6月4日、5日に、新宿住友ビル三角広場にて、NTTドコモが展開するeスポーツイベント「X-MOMENT」の「RAINBOW SIX JAPAN LEAGUE 2022(RJL 2022)Season1 Playoff Stage2」が有観客オフラインで開催されました。

  • RJL 2022 Season1 Playoffは新宿住友ビルの三角広場にて有観客で行われました

「RJL 2022」はSeason1~3の3シーズン制で行われ、年間ポイントの数で順位を競います。Season1と2は、レギュラーシーズン終了後にPlayoffが行われ、Seasonごとのチャンピオンを決定。RJL10チーム中上位の6チームがPlayoff Stage2に進出、RJL下位4チームと、下部リーグの「RAINBOW SIX JAPAN Open 2022(RJO 2022)」の上位4チームがPlayoff Stage1に進出し、Playoff Stage1の上位2チームはPlayoff Stage2に進出します。

今回は、Season1のレギュラーシーズンの上位6チームとなったCYCLOPS ATHLETE GAMING OSAKA(CAG)、KAWASAKI SCARZ、DONUTS USG、CREST GAMIMG LST、FAV gaming、FNATICに加え、Playoff Stage1を勝ち抜いたIGZISTとREJECTがPlayoff Stage2に進出しました。

ちなみに以前お伝えした【ドコモ主催のeスポーツリーグ「X-MOMENT RJL 2022」、参加チームとファン交流会を開催】では、参加チームに「エヴァ:e」がありましたが、現在はIGZISTに名前を変更しています。

  • RJL 2022のリーグ構成

Playoffでは順位に応じて賞金が出るだけでなく、年間ポイントも付与されます。優勝チームに与えられるポイントは15ポイント。Season1のレギュラーシーズンで首位となったCAGが獲得したポイントが20ポイントだったので、シーズン9日間分の75%に当たるポイントを2日間で稼ぐことができます。つまり、シーズンチャンピオンとしての称号以上に、年間チャンピオンになるためにも、重要な大会なわけです。

  • RJL 2022 Season1レギュラーシーズンの成績

年間ポイントによる順位では、1~4位に賞金が発生し、5位までがRJLに残留。6~8位は入替戦Stage2でRJOの上位チームと入れ替え戦を行います。9位、10位チームは入替戦Stage1に参加し、勝利チームは入替戦Stage2へ進出、敗北したチームは強制的にRJO行きが確定します。

つまり、現在のRJL10チームのうち1チームは確実に下位リーグ落ちが決定し、入替戦の結果によっては最大5チームが下位リーグに降格します。RJLは「X-MOMENT」により給料保証がされているので、下位リーグに降格することはまさに死活問題。それだけ、上位チームの優勝争いと同時に4~8位あたりの入替戦候補のチームの争いも目が離せない状態です。

優勝争い、賞金額の増減、残留確定、入替戦行き、下位リーグ落ちと、すべての順位が何かしらの結果に関わってくるので、どの順位にいても、最後まで気が抜ける場面がなく、消化試合がない構成となっています。

  • 年間ポイントについて。Season1~3は勝利3ポイント(延長勝利2ポイント)獲得でき、Playoff Stage2の結果で5~15ポイントが加算されます

Playoff Stage2は、同ポイントでシーズン1位と2位のCAGとKAWASAKI SCARZが順当に勝ち、決勝に進出しました。決勝の1マップ目はCAGがKAWASAKI SCARZを圧倒しますが、2マップ目でKAWASAKI SCARZが7-4で取り返します。

2マップ目から俄然動きが良くなったKAWASAKI SCARZ。3マップ目の1試合目では、Taiyou選手がいきなり「ACE(1人で相手5人全員を倒すこと)」を取る活躍をみせます。Taiyou選手はこれまでACEを獲得したことがなく、それをこの大舞台でやってのけるところは、まさにKAWASAKI SCARZが乗っている状態である証だと言えるでしょう。その勢いのまま、7-1と大差を付けて勝利し、KAWASAKI SCARZがSeason1のチャンピオンを獲得しました。

KAWASAKI SCARZのPyon選手は「選手の入れ替えがあって、それからまだ1カ月も経っていない状態で実績を残せたのはよかったです。Season3までにはもっとより良い形でチーム作りができると思います。今後の目標はApac出場ですね。RJLの年間1位を獲得し、その後に控える世界大会で海外勢との対戦に向かっていきたいです」と、優勝の喜び以上に先を見据えた感想を語っていました。

  • 決勝を戦うKAWASAKI SCARZ

  • 同じく決勝を戦うCYCLOPS ATHLETE GAMING OSAKA

  • 優勝したKAWASAKI SCARZ

今回のPlayoffの結果により、KAWASAKI SCARZは15ポイントが加算され、35ポイントの単独首位に立ちました。2位のCAGとはわずか3ポイント差と大きな差ではありませんが、年間優勝、RJL残留に向けて大きな一歩となりました。しかし、Season2、Season2Playoff、Season3でもポイントが大きく動く可能性があるので、どのチームもまだまだチャンスがあります。それだけに6月12日から開幕するRJL 2022 Season2も目が離せません。

  • Playoff Stage2の結果

  • Playoff終了時のポイント。Playoff前には首位と6位は5ポイント差だったのが、Playoff終了時には15ポイント差と大きく差が広がっているのがわかります

また、今回のPlayoffは、RJLとしては初のオフライン有観客の大会となりました。RJLから競技シーンに参加した選手は初めてのオフライン有観客大会に、応援される喜びやプレッシャーを感じていたようです。

KAWASAKI SCARZのPyon選手は、「目の前で応援してくれていて、その応援で自分たちがより強くなれるんだと感じました」と観客の盛り上がりの効果を話します。

会場の両サイドには、RJL 2022に参加しているチームのブースがあり、チームグッズの販売や選手やストリーマーのサイン会や撮影会などのファンミーティングが行われ、ファンにとっては試合を観る以上に楽しめている様子でした。

  • 各ブースでチームのグッズを購入したり、サインを書いてもらったり、写真を撮ってもらったりと、オフラインならではの楽しみも

  • SS席購入特典としてキャスター席で、キャスターと解説者と一緒に撮影をすることもできました

  • 会場入り口にはRJL 2022オフィシャル物販コーナーも用意

オフラインイベントとしては十分な満足感のあるものだと感じましたが、多少の苦言を呈させていただけるのであれば、オフライン会場での視聴環境が整っていなかったと感じました。

会場のどこからでも視認できるほどの大型モニターを設置していたのは良かったですが、表示される画面が配信時の画面と同じで、細かい文字がよく見えず、特に、何対何なのか、生き残っている人数が何人ずつなのかといった情報は確認しにくい印象でした。チーム名すら見えにくいとも言えます。

PCやタブレットなど視聴距離が近い状態で観る画面と、遠くから観る大画面は見え方が変わります。なので、表示方法は変えたほうが得策。メイン画面の左右それぞれにチーム情報を載せたサブ画面を用意する手もあります。特に、試合の勝利数と残り人数は大きく表示したほうがわかりやすくなるでしょう。

あと、選手の席の前にはLEDライトがラインで点灯していたのですが、これも倒されたら消灯するようにすれば、誰が倒されたのか、どっちのチームが人数的に優勢なのかがステージ上でも確認できるはず。野球中継の視聴とスタジアムでの観戦がまったく違うように、eスポーツでも配信画面と会場ではそれぞれに適した視聴環境を整えるともっとよくなるのではないでしょうか。

  • 会場の様子。中列から後列にかけてはこれくらいの視認性。画面中央上部にあるチーム名、マップ勝利数、試合勝利数、生き残り人数などの情報は分かりにくいと感じました

  • PCやタブレットなどで観る画面と基本的に同じ

Season2のPlayoffでもオフラインで開催する可能性はあるので、オフラインならではの見せ方で開催されることを期待します。また、オフラインでの観戦はオンライン観戦とは別モノと言えるレベルなので、今回、配信視聴していた方はぜひオフライン会場に足を運んでほしいところです。