風呂敷で日常生活を便利にするテクニック。前回、前々回は買い物バッグなどの"運ぶ"系を中心にお伝えしてきたが、今回はやや視点を変えてみた。シンプルにして万能な布が出張を快適にする!?
お話を伺った方:横山功氏
1979年浅草生まれ。武蔵野美術大学在学時、自分の部屋から出るたくさんのゴミに息が詰まりそうになり、エコロジーの一環として、風呂敷を使い始めたのがきっかけ。ゼミのテーマは「風呂敷の研究」。国内・海外旅行も風呂敷を結んだバッグ一つで出かけ、日常生活においても、より便利で新しい風呂敷の技を次々と編み出していく。数年後に風呂敷ブームが訪れるが、ただの流行で終わってしまわないよう、実践的な練習を主とした風呂敷ワークショップを各地で開催し、"便利と安心"を備えた和の心を伝え続けている。
Tシャツやタオルが枕に変身
Tシャツやタオルを風呂敷で包んで枕にする。なんともシンプルなアイデアだ。"ふろしき王子"こと横山功氏によれば、「長時間座りっぱなしになる高速バスや新幹線での移動中、首や腰に当てると体がとてもラク」とのこと。首にはめるタイプのネックピローなどを見かけるが、もともと荷物に入っている風呂敷やタオルを使えば、荷物が増えることがないのもうれしいところだ。また、中に入れるTシャツやタオルの量、折り方を工夫することで、高さや形を自分の体に合わせて調節できる。
包んだまま飲めるペットボトルカバー
コンビニなどで冷たいペットボトル入り飲料を買うと、すぐに結露し水滴がついてくる。この水滴でカバンやデスク周りの書類を湿らせてしまうのを防ぐのが、このペットボトルカバーだ。手ぬぐいペットボトルホルダーと同じように、こちらも飲み口を出した状態で包めるので、飲みたい時にいちいち風呂敷を開く必要がない。また、これからの季節、ホットドリンクの保温にも活躍しそう。「タオルでひと巻きしてから風呂敷で包んで結べば、風呂敷1枚よりもさらに保温効果が高まる」(横山氏)とのことだ。
贈り物を包んでかわいくリボン風に
最後のテクニックでは、風呂敷が"捨てない包装紙"に変身する。「クリスマスプレゼントなどをさりげなく風呂敷で包んで贈り、大切な人に風呂敷の使い方を教えてあげると、贈られたほうは二度うれしいのでは」と横山氏。シンプルに包んで結んだら、最後のひと手間を加えよう。端を折って結び目にはさみこみ、リボンのようにするだけで、布のふくらみが意外なほど華やいだ雰囲気をつくりだしてくれる。