新しい人生設計の方法のひとつとして、ミレニアム世代を中心に注目を集めている「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」。経済的自立をして早期退職を目指すFIREですが、言葉は知っていても具体的にどのように行動をすれば良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか。

本連載では全8回にわたり、FIREの考え方、FIREを達成するための不動産投資について解説していきます。

今回は投資用不動産の種類について解説します。

アパート・マンション・戸建て

前回の記事でも少し登場しましたが、投資用不動産にはマンション、アパート、戸建てといった種類があります。

それぞれの特徴やメリット、リスクを理解し、自身のスタイルや目的に合った収益物件を選定しましょう。

アパート投資

アパート投資は一棟所有が基本で、複数の部屋から家賃収入を得ることができます。そのため、1室が空室になっても全体の収益に大きな影響が出にくい点がメリットです。

たとえば、10部屋あるアパートで2部屋が空室でも、残り8部屋の収益が維持できます。このリスク分散性は、単一物件で収益を得るマンションや戸建てにはない特有の強みです。

加えて、一棟所有のスケールメリットが得られるため、維持管理や修繕費の効率化が可能です。アパート全体を所有することで、物件管理や修繕計画を一元的に実施できます。

一方で、一棟すべての責任を負うため管理が煩雑になりがちであり、テナントのトラブル対応など、運営にかかる手間を考慮する必要があります。アパートの運営や入居者対応は、プロの管理会社に委託することで大幅に手間を軽減できます。

また、初期投資額が高額になるケースが多いため、資金計画が重要となります。金融機関の融資を活用し、堅実な返済計画を立てることで収益性を最大化できます。

マンション投資

マンション投資は区分所有として1部屋単位で購入し賃貸運用するのが一般的で、初期投資額を比較的抑えることができます。

特に都市部のマンションは、駅近や商業施設が充実している物件が多く、入居需要が安定しているため、空室リスクが低いことが特徴です。

管理組合が存在するため、建物全体の維持管理や大規模修繕が計画的に行われる点も安心材料です。ただし、管理費や修繕積立金の負担が継続的に発生するため、収益率が一棟所有が基本のアパート投資よりも低くなる傾向があります。

管理組合の方針に影響を受けるため、自分の裁量で物件運営を柔軟に調整することが難しい場合もあります。投資対象としてのマンションを選ぶ際には、立地だけでなく、管理体制や修繕計画の詳細を十分に確認することが大切です。

戸建て投資

戸建て投資は戸建て物件を購入して賃貸物件として運用する手法です。 初期投資額が比較的低く、郊外エリアに物件を持つ場合は土地付きで資産価値が維持されやすいことがメリットです。

特に郊外エリアでのファミリー層をターゲットにした賃貸需要は安定しており、長期入居が期待できます。しかし、1つの物件で全ての収益を得るため、空室リスクが収入に直結するデメリットがあります。

また、維持管理や修繕のコストが他の投資用不動産に比べて高くなる場合が多いです。築年数が経過した物件は、屋根や外壁、給排水設備などの大規模な修繕が必要になることもあります。

それぞれの投資タイプには異なる特徴と課題があり、適切な選択は投資家の目的や状況に依存します。次回は、どのタイプがどのような投資家に向いているのか、さらに実際の選び方を掘り下げて解説していきます。

株式会社ネクスウィル
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新橋に本社を構える不動産会社。訳あり不動産を専門とした不動産の買取再販事業を展開するとともに、マネープロデュース事業、studyFIRE運営も行う。2019年から開催している投資セミナーの総受講人数は1000人を超える。セミナー詳細についてはコチラから