新しい人生設計の方法のひとつとして、ミレニアム世代を中心に注目を集めている「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」。経済的自立をして早期退職を目指すFIREですが、言葉は知っていても具体的にどのように行動をすれば良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
本連載では全8回にわたり、FIREの考え方、FIREを達成するための不動産投資について解説していきます。
今回は、前回の内容をふまえて投資用不動産のタイプ別に、適した投資家像について解説します。
自分の投資目的を明確にする
前回の記事では、マンション、アパート、戸建て投資のそれぞれの特徴についてお話しました。
実際にどのような不動産に投資をするべきかは、投資家の目的次第で異なります。たとえば、FIREを目指してキャッシュフローを重視するなら、収益性の高いアパート投資が向いています。対して、リスクを抑えながら資産を着実に増やしたい場合はマンション投資が適していますし、将来的な自己利用やファミリー層の長期需要を狙うなら戸建て投資が有効です。
このように、まずは自身のゴールを明確にすることが重要です。
タイプ別に考える適した投資家像
アパート投資
アパート投資は、ある程度の初期資金があり、不動産運営に時間や労力を割ける投資家に適しています。特に、長期的に高い利回りを目指したい方に最適です。一棟所有による複数戸の運営は、空室リスクを分散できるため、安定したキャッシュフローを確立できます。
一方で、アパートは初期投資額が高額になる場合が多く、資金計画が重要です。そのため、ある程度の資金的余裕がある方や、融資を活用した長期的な資産形成を考えている方が向いています。初期投資額は高額になる傾向がありますが、その分、スケールメリットを活かした高い収益性が期待できます。
また、複数戸の管理が必要なため、運営に関する基本的な知識を身につける意欲がある方にも適しています。運営に伴うトラブル対応や物件の維持管理については、管理会社に委託することで、時間的負担を軽減しながら収益性を最大化することが可能です。このため、多忙なビジネスパーソンや副業投資家にも取り組みやすい投資形態といえるでしょう。
マンション投資
マンション投資は、不動産投資初心者や少額から始めたい方に最適です。区分所有で購入するため、一棟所有型のアパート投資に比べて初期費用が低く抑えられるケースが多いです。さらに、建物全体の管理は管理組合が担当するため、運営の手間が大幅に軽減されます。
都市部のマンションは、駅近や商業エリアに立地していることが多く、安定した入居需要を活用できます。空室リスクを抑えつつ安定的な収益を目指したい投資家に適しており、資産価値の維持を重視する人にも向いています。
ただし、管理費や修繕積立金が発生するため、それらの費用を収益に組み込んだ計算が必要です。短期的な利益よりも、堅実な運用を重視する投資家におすすめです。
戸建て投資
戸建て投資は、郊外エリアで土地付き物件の資産価値に魅力を感じる投資家に向いています。初期費用が比較的低い場合が多く、少額の資金で始められる点が特徴です。また、ファミリー層をターゲットとした賃貸需要が安定しているエリアでは、長期入居が期待できるため、空室リスクを抑えた運用が可能です。
片や、戸建ては物件全体を1つの入居者に貸し出すため、空室になると収入が完全に途絶えるリスクがあります。また、修繕費用が予想外に発生する可能性があるため、リスクを十分に理解し、それを許容できる投資家が向いています。
これらのリスクに対応するため、投資する物件の築年数や設備状況を慎重に確認することが重要です。土地付き資産を活用したい、もしくは資産価値が将来的に伸びるエリアを見極めたいと考える投資家におすすめです。
どの投資にも、それぞれメリットやリスクがあります。
最終的にはライフスタイルや目標に合った選択をすることが重要です。理論だけでなく実際に物件を調査し、自分にとって最も適した投資スタイルを見極めましょう。
そのためには、エリアや資金計画の検討を進め、具体的な行動に移すことがポイントです。
次回は、物件の収益性にも影響を与える立地選びを中心にお話します。
株式会社ネクスウィル
HP:https://www.nexwill.co.jp/
新橋に本社を構える不動産会社。訳あり不動産を専門とした不動産の買取再販事業を展開するとともに、マネープロデュース事業、studyFIRE運営も行う。2019年から開催している投資セミナーの総受講人数は1000人を超える。セミナー詳細についてはコチラから