていて。そういった意味でも「現地に行けば自然と言語が身に付く」時代ではなくなったと感じます。

また、英語の知識がないままに日本を出発してしまうと、現地で単語を覚える / 文法を理解する、という「知識学習」に多くの時間を費やしてしまいます。これは、日本でも習得できるもの。何も勉強せずに行くと聞く・話すという英語の運用力をあげることに時間が割けないのは、もったいないとも言えますね。

―――では、日本にいても英語は習得できますか?

仕事で使う英語を習得したいのなら、日本でも学習できると思います。現実に外資系企業には、帰国子女でもなく英語圏に留学経験もないのに、海外の人とミーティングしたり、社内で英語を使って会議をしたり、英語を駆使して仕事をしている人はたくさんいますね。

では、どのように習得するか。具体的にはTOEICで言うところの800点くらいまで実力を上げたら、そのあとは英語を使う企業などに身を投じて、その中でどんどん磨いていくのがベストだと思います。そこまでいかずとも、最近はオンライン英会話などのサービスも充実してきました。自ら英語を話す環境をつくりあげていく、なんてことが比較的容易になったと思います。

―――ちなみに、英語力が伸びる人の特徴なんかはあったりしますか?

やはり、継続できる人ですね。そのため"日課"として英語に触れる時間をスケジュールに組み込んでしまうのがオススメです。どうしても気分が乗らない日だってあるでしょう。でも、いつでも勉強できる状態にはスタンバイしておくこと。その日の「気持ち」に行動を任せてしまわないことが大事です。

―――勉強のモチベーションを保つコツがあれば、教えてください

誰しも、上達を感じにくくなる時期があると思います。そんなときに備えて、自分の中でベンチマークとなるような、例えば資格の取得でも良いですし、習熟度を数値化できるものを勉強の中に取り入れたら良いと思います。


最終回となる次回は、「なぜ日本人は英語ができないのか?」について聞いてみたので、ぜひチェックしてみてほしい。