2021年12月18日、年末恒例となったチャリティゲーム大会「第11回TOPANGAチャリティカップ」が開催されました。今回は、前回同様、コロナ禍によりオンラインでの開催となりました。形式は3on3のチーム戦です。
採用タイトルは対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV』。参加規定はなく、誰でも参加できる大会です。申し込み時点での参加者は322チーム966名。初心者からプロeスポーツ選手まで幅広い層のプレイヤーがそろいました。
5チーム1ブロックでリーグ戦を行い、1位になったチームのみ、後半のノックアウトトーナメントに進出。リーグ戦ではどのチームも4試合対戦できるので、勝てなくても大会を存分に楽しめる仕様です。
決勝トーナメントは、64チームによるシングルエリミネーション方式で行われました。優勝したのは「=125」チーム。FAV gamingのsako選手、島根の仙人と呼ばれているYHC-餅選手、「ABARTH×ストリートファイターV SCORPION CHALLENGE」で優勝してプロ選手となったばかりの三太郎選手の3人によるチームです。
sako選手は『ストリートファイターV』最後のキャラクターであり、リリースされたばかりのキャラクター「ルーク」で登場。sako選手らしい独自攻略による戦い方で対戦相手を圧倒していました。YHC-餅選手はお馴染みのダルシム、三太郎選手もいつもの春麗で戦います。YHC-餅選手は、TOPANGAチャリティの申し子と言える存在で、さまざまなメンバーとチームを組み、何度も優勝をしています。
準優勝となったのは、「ルーク一本でいく」チーム。eスポーツチーム忍ismのオーナーであるももち選手を筆頭に、忍ism所属のジョニィ選手とyamaguchi選手がチームを結成。全員が新キャラルークを使用していました。
ももち選手は複数のキャラクターを使いこなすマルチプレイヤーですが、ルークもしっかりと使い込んできた印象です。立ち中パンチをガードさせたあと、Vトリガーを少し遅らせて使うことで、連続ガードにならず、反撃してくるところにVトリガーを叩き込む戦法がことごとく決まっていました。
オフライン開催をしていたころは、参加費を募金していましたが、オンライン開催では、動画配信の投げ銭(2021年はミルダムのギフト)が募金として扱われます。今回は配信プラットフォームのミルダムも募金に協力しており、手数料を抜いたTOPANGAの取り分とミルダムの取り分の両方が募金となりました。
また、TOPANGAチャリティオリジナルTシャツも用意。Amazonで販売しており、これらの売上げもすべて募金として寄付されました。そして、2020年に引き続きマウスコンピューターの協賛金も寄付されています。
募金額は、日本赤十字社東京支部の活動資金として寄付されました。総額は、313万7,658円。毎年のことながら、eスポーツイベントでこれだけの寄付金額が集まるのは圧巻です。
募金といえば、街角で寄付を募る街頭募金やコンビニやスーパーにある募金箱、テレビやラジオなどのイベントや番組による募金などがありますが、どれもお金を寄付することが主となり、募金活動自体に参加している印象は薄いと思います。
TOPANGAチャリティのようなゲームイベントであれば、大会に参加している人たちは、その様子を配信することで寄付を募ることができますし、それを視聴している人たちは、ほかの動画配信と同様に、プレイや配信内容によって投げ銭感覚で寄付できます。
能動的に寄付をすることで、より募金活動に参加している当事者意識が湧いてくるのではないでしょうか。とは言っても、多くの人はゲーム大会に参加しただけですし、それを視聴しただけです。もちろん寄付をしている意識はあるでしょうが、無理なく好きなことをしているうえでチャリティもできているのは、すばららしいことだと思います。
大会には、もちろん筆者も参加しました。TOPANGAチャリティには2018年から参加しており、今回が4回目。今回は前回と同様に、テクニカルライターの西川善司氏と、その西川善司氏が配信している『ストリートファイターV』配信のリスナーであるからから氏の3名での出場です。
筆者は大会では実力以上の結果を残すタイプなんですが、今回は最終戦まで一度も勝てず。最後の試合でゴールド帯3人組のチームと対戦し、ようやく勝利を得ました。
また、『ストリートファイターV』仲間である漫画家のうめ先生と、たきりょうこ先生も、それぞれチームを組んで参戦。3チームとも予選突破はなりませんでしたが、チームメンバーの応援をしながら4回も対戦できたので、満足感の高い大会となりました。
2020年の7月に福島県郡山市で起きた飲食店の爆発事故で、『ストリートファイターV』のプレイヤーの自宅が被害にあったときも、有志でチャリティ大会を開き、配信による収益を見舞金として充てていました。単純に寄付を募るだけでも良かったのですが、大会を開いて多くの人に視聴してもらい支援してもらうところが、ゲームコミュニティの良さであると言えるでしょう。
TOPANGA代表の豊田氏は、次回こそはオフラインで開催し、現地と配信とで寄付を募っていきたいと話をしていました。オフラインで開催することで、参加者からの参加費としての寄付を募りやすく、同時に献血も行えます。
チャリティの当事者として参加することはなかなかないことですので、次回は、下手だろうが、触ったことがなかろうが、とりあえず参加してみることをオススメします。