中央本線が通る岐阜県のJR中津川駅。中山道の馬籠宿へのアクセス駅として利用者も多く、最近では外国人観光客の姿をよく見かける。
そのJR中津川駅構内にある立ち食いそば店「根の上そば」は、国鉄時代を思い出すような昭和の香りたっぷりの店構えとなっている。
「根の上そば」は、中央本線の開通にともない駅弁の販売を開始した中津川の老舗料亭「梅信亭」が50年以上前から駅構内で営業している。メニューはそば・うどんをメインに、「かけそば・うどん」(380円)、「天ぷらそば・うどん」(500円)、「とろろそば」(500円)、「山菜そば」(500円)などを用意。持ち帰り容器は50円で、列車内で食べることも可能だという。
注文は直接カウンターで行う方式。今回は「玉子そば」(430円)を頼んでみた。トッピングは刻みネギのみ。駅そば店らしいやわらかめのそばで、濃いめのかつおが効いた出汁(だし)は玉子によく合う。
文化圏としては名古屋の影響が強いからか、ビール(330円)や日本酒のワンカップ(330円)もあり、「ちょい飲み」で立ち寄る利用者も多いようだ。
この店舗を親子3代で利用しているという人や、毎日酒を飲みに来る常連、物珍しそうに入ってくる外国人観光客など、さまざまな客が訪れるという。そんな店員の話に耳を傾けながらそばをすする。
客は変われど、店はそのまま。ひとときの「昭和」を味わうため、「根の上そば」を訪ねてみるのも一興だろう。