2024年4月4日、ハイネケン・ジャパンは、「RED° TOKYO TOWER」にて、eモータスポーツの世界一ドライバーを争う「Player 0.0」の国内大会「Japanese Player 0.0 Final」を開催しました。車好きでしられるファッションモデルのマギーさんも登壇し、Player 0.0で使用されるシミュレーターを体験。トークセッションではベストドライバーやF1観戦のエピソードなどを話していました。
「Player 0.0」は、F1レースゲーム『EA SPORTS F1 23』を使用した大会。大会当日に先着順で訪れた参加希望者45名が、タイムトライアルモードの鈴鹿サーキットでベストラップを競います。
上位4名は決勝ラウンドであるFinal Raceに進出。予選3周でグリッド順を決めたのち、13周でのレースを行います。優勝した選手は、今年12月に開催予定の「Player 0.0 International Final 2024」への出場権が与えられます。開催国は未定ですが、ヨーロッパであることは決まっているようです。
また、当日はメディア向けの発表会も実施。ハイネケンの日本市場における今年度の中長期戦略として、ノンアルコールビール「ハイネケン0.0」のコンビニへの販路拡大を発表しました。ハイネケンは、以前より責任のある適正飲酒を促進しており「When You Drive,Never Drink(お酒を飲む日は、乗らない日)」のキャッチコピーを掲げています。そこで、車に乗る日でもビール飲料を楽しめるノンアルコールビール「ハイネケン0.0」を勧めているわけです。
大会は、まず予選参加者によるスプリントレースを行い、各人のベストラップを集計。上位4名を決定します。予選が行われている間は、DJアーティストのRINAさんが会場を盛り上げます。
また、会場ではハイネケン0.0が配布されており、アルコールが入っているわけではありませんが、まるでクラブのような雰囲気。さらに、スプリントレース後には、ラッパーのKohjiyaさんのライブ、ゲストプレイヤーによるエキシビションマッチが行われました。
Finalレースは、予選を突破した4人によって行われますが、いずれも劣らず好タイムをたたき出した強者ぞろいです。ちなみに、今大会ではレーシングシミュレーター用マシンを使用。かなりのお値段であることが予想されるので、多くの選手が慣れていないであろう環境です。にもかかわらず、好タイムをたたき出しているのは、『F1 23』をしっかりやりこんでいるからこそでしょう。
レースは、小此木選手が終始トップを快走していた状態でラスト1周に突入。しかし、タイヤの状態が悪くなった小此木選手がピットインすると、失格の表示が。実は、ピットインを認めていなかった設定だったため、ここで全員が失格状態になってしまいました。
協議の結果、レースを支配していた小此木選手が優勝に妥当と判断され、そのまま小此木選手が優勝に決まりました。ヨーロッパで開催される「Player 0.0 International Finals 2024」には、3年連続でF1ワールドチャンピオンになったマックス・フェルスタッペン選手もプレイヤーとして参加する予定です。
F1ファンとしてみれば、マックス・フェルスタッペン選手を目の当たりにするだけでも貴重な体験ですが、同じゲームで対決できるのは、きっと夢のようでしょう。そのうえ、勝ってしまえば、多くの人から羨望の目で見られるようになるかもしれません。
ハイネケンは2023年より自社販売に切り替え「ハイネケン・ジャパン」を設立しています。今回の大会はハイネケン・ジャパンを日本市場での立場を明確にする意味合いもありました。
そこで、ハイネケン・ジャパンの社長であるトニー・ウィーラー氏に、Player 0.0の開催の意図や今後の展開などを聞いてきました。
――Japanese Player 0.0 Finalの開催の経緯をお聞かせください。
トニー・ウィーラー社長(以下、トニー):F1のスポンサーシップをする前から、ハイネケンではWhen You Drive,Never Drinkの啓蒙活動をしていました。「ハイネケン0.0」の発売を機に、より一層、周知する努力をしていこうと考えています。
その手段の1つがeスポーツ展開。「ハイネケン0.0」が若い人に向けて人気商品としてあり続けられるかを考えたとき、若者に人気のeスポーツがタッチポイントになるのではと考えました。
また、我々はF1のスポンサーシップをしていることもあり、eスポーツの多岐にわたるジャンルから、eモータースポーツ、とりわけF1と絡めたものを選びました。
――昨今のeスポーツのムーブメントについてはどんな印象を持っていますか。
トニー:ハイネケンのコアバリューに「多くの考えに寛容である」というものがあります。その考えはeスポーツと親和性が高いと考えます。
昔はゲームをプレイすることに内向的なイメージもありましたが、今はeスポーツを中心に社交的なものにもなってきています。社交的な場になって、人が多く集まると、やはりみんなで乾杯するもの。そこに我々も入っていかなければなりません。
日本でも、お酒を飲みながらeスポーツの大会や試合を観戦している人がいると思います。eスポーツでお酒を飲む慣習が広がればいいですよね。
――トニー社長もゲームをプレイするのでしょうか。
トニー:昔は『ディアブロ』や『スタークラフト』をプレイしていました。今は子どもが生まれたので、一緒に『マリオカート』で遊ぶくらいですね。
――今回の大会やキャンペーンの手応えを教えてください。適正飲酒について周知できたと思いますか。
トニー:若い層に声が届きやすい場で訴えたいと思っています。eスポーツはその場としては最適。メッセージが届きやすいと思っていますし、届くと信じています。
――今後も日本でeスポーツイベントを開催する予定はありますか。
トニー:eスポーツ市場は本当にポテンシャルがあると思います。今回のイベントの結果をもってどのような評価になるか、そこを見極めたうえで、今後もパートナーの機会を得られるように期待しています。
我々は一度パートナーになると、F1のスポンサーのように長年寄り添っていくことが多いんです。eスポーツはポテンシャルを考えるだけでワクワクするような状況。長年パートナーにあり続け、20年後、30年後のハイネケンとeスポーツで何が起きているかを考えるだけで、楽しみでしかたありません。
――ありがとうございました。
今回は、ハイネケン・ジャパンがeスポーツ市場に新たに参入したイベントですが、実はBEAMSがパートナーとなって、大会のプロデュースをしていました。
その結果、告知がファッション誌で行われるなど、これまでにない層にアプローチできたと言えます。
来場者の年齢層は若く、ゲームイベントよりクラブイベントといった印象。来場者にイベントをどこで知ったのかを聞いてみたところ、Instagramと答える人もいました。
eスポーツは多様性を享受するものなので、こういった新しいタイプのイベントが開催されることも、1つの形として定着していくかもしれません。