2022年12月18日、セガサミーグループが運営する大崎のコワーキングスペース「TUNNEL TOKYO」にて、「第2回 ぷよぷよレディースカップ」の決勝トーナメントが開催されました。
レディースカップの名の通り、女性のみ出場できる大会です。プロ選手には出場資格がありません。2022年11月19日に開催されたオンライン予選を勝ち抜いた16名が決勝トーナメントに進出します。
今回、解説を担当するのは、女性プロ選手のtema選手とめいせつ選手の2人。出場選手から解説まで、まさに女性による、女性のための大会です。
大会前には、選手や観戦者の懇親会も行われました。クリスマスが近かったこともあり、会場では『ぷよぷよeスポーツ』のイラストケーキを用意。選手やその家族が交流を楽しんでいました。
トーナメントは、シングルエリミネーション方式で、1、2回戦はBO3(2勝先取)の2セット先取、準決勝・決勝はBO9(5勝先取)の2セット先取です。『ぷよぷよeスポーツ』は、10先2セットなど、試合数が多い大会もあるので、それと比べると短期決戦といえるルールでしょう。トーナメントの組み合わせは事前に抽選で決定しています。
トーナメント進出者は、いずれも劣らぬ実力者ぞろいで、ぷよ歴28年のベテランから10歳の超若手プレイヤーまで幅広い年齢層の選手が激突します。対戦内容もハイレベルで、速攻あり、大連鎖ありと、現在流行りの戦略を駆使した見ごたえのある応酬が繰り広げられていました。
BO3の2セット先取の短期決戦を勝ち抜いたのは、のたこ選手、サヤナ選手、あかじこう選手、まりこ選手の4人。準決勝からはBO9の2セット先取になります。
サヤナ選手は13歳ながら11月に開催された「ぷよぷよeスポーツ 西新宿の陣」のキッズ部門で優勝しています。前回優勝のあかじこう選手をはじめ、「ぷよぷよeスポーツ 西新宿の陣」の一般の部で優勝したのたこ選手、大会上位常連のまりこ選手と、歴戦の猛者が集いました。
準決勝第1試合は、のたこ選手対サヤナ選手。サヤナ選手は全消しや大連鎖の後のセカンドの対応が良く、のたこ選手は仕掛けの速さと大連鎖の火力で攻めまくります。接戦でしたが、のたこ選手が勝利しました。
準決勝第2試合は、あかじこう選手対まりこ選手。細かい連鎖で牽制しつつ相手に対応するあかじこう選手に、その対応力を超える火力で勝ちきるまりこ選手。シーソーゲームのなか、あかじこう選手が勝ちきりました。
決勝戦はあかじこう選手対のたこ選手。奇しくも「第1回 ぷよぷよレディースカップ」の決勝と同じ組み合わせです。
序盤、速い攻撃で2ゲーム先取するのたこ選手ですが、あかじこう選手が対応し3ゲーム連続で取り返します。4-4からのたこ選手の仕掛けを受けきり、あかじこう選手が1セット先取。2セット目ものたこ選手が先にゲームを取りますが、すぐにあかじこう選手が取り返します。そこから、のたこ選手が攻勢をかけスコアを2-4にするも、あかじこう選手が幅広い受けから2~3連鎖の対応、本線の発火と対応力の高さを見せて逆転に成功。2セット連取であかじこう選手が優勝し、連覇を果たしました。
表彰式では、優勝、準優勝の表彰のほかに、今大会から設立された大連鎖賞も表彰されました。受賞したのはともろん選手、サヤナ選手、のたこ選手、あかじこう選手の4人。最大連鎖数は12連鎖でした。
さらに急遽、細山田プロデューサーの独断で選ぶベストバウト賞が作られ、タピオカ選手対レッカ選手の対戦が選ばれました。
大会終了後、優勝したあかじこう選手からコメントをいただきました。その様子をお伝えします。
――「第2回 ぷよぷよレディースカップ」優勝おめでとうございます。2連覇を達成した感想をお願いします。
あかじこう選手(以下、あかじこう):レディースカップに出場するからには、連覇を目指したいと思っていました。正直、本当に優勝できるかどうかの自信はそれほどではなく、2連覇を果たしたときは自分自身でも驚きがあったほどです。
表彰式でじわじわと実感が湧き出し、本当に今日ここに来られて良かったと、大会運営の方々や応援してくれた友達の女性ぷよらーにも感謝の気持ちが強く出てきて、涙がこぼれかけましたが、なんとか堪えることができました(笑)。女性プレイヤーには負けないぞというライバル意識も強かったので、目標の連覇が達成できて本当にうれしいです。
――今回の大会で最も苦戦したのはどの試合でしょうか。
あかじこう:決勝戦ののたこ選手ですね。決勝戦は5本先取の2セットマッチで、結果的に2-0で勝利ができましたが、2セットとも4本取られており、最後の1本はどちらが取ってもおかしくない状態でした。先にのたこ選手に1本取られていたら、流れが変わっていたかもしれません。4-4から2回とも勝ちきれて良かったです。
――プロ選手への挑戦を望まれる声も出ていると思いますが、その道は考えていますか。
あかじこう:ぜひ挑戦したいです! 特に女性プロ選手にはライバル意識もありますし、今の自分なら勝てるかもしれないと思っています。
――今後の活動予定を教えてください。
あかじこう:ポイント付与のある大会に参加してポイントを稼ぎ、2023年のプロ選抜に出たいです。そして、選抜で勝ち上がって、プロ選手になることが目標です。
――レディースカップとそれ以外の大会の違いや魅力はなんでしょうか。
あかじこう:レディースカップの魅力はなんと言っても女性ぷよらー同士の交流がしやすいところだと思います。それ以外の大会は男性が多いので、空気感も全然違います。なので、レディースカップには特別な楽しさがあります。もし、プロ選手になることができたら、レディースカップに出場できなくなるので、それは残念です(笑)。
通常の大会は男性が多く、強豪プレイヤーもより多くいます。勝つことが難しくなりますが、そのなかで勝ち上がれたときの喜びは大きいですね。
――3連覇に向け、意気込みをお願いします。
あかじこう:絶対に出場したいです! 中盤力も大連鎖力も今以上にレベルアップして挑みます。そして3連覇を果たします!
――ありがとうございました。
*****
eスポーツは、老若男女の違いや、障がいの有無を問わず楽しむことができるものです。そのため、多くの大会は制限を設けていません。その意味で女性限定大会は、ある種必要ないと思うかもしれませんが、大会の多様性としては十分魅力的なものであると感じます。
ちょうど『ぷよぷよeスポーツ』は、国体の文化プログラムである「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」に、年齢に制限を設けた小学生部門があります。古くは1990年代に、シルバーぷよマスターズを敬老の日に開催し、高齢者を対象とした大会も行っていました。さまざまな限定大会を行うことで、より裾野が広がり、多くの人が参加しやすくなっているわけです。
レディース大会での活躍に刺激を受けたプレイヤーが新たにプロ選手を目指すといった、さらなる裾野の広がりにも期待できるでしょう。