8月10日から12日まで、高校生向けeスポーツ大会「STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2024(STAGE:0 2024)」の全国大会グランドファイナルが、六本木グランドタワーにて開催されました。
「STAGE:0 2024」は、6月よりオンラインで予選を開始。各部門の予選通過チームが、全国大会グランドファイナルのオフライン会場へ招待されます。
大会に使用されるタイトルは、『クラッシュ・ロワイヤル(クラロワ)』『Fortnite バトルロイヤル部門(バトルロイヤル)』『League of Legends(LoL)』『VALORANT』『OverWatch2(OW2)』『Fortnite ゼロビルド部門(ゼロビルド)』の5タイトル6部門。『ゼロビルド』は2024年から採用された新たな部門です。各部門の結果は以下の通りです。
【クラッシュ・ロワイヤル部門】
優勝:TTTNSquad(立命館宇治)
準優勝:限界突破はるてぃんぐ(福岡大大濠)
3位:カレーインサイダー(春日井南)/20しょう(石狩翔陽)
【OverWatch2部門】
優勝:Telomere(N高)
準優勝:にぎちゃん(福岡芸術)
3位:チーム座布団(明聖)/かにみまんくらぶ(熊谷工業)
【Fortnite バトルロイヤル部門】
優勝:しぇろんていらー(ルネサンス)
準優勝:めいべる(N高)
3位:ねねき(N高)
【League of Legends部門】
優勝:がってぃんてぃんDX(ルネサンス)
準優勝:方向指定しか当たらない(専修クラーク)
3位:YTHS-A(八女工業)/N1(N高)
【Fortnite ゼロビルド部門】
優勝:ざじぴー(N高)
準優勝:れんむZooとたこママ(N高)
3位:歩き補給物資こころ(ルネサンス大阪)
【VALORANT部門】
優勝:東京に行くために(ルネサンス豊田)
準優勝:HavebLiberty(ルネサンス大阪)
3位:そるみょんズ(N高)/あさりさま(クラーク記念国際)
クラロワ部門で優勝した「TTTNSquad」は、いわゆるeスポーツ部ではなく、有志による集まりでもありません。テニス部として活動するメンバーによって構成されたチームです。春の大会が終了したあと、「STAGE:0」に向けて本格始動しました。元々『クラロワ』をプレイしていたとはいえ、その状態で優勝したのは快挙と言えます。
また、ほかの部門では通信制高校が常連校として上位を占めるのに対して、クラロワ部門は有名進学校が名を連ねるのも特徴です。チーム戦とはいえ、基本的には個々での対戦となるので、チーム力が物を言うほかの部門に比べて、それぞれが実力を上げていけば勝利しやすい部門と言えるでしょう。
特にチーム戦で上位を占める通信制高校は、プロ選手もしくはそれに近い選手が生徒のコーチングに当たることが多く、技術面でもチームワークでも、コーチのいないチームよりも格段に上質な練習をすることができるので、この差は大きいと言えます。
『Fortnite』は、海外で活躍するプロ選手の参加がありましたが、今年はサウジアラビアで開催されているeスポーツワールドカップの開催と日付が重なってしまい、そちらに出場する選手もいました。
そんななか、新たにゼロビルド部門が開設。いわゆるバトルロイヤル系と言われるシューティングゲームでも『Fortnite』は、障害物を自ら作り、高所からの狙撃などを可能にする建築があることで、ほかのタイトルとは一線を画しています。
その最大の特徴である建築要素を取っ払ったのがゼロビルドです。建築要素がなくなったことで、既存の建築物や岩、草むらなどを遮蔽物として利用しなくてはならず、エイム能力や移動計画などが重要になります。
また、多くの『Fortnite』プレイヤーがバトルロイヤルをプレイしており、ゼロビルドはそこまでプレイされていないので、予選から全国大会までに、どれだけ練度を高めるかが勝負の鍵でしょう。
そういった背景が影響したのか、バトルロワイヤル部門では優勝した「しぇろんていらー」は、5ゲーム中3ゲームのビクトリーロイヤル(最後まで生き残ること)を達成しましたが、ゼロビルドでは5ゲームとも違うチームが優勝し、混戦のなか、ざじぴーが優勝を果たしました。
個人の活躍が目立った『クラロワ』と対照的に、それぞれの高校がチーム力を見せつけたのが『LoL』です。
LoL部門は、前評判の高いルネサンス「がってぃんてぃんDX」が、評価通りの活躍を見せました。準決勝では『LoL』の強豪チームである「N1」を倒し、決勝では専修クラーク「序盤方向指定しか当たらない」を撃破しての優勝です。
決勝戦は、「序盤方向指定しか当たらない」ペースで進みますが、中盤の集団戦に勝利した「がってぃんってぃんDX」が勢いづきます。次の集団戦でも勝利すると、様子見をせず一気にネクサスを倒しきり、勝利を決めました。
OW2部門は、N高の「Telomere」が圧倒的な力を見せつけます。決勝戦では、ハイブリッドで相手のペイロードを第2チェックポイントまで到達させず、コントロールでは相手に1%も取らさずに100%を取り切る完封勝利を見せました。
これで昨年に引き続き、2年連続でN高(沖縄)が優勝。ちなみに昨年はリーダーのHINS4KU選手が「Tankdiff」というチーム名で出場していましたが、チーム名を変更して連覇を達成しています。優勝インタビューでSOUR4選手が3連覇を目指すと公言しており、しばらくはN高の天下が続きそうな気配です。
VALORANT部門は、「東京に行くために」(ルネサンス豊田)が「あさりあさま」(クローク記念国際)を倒し、「HavenLiberty」(ルネサンス大阪)が「そるみょんズ」(N高)を倒し、ルネサンス同士の決勝です。メンバーのランク的には「HavenLiberty」が上でしたが、下剋上を果たし、「東京に行くために」が優勝しました。
決勝戦で使用されたマップは「バインド」。若干、守備側が有利とも言われていますが、そこまで大きな差はなく、波に乗ったチームが一気に勝利する印象のマップです。
前半は「東京に行くために」が守備側となり、6対6のイーブンで攻守交代の折り返しを迎えます。後半戦は先に1ラウンド取られますが、そこから波に乗り、怒濤の6ラウンド連取。マッチポイントを迎えてから「HavenLiberty」にラウンドを連取されますが、落ち着いて取り返し、優勝を決めました。
チームプレイが大事なタイトルの優勝、準優勝校は相変わらず通信制高校が席巻した「STAGE:0」ですが、全国大会グランドファイナルのファイナリストとなったチームを見てみると、さまざまな高校が名を連ねていました。
「N高一強」と言われていた状態から、ルネサンスやクラーク記念国際が力をつけ、まさに群雄割拠状態です。そして、常連校と言われる高校のチームの選手の多くが、高校から競技タイトルを始めた人でした。
高校生の成長力と伸びしろを考えると、高校入学からゲーム、eスポーツ、部活を始めても決して遅くはありません。すべての高校生が優勝できる可能性を秘めていると感じます。3年間で3回しかないチャンスに高校生は挑戦し、保護者や教員、学校関係者にはその後押しをしてほしいと思います。
エンディングでは、来年の開催の発表とともに、開催地の発表も行われました。開催地は大阪。しかも、大阪・関西万博会場内の「EXPOホール」を使用します。
座席数は1850席なので、初回の「STAGE:0」で開催された舞浜アンフィシアターと同等の規模です。コロナが落ち着いてから、昨年と今年はオフライン開催となったものの、大人数の集客を目的とした会場ではなかったので、ようやく完全復活を遂げると言えるでしょう。高校生がeスポーツによって、万博会場でいのちを輝かせることを楽しみにしています。
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