8月27日、28日に、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022(SFL 2022)」の「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022 開幕戦 1on1トーナメント Prize Supported by 太陽ホールディングス」が開催されました。
このイベントは、名前の通り、9月から開幕する対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV チャンピオンエディション(ストV CE)』の国内プロリーグ「SFL 2022」の開幕戦。チーム戦の「SFL 2022」のリーグ本節とは違い、1on1の個人戦です。8チーム32名全員によるシングルエリミネーショントーナメント形式で行われました。
優勝選手には優勝賞金50万円、準優勝賞金には30万円、3位タイには10万円が付与されます。さらに優勝者が所属するチームには20ポイント、準優勝で10ポイント、3位タイで5ポイントをリーグ本節のポイントとして加算。昨年はときど選手が優勝し、獲得したポイントが所属する「V6プラス FAV ロートZ!」のプレイオフ進出に大きく寄与したので、影響は少なくありません。
初日の27日は、まずトーナメント組み合わせ抽選会が行われました。各チームの選手は、A~Dの4つのグループに分かれますが、誰がどのグループに参加するかは、あらかじめ提出されており、抽選でトーナメントの位置を決めます。1回戦目はBO3(2勝勝ち抜け)で行われ、2回戦目からはBO5(3勝勝ち抜け)となります。初戦は短期決戦となるので、勢いとタイミングによっては番狂わせも起こりそうな気配です。
1回戦が終了した時点の各チームの選手残留状況として、昨年、リーグ本節をダントツの1位で抜け、グランドファイナルで2位となったチーム「Good 8 Squad」が4選手とも残留する好成績を残しています。かたやチーム「魚群」は4選手とも敗退し、ポイントの取得の夢は早くも絶たれてしまいました。
注目すべきは「広島 TEAM iXA」。新設チームで戦力がほかのチームよりも劣るとみられていましたが、クラッシャー選手とガンファイト選手が2回戦に進出する大健闘をみせています。クラッシャー選手は先日行われた「CAPCOM Pro Tour 2022」ワールドウォリアー日本大会1でも5位入賞を果たしており、リーグ本節での活躍に期待が持てる結果となりました。
そのほか、カワノ選手、ときど選手、ふ~ど選手、ウメハラ選手、ガチくん選手、ももち選手、ひぐち選手など優勝候補の面々は順当に勝利しています。
2日目となる28日は、2回戦から行われます。すでにどの対戦も大会決勝戦並の好カードでしたが、板橋ザンギエフ選手、どぐら選手、ふ~ど選手、ときど選手、ももち選手、ガチくん選手、藤村選手、ぷげら選手がベスト8に進出しました。ここで、「魚群」に続き、「Saishunkan Sol熊本」と「広島 TEAM iXA」が全滅。ポイント獲得には至りませんでした。
ベスト4には、どぐら選手、ふ~ど選手、ガチくん選手、ぷげら選手が勝ち残りました。なんと、4人中3人が「Good 8 Squad」の選手です。そのため、最低20ポイント獲得が確定します。「忍ism Gaming」と「v6プラスFAV gaming」が全員敗退し、ポイント獲得の可能性を持つチームは「Good 8 Squad」と「名古屋OJA BODY STAR Mildom」のみとなりました。
準決勝では、ふ~ど選手がどぐら選手を倒します。ふ~ど選手が撃破した「Good 8 Squad」メンバーは、カワノ選手に続いて2人目。しかも決勝は、ガチくん選手とぷげら選手どちらが上がってきても「Good 8 Squad」メンバーとの対戦になります。
同チーム同士の対戦となったガチくん選手対ぷげら選手の対戦では、ぷげら選手が勝ち抜き、決勝へ進出しました。
そして迎えた決勝戦。ふ~ど選手がぷげら選手を破り、優勝を果たします。ふ~ど選手は、ガチくん選手以外の「Good 8 Squad」メンバー3人を倒しての快挙。もはや「Good 8 Squad」キラーと言える活躍です。
この結果、「Good 8 Squad」20ポイント、「名古屋OJA BODY STAR Mildom」20ポイントがリーグのポイントとして加算されました。リーグ本節は1節3連勝で40ポイント差、最低5ポイント差しか付かないことを考えると、この2チームがかなり優位に立ったと言えます。
ベスト4に「Good 8 Squad」の選手が3人いたことで、今年も大本命が「Good 8 Squad」であることがわかりますが、その「Good 8 Squad」を3人倒し、さらに、ときど選手も倒したふ~ど選手と「名古屋OJA BODY STAR Mildom」も対抗馬として大きな光を放ちました。
ただ、プレイオフ進出のことを考えると、「Good 8 Squad」と「名古屋OJA BODY STAR Mildom」以外のチームは、2チームに先行されるより、「Good 8 Squad」に総取りされるほうがよかったのかもしれません。
何はともあれ、これで「SFL 2022」が開幕。『ストV CE』は、ゲームもプレイヤースキルも最高に仕上がっている状態で、まさに集大成と言えるでしょう。eスポーツのリーグとしてみても、国内で開催されるリーグとしては、世界レベル、世界最高峰と言えるリーグなので、ぜひ、お見逃し無く。
なお、今回の配信はZAIKOにて行われました。チケットは1日分で1,800円、2日通しで3,000円です。有料配信を視聴した人は9月7日まで何度でもアーカイブ視聴できます。9月3日から配信されるアーカイブ専用配信では、500円で2日分のアーカイブ視聴が可能です。
リーグ本節は9月6日より、基本的に火曜日と金曜日に配信されます。今回の1on1の無料配信は12月17日と、3カ月以上あとになるので、リーグ本節をより楽しむのであれば、9月3日よりZAIKOで配信予定の有料配信(500円)のアーカイブ配信を視聴することをオススメします。
優勝したふ~ど選手にインタビュー!
大会終了後、優勝したふ~ど選手に話を聞くことができました。その様子をお伝えします。
――今回、「名古屋OJA BODY STAR Mildom」は、すべてのブロックで枠申告順が1か8と、一度も対戦相手を選べる立場になりませんでした。ふ~ど選手も1番でしたが、結果に影響しましたか。
ふ~ど選手(以下ふ~ど):選択順は特に気になりませんでした。それよりも自分がいるBブロックのメンバーが強豪ぞろいで、そちらのほうがキツいと思いました。
――ブロックの振り分けは、どのようにチームで決めたのでしょうか。
ふ~ど:これもあまり深く考えてなかったんですよね。あきら選手についてはAがいいとか、そんな話はしていましたけど、それ以外は適当でした。
――今回、ふ~ど選手の優勝によってチームに20ポイント入りましたが、この結果についてはいかがでしょうか。
ふ~ど:SFLは長期戦なので、20ポイントについてはそこまで重視していません。たぶん、最終的に獲得できるポイントの5%くらいなんじゃないかな。優勝したことについては、ちょっとできすぎなところもありました。ポイズンが良い感じで勝ちすぎましたね。攻撃が当たりすぎた感があるので、あとでちゃんと見直してみたいと思います。それでも大会で勝てて手応えを感じられたのは良かったですね。
――「Good 8 Squad」とポイントを分けましたが、この点はいかがでしょうか。
ふ~ど:「Good 8 Squad」は強いですね。チーム力が高いので、リーグ本節でもかなり勝つでしょう。あと、「v6プラス FAV gaming」も強いと思うので、リーグ本節はこの2チームがトップを争うんだと思います。我々は3位を狙うのがいいかな。まずはプレイオフに進出し、そのあとグランドファイナルでの優勝を目指します。
なので、当面のライバルになるのは、5チーム(「Good 8 Squad」と「v6プラス FAV gaming」と自チーム以外のチーム)。ほかの5チームもそう考えていると思いますので、「名古屋OJA BODY STAR Mildom」が20ポイント取ったことで、マークされるようになるでしょう。彼らにとってみれば、ベスト4時点では、「名古屋OJA BODY STAR Mildom」が5ポイントになることを望んでいたと思います。運営的には現状の20ポイントを分け合った状態が良いでしょうけど。
――今回の対戦を終えて、気になるチームや選手など、改めてSFLに対して思うところはありましたでしょうか。
ふ~ど:SFLって本当に疲れるんですよね。今年はキャラクターもたくさん出るのでやることはいつも以上です。また、今回の1on1で思ったのは、ドラフト組が勝ったこと。クラッシャー選手、どぐら選手、鶏めし選手かな。ドラフト枠の選手が活躍するのは、チームの層が厚くなっておもしろくなりますね。
――昨年まで4人目は完全にサブのイメージでしたが、今年はちょっと違いそうですね。今年は例年以上に視聴者が増えると思われますが、「SFL 2022」を観る人へひと言お願いします。
ふ~ど:今年はリーグ中に、全国各地で「ファン交流キャラバン」が開催されるので、そこもおもしろいと思います。実際にプロ選手に会えますし、我々もファンと直接交流ができるのが楽しみです。住んでいる場所の近くでキャラバンをやるのであれば、ぜひ、参加してほしいですね。これは今回の目玉だと思っています。
――ありがとうございました。
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