JR東北本線(宇都宮線)の宝積寺駅から分岐し、栃木県那須烏山市の烏山駅まで結ぶJR烏山線。現在は蓄電池電車EV-E301系「ACCUM(アキュム)」が走る路線だ。その終点、烏山駅の駅前に「山あげそば」という店舗がある。

  • 烏山駅の駅舎は2014年にリニューアルされた

  • 烏山駅で充電中の蓄電池電車EV-E301系「ACCUM(アキュム)」

かつて駅前にはJRバス関東の営業所があったのだが、路線廃止にともない営業を終了している。「山あげそば」もJRバス関東の直営店であったが、現在は観光協会の経営となっているという。

店名の「山あげ」とは、7月に行われる烏山の祭り「山あげ祭り」にちなんだもの。この祭りは「烏山の山あげ行事」として、重要無形民俗文化財にも指定されている。

  • 駅の正面にある「山あげそば」の店舗

  • 以前は「JRバス関東」と書かれていた看板にはシールが貼られていた

店内はL字型のカウンター席と、奥にテーブル席があり、注文は券売機でチケットを購入する方式となっている。「冷やし券」(20円)や「大盛り券」(60円)などもある。レンタサイクル(500円、電動は700円)のチケットもこの券売機で購入できる。

  • 商品の他にレンタサイクル券も販売している

  • カウンター席とテーブル席がある店内

この店舗はカレーとコロッケがおいしいと評判なので、コロッケそばを注文しようと思ったのだが、券売機に「コロッケそば」のメニューは見当たらない。店の方に確認すると、別々に注文するのだという。「かけそば」(300円)と「コロッケ」(100円)のチケットを購入し、店員に渡す。

出汁(だし)は、醤油が強めな関東風であっさりしていて、そばは太めの田舎風。じゃがいも感のあるコロッケが出汁にしみてうまい。

  • 出汁がしみたコロッケがおいしい

駅利用者だけでなく、わざわざここに食べに来る地元の方も多いという。客も店員と顔見知りで、カウンター越しに世間話に花が咲く。旅の途中、地元で長年愛され続ける「山あげそば」で、そばをすするのもいいだろう。