リクルートスーツに合わせる靴といえば、「黒いドレスシューズ」であることは誰もが知るところ。ですがデザインについては、カジュアルからドレスまで幅があるため、選び方で迷いませんか。
ドレスシューズの定番である「ストレートチップ」や「プレーントゥ」と呼ばれる形状を選んでおけば間違いありませんし、こういう情報はじわじわ浸透してきました。ところが内羽根や外羽根といった「つくり」については、意外に知られていないのでは。
世間の常識:ドレス感ある黒革靴を選ぼう
今回は「内羽根や外羽根といった『つくり』がもたらす」印象差について、『毎朝、迷わない! ユニクロ&ツープライススーツの上手な使い方』(WAVE出版)の著者が解説します。
内羽根と外羽根、リクルートスーツに合うのは?
靴紐を通す穴がついたパーツは、その形状から「羽根」と呼ばれています。外羽根と呼ばれるつくりは、「靴本体に羽根が外付けされた」もの。一方、内羽根は、「羽根が靴本体に入れこまれている」ものを言います。
見た目の印象としては、「内羽根はフォーマルなよそ行きで、外羽根は普段使い」というイメージですが、その理由は各シューズのルーツが関係していました。
英国王室のアルバート公が1800年代に考案した内羽根は、靴本体と羽根が一体化しているため、見た目の収まりがよいのです。そのため「フォーマルな恰好に相応しい」と言われています。
一方、外羽根については、軍隊で支給されるミリタリーブーツが由来でした。
かしこまった装いであるリクルートスーツに、内羽根がマッチすることは必然とも言えますが、足のカタチによっては、外羽根をおすすめしています。
優秀な営業マンは外羽根を選ぶ!?
足のカタチは千差万別です。幅広や甲高の場合、「サイズが同じならば、内羽根より外羽根の方が足に負担がない」のです。
そもそも外羽根は「紐によるサイズ調整がしやすい」ということを踏まえ、開発されているものだから。一方、見た目がキレイに収まる内羽根は、紐による調整に限界があるのです。
だからこそ足で稼ぐ一部の営業職の場合、内羽根より外羽根が良いとも言われています。またリクルートスーツだからといって、ムリに足に合わない内羽根を履くことが良いとは言い切れません。
いずれにせよ大切なことは、このような歴史的背景を理解したうえで、自身の足形に合わせて無理ない一足を選ぶこと。
このとき欠かせないことは、ストレートチップやプレーントゥといった明らかにドレス感が伝わるシューズを履いていることですから。