新しい人生設計の方法のひとつとして、ミレニアム世代を中心に注目を集めている「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」。経済的自立をして早期退職を目指すFIREですが、言葉は知っていても具体的にどのように行動をすれば良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか。

本連載では全8回にわたり、FIREの考え方、FIREを達成するための不動産投資について解説していきます。

今回からはいよいよ不動産投資についてお話ししていきます。

まずはじめに、投資に正解はありません。本連載では「FIRE×不動産投資」をテーマに不動産投資について解説をします。

ですが、投資信託、外貨預金、国債、株式投資、不動産投資、FX、暗号資産など投資商品は様々です。個々の目標、リスク許容度、投資期間などを考慮して、自身に合った投資スタイルを確立しましょう。

不動産投資とは

不動産投資は、住宅やオフィスビル、商業施設などの不動産を購入し、賃料収入や売却益を得る手法です。代表的な手法としては、住宅や商業物件を貸し出すことで家賃収入(インカムゲイン)を得る「賃貸経営」、物件価値が上がった際に売却して差額利益を得る「キャピタルゲイン」、駐車場やトランクルームなどを運営して土地を活用する「土地活用」などがあります。

不動産投資の利点

不動産投資の利点は主に下記の通りです。

①レバレッジが効く

レバレッジとは、少額の投資資金で、大きなリターンが期待できることを指します。不動産投資はローンを利用できるため、少額の自己資金による投資でも大きなリターンを期待できるのが特徴です。

②長期的な資金計画を立てやすい

不動産は実物資産なので世界経済や金融市場による影響をすぐには受けにくいです。加えて生活に欠かせないものであるため、景気にかかわらず常に一定のニーズがあります。

③節税効果

不動産の購入や維持にお金が掛かった場合、減価償却を利用すると所得税や住民税の節税ができます。減価償却とは、長期間にわたって使用される固定資産の取得に要した支出を、一定期間に配分する手続きのことです。

また、不動産は相続時に時価よりも低い相続税評価額で評価されます。自分の土地とはいえ、入居者がいて自由に使えないため、賃貸アパートやマンションは、自宅や別荘よりも相続税評価額が下がります。

収益用不動産を所有することで相続税を軽減できる可能性があります。

④手間がかかりにくい

株式投資は常にチャートを見張っている必要がありますが、不動産投資は自分で手を動かさなくてもある程度運用ができます。入居者募集や物件管理などの業務を管理会社に委託してしまえば、少ない手間で運用できます。

不動産投資のリスク

もちろん、不動産投資には利点だけでなくリスクも潜んでいます。

①空室・滞納

賃貸経営の場合、入居者が見つからず空室が続くと、その分家賃収入が得られなくなります。

また家賃の滞納があった場合、会計上は「未収金」として売上に参入します。実際には収益を得られていないものの、会計上の所得は減らないので納める税額も変わりません。

②建物の老朽化

建物の経年劣化により修繕やリフォームが必要になり、追加費用が発生するリスクがあります。古い物件ほどこのリスクは高くなります。

特に中古物件の場合は、シロアリや雨漏りなどの発生を知らずに購入してしまうと、購入して間もなく大規模修繕が発生してしまうケースもあります。

不動産投資は、これらのリスクやコストを考慮し、計画的な資金管理や物件選びが重要です。

次回以降は、投資先の不動産について解説をします。

株式会社ネクスウィル
HP:https://www.nexwill.co.jp/
新橋に本社を構える不動産会社。訳あり不動産を専門とした不動産の買取再販事業を展開するとともに、マネープロデュース事業、studyFIRE運営も行う。2019年から開催している投資セミナーの総受講人数は1000人を超える。セミナー詳細についてはコチラから