静岡のソウルフード「黒はんぺん」
「はんぺん」と聞けば白のイメージだが、静岡では灰色の「黒はんぺん」のほうがメジャーな存在だ。いわゆる「白はんぺん」はスケソウダラやサメの白身が用いられる一方、「黒はんぺん」はサバやイワシなどの青魚が主原料になっている。
黒はんぺんは静岡県の中部、焼津・清水あたりの郷土料理。そのまま食べることもできるし、フライや揚げ物にしても食べられる。黒い出汁(だし)の「静岡おでん」の具としても知られ、青のりをかけて食べるとおいしい。そんな静岡の「県民食」ともいえる黒はんぺんが入ったそばを熱海駅で味わえる。
海の幸に山の幸も入った「黒はんぺんそば」
伊豆方面に向かう列車や新幹線が停車する静岡の玄関口、熱海駅。東海道線4・5番線ホームにある「熱海そば」で「黒はんぺんそば」を味わえる。券売機でチケットを購入し、手渡すスタイル。「黒はんぺんそば」の価格は450円。うどんでもオーダー可能だ。
「黒はんぺんそば」では、揚げ物の黒はんぺんにとろろとネギがトッピングされている。海の幸の黒はんぺん、山の幸の山芋が入ったメニューで、甘めのつゆが浸みた黒はんぺんは噛むごとに魚の風味が口に広がる。そして、そばに絡むとろろ。食べ進むにつれていろいろな風味が味わえるのがうれしい。とろろが溶け込んだつゆも最後まで楽しめる。
店舗では駅弁も販売しており、「鯵と小鯛の押寿し」(1,080円)や「炙り金目鯛と小鯵押寿司」(1,350円)など魅力的なラインナップだ。
駅そばが充実している熱海駅
熱海駅では「熱海そば」のほか、伊東線の列車が発着する1番線ホームにある「爽亭」でも駅そばを味わえる。桜えびに生のり、わさびがトッピングされた「冷やし熱海そば」(480円)など、こちらも静岡の名物が楽しめる。
静岡名物が気軽に楽しめる熱海駅の立ち食いそば。時間がなくても駅ナカで満喫できる静岡グルメが、ここにはある。