秋です。夏は冷房の効いた薄暗い部屋で、変なDVDを観ながら「これ変だよ~」と独り言をつぶやいている間に通り過ぎてしまいました。なんのクライマックスも、窓開けて空気を入れ替える機会すらも訪れないまま、夏は終わりました。このままじゃだめだと思い、感動を呼び起こしてくれるような素晴らしいDVDを今月は沢山観ようと思いました。観終わったら部屋を換気して秋のさわやかな空気を呼び込みたいです。
世界遺産が手軽に観れちゃいます
皆さんは「世界遺産」と聞くとどんな物をイメージしますか? よくニュースで「●●の●●が世界遺産に登録された」とか、「世界遺産が心ない人間の手により汚されている!」的な報道がありますよね。僕の場合は「あ~、よく分からないけど、とりあえず僕らよりは物凄く価値や意味のある素晴らしい景色や場所なんだろうなあ」、「多分、凄い建物なんだろうなあ」などという程度の浅はかな認識でした。大人なのにこれじゃあんまりです。そこで、世界遺産について色々調べてみようかとも思にいましたが、「頭で世界遺産の事を理解するよりも、世界遺産の素晴らしさをまず感じる事が大切だろう」とすべての計画を中止してDVD『ユネスコ共同製作 世界遺産 新たなる旅へ』を観ました。全10巻で毎月2本ずつリリースされている壮大な作品です。
(C)EVERGREEN Digital Contents, KADOKAWA Shoten Publishing,WASEDA University/UNESCO(2004)ユネスコとは国際連合教育科学文化機関の事で、ここの偉い人々が「あー、これ世界遺産ね。じゃあ決定!」みたいな事を、真剣にやっているのだと思われます。多分、そんな感じです。こういう詳しい背景を知らなくても、この作品は観ていて損のない美しい映像満載です。ただ、BGMとナレーションは、やや単調で眠気を誘います。ちなみに、今回のDVDには未収録ですが、日本の原爆ドームのようなものも、後世に残しておかなければならない物として、実際の世界遺産に登録されています。美しい物だけってわけじゃないんですね。
30分で素敵な絵を描く男は元大工さんだった!!
世界遺産に認定はされないでしょうが、個人的世界遺産ランキングでは、かなりの上位に入りそうなのが、このボブ・ロスさんの絵画テクニックです。
精密で重厚なフルカラーの絵画を、たった30分前後で仕上げてしまうボブ・ロスのDVDを観ました。視聴者に様々なテクニックを解説しながら、特に集中しているようにも見えないリラックスした様子で絵筆を操り、素晴らしい絵を描きあげるボブ。TVチャンピオンに「絵画速描き選手権」とかあったら、永久チャンピオンだったでしょう。
「絵の世界では失敗なんてない。何が起きても大丈夫。あなただけの世界だから」などという優しさに満ちた言葉から、「昔は大工でした。今、絵で立派な家を描くのは簡単ですが、実際に建てるのは、こんなに簡単じゃありません」などというアメリカン・ジョークな発言まで、全てが最高。しかも、こんなトークを延々と繰り広げながら、手を動かし、凄い絵を描き続けているんです。
ボブ・ロス THE JOY OF PAINTING 2 DVD-BOX ハピネット 発売中 10,000円 |
どんな事にもつっこみを
素晴らしいテクニックと言えば、さまぁ~ずの三村のつっこみ芸も、凄い域に突入しています。あの、あらゆる事象に無理やりつっこみを入れて、投げっぱなしにするという技は、強引過ぎて笑えない時もありますが、徹低していて素敵です。そんなさまぁ~ずのトークライブDVDを観ました。このトークライブ、大物芸人がたまに舞台でやるような、ネタ見せ大会ではありません。台本もリハーサルもないままに、さまぁ~ずのふたりがモニターに表示されたテーマに従ってフリートークをするというスタイルなんです。
チケットは即完売にも関わらず、開演時間を過ぎても空席のままの椅子を見つけた三村。その空席にすらつっこみトークを見せてくれます。年末という開催時期や、ライブ会場の入るビルの他のテナントにまでつっこむ三村。その姿勢自体が容赦なく面白いです。
ライブミランカ「さま~ずトークLIVE~三村もいるよ!」 |
環境問題を語るベテラン俳優の凄みを、笑いましょう
素晴らしい特技……例えば長年の経験で培われた演技力。それが笑いを呼ぶ事もあります。往年のTVドラマの名優たちがバラエティーに挑戦した『環境野郎Dチーム』がそれです。わりとバラエティ番組に不慣れな俳優さんたちが、あえてカンペ棒読みといった感じでバラエティ番組の司会進行・トーク・レポートを担当します。テーマは環境問題なので真面目な作りなのですが、俳優さんたちのしゃべりのおかげで、かなりシュールな番組になっています。
でも、Dチームの面々の不自然な棒読みトークが、演技なのか地なのか、どうにも判断できません。毎回ゲストで登場する若手タレントたちが、スタジオの異様な空気や、Dチームの変な発言に思わず笑ってしまうのも分かります。ベテラン俳優の底知れない力を感じます。リアルな棒読みでも、棒読みのフリをした演技でも、どちらにしてもこの笑いを呼ぶ存在感が凄いです。
環境野郎Dチーム vol.1 |
青木裕子アナばかり見てしまいました
テレビではキワモノ的な扱いを受けている安田大サーカス初の冠番組『奥の細道』を観ました。地上波放送ではない作品という事で、いつもと違う彼らの姿が観れるかと思ったのですが、まったく同じで安心しました。ただ、HIROのペットボトルイッキ飲みや、団長のスーツが脱げるというおなじみの一発芸は封印されています。その代わりに、古典的な激しいどつき、自宅訪問、携帯データ消去など、ガチな企画が全編満載で楽しめます。
安田大サーカスの今後を占うという企画で、占い師にHIROが「人間であるという事以外何もない」というとんでもない評価をされていました。占い師にそこまで言わせるのも素晴らしい才能のひとつだと思います。スポーツクラブで収録中に寝てしまったり、初回の収録集合時間に自宅で熟睡していたりと、何もないと言われたHIROの愉快な姿が満載です。 ちなみに、アシスタントはTBSの青木裕子アナ。個性的なルックスの安田大サーカスと、美しい青木アナが並んでいる姿は、マニア必見です。また、安田大サーカスの団長から「早朝ロケも来いよな」とマジで言われていたのが印象的でした。
安田大サーカス 奥の細道 DVD BOX |
今月は、沢山の素晴らしい作品を観て、とても感動しました。素晴らしい風景や建造物、素敵な才能をたくさん観させていただきました。世界遺産、ボブ・ロス、さまぁ~ず、環境問題を語るベテラン俳優、安田大サーカスのHIROに青木アナ、みんな最高でした。みんなの素晴らしさを感じつつ、さわやかに換気をしようと窓を開けたのですが、仕事場が環状7号線沿いのためか、新鮮な空気は一切感じられませんでした。