10月8日から始まった『鉄拳7』のeスポーツリーグ戦「TOPANGA LEAGUE×TEKKEN7 Season6」の最終ラウンド「T1リーグ」が11月3日、5日、6日にオフラインで行われました。
「T1リーグ」に参加する選手は、Season5で残留確定した破壊王選手、チクリン選手、ノロマ選手に加え、T2リーグ各ブロック優勝者の用心BΩY選手、AO選手。そして、T1/T2入替戦を勝ち抜いたRangchu選手とみきお選手の計7名です。
『鉄拳7』の現バージョンは、タイトル史上もっともキャラクターバランスがとれていると言われており、今回の「TOPANGA LEAGUE」でもさまざまなキャラクターが使われています。
T1リーグでメインキャラクターが被っているのはRangchu選手とみきお選手のジュリアのみ。そのほかは、破壊王選手のキング、アーマーキング、AO選手の州光、用心BΩY選手のマードック、チクリン選手のギース、ノロマ選手のフェン、ジャックとバラエティーに富んでいます。
唯一被ったジュリアも、以前よりRangchu選手とみきお選手の使用キャラだったので、これまでの“強キャラ被り”とは印象が違います。また、複数のキャラクターを使用できる選手も多く、キャラクターや選手の相性によってサブキャラクターが登場することもあり、個性豊かな『鉄拳7』のキャラクターをいろいろ観る楽しさもあります。特にRangchu選手は、アンナやカタリーナなども高いレベルで使い込んでおり、大会を彩りました。
「T1リーグ」Day1は、Season5で準優勝だった破壊王選手がいきなり用心BΩY選手とみきお選手に敗れる波乱の展開。かたやRangchu選手はAO選手と用心BΩY選手を倒し、幸先の良いスタートです。
Day2では、上位陣と下位陣の明暗がくっきり分かれます。Day2も調子が上がらない破壊王選手が連敗を喫し、みきお選手、用心BΩY選手は2日間で1勝と厳しい状況。1敗を守り切った4人の上位陣が最終日の決戦を待ちます。
Day3は、Rangchu選手が5勝1敗で早々に試合を終わらせ、ほかの4人の結果を待ちます。チクリン選手はRangchu選手に敗北を喫し、優勝戦線から離脱。ノロマ選手は勝利を重ねるだけでなく、ラウンドをほとんど取られずに勝利しており、得失点差で大きなアドバンテージをとります。
AO選手、ノロマ選手、Rangchu選手の3人は、それぞれ直接対決で勝った相手が、もう1人に負けるという三つ巴状態に。直接対決の結果を優先させるTOPANGAにおいても、得失点差が大きく影響することとなりました。
最後の3試合は、いずれも結果次第で降格、入替戦、優勝が決まる重要な試合です。降格をかけた一戦はみきお選手が勝利し、みきお選手が入替戦に、用心BΩY選手が降格となりました。
チクリン選手対AO選手では、チクリン選手に優勝の目がなくなったものの、結果によっては2位になれる可能性があります。AO選手は、7-0で勝利し、次のノロマ選手対破壊王選手の対戦でノロマ選手が10-9で勝利すれば優勝できるという細すぎる希望の糸にすがります。しかし、早々にチクリン選手に1本取られ優勝の道は途絶えました。さらに一進一退の攻防ののち、AO選手は敗北となります。
奇しくも優勝が決まる最終戦は、暫定1位のノロマ選手と最下位確定の破壊王選手。圧倒的な成績で1位をひた走るノロマ選手ですが、すでにRangchu選手が5勝1敗で全スケジュールを終了させているので、勝利しないと優勝はできません。これまでのお互いの調子からみてノロマ選手が大幅に優勢かと思われましたが、なんと6対6のデュースまでもつれ込みます。そこから2連勝をした破壊王選手が勝利し、ノロマ選手の優勝を阻みました。そして、Rangchu選手が見事、Season6の覇者となりました。
結果としては上位4人と下位3人のような構図になりましたが、最後の最後に破壊王選手がノロマ選手を破ったように、実力は拮抗しており、まさに紙一重の結果と言えます。それどころか、Season5でT1リーガーだったダブル選手がT2リーグで全敗し、次回T2残留戦を行うことになりました。T1リーガーですら2シーズンでT2残留戦まで落ちる可能性があり、その逆もしかりと言えるほど、T2リーグやオンライン予選トーナメントも実力が伯仲しているわけです。
その中でも唯一T1リーグに在籍し続けているチクリン選手が、次回T1入替戦を行います。果たして7シーズン連続でのT1参加が敵うのか、入替戦から注目を集めそうです。
エンディングで登場したバンダイナムコエンターテインメントの安田eスポーツ氏によると、次回は春頃に開催予定とのこと。Season7にあやかって次回も『鉄拳7』での行われるとのことです。
すでに次期ナンバリングタイトルである『鉄拳8』が発表されていますが、新作での大会ではありません。春時点で次作が発売されていない可能性もあるうえ、もし発売していてもプロの技量を見せる大会としてやり込めるほどの時間はないと思われるので、賢明な判断だと言えるでしょう。
また、最後に挨拶したTOPANGA代表の豊田氏と安田氏の両名が言及していましたが、今回の大会は参加辞退者が出ました。優勝したRangchu選手が所属するDONUTS USGの弦選手です。所属していたチームよる契約解除と、本人よる引退と捉えられる発言はありましたが、理由や背景などは明らかにされていません。
もちろん、「TOPANGA LEAGUE×TEKKEN7」の参加辞退に関しても詳しい理由は述べられておらず、「TOPANGA LEAGUE×TEKKEN7」でこれまで開催した6シーズンの半分である3回も優勝し、大会の中心人物として活躍していただけに、辞退したという発言だけで終わらすのはさすがにファンに対して説明が足りないような気がします。
実際、3日間の配信のコメント欄ではことあるごとに彼の話題があがっており、誰もがすっきりしていない様子でした。所属していたチームが引き続き調査をするとの主旨のコメントを残しているので、それが出ることを信じ、この件に関して筆者は言及してきませんでしたが、大会辞退について触れるのであれば、詳細も説明すべきだと感じました。
次回の開催に関しては、豊田氏の念願である国際大会についても話していました。韓国勢はもちろん、パキスタン勢、欧州北米勢など日本のT1リーガーに匹敵する、もしくは凌駕する選手は世界各国にいるでしょう。
どれだけのレベルで海外の選手を招聘できるかは未知数ですが、こちらもぜひ実現してほしいところです。また、今回もオフライン開催でしたが、有観客とはなっていないので、そのあたりにも期待しましょう。