「足元を見る」という言葉の語源からも分かるように、相手の足元から、読み取れる情報量は想像以上に多いです。数多くの学生を見ている人事担当者ならば尚更ですよね。

だからこそ、手入れの重要性については周知の通りですが、実際のところどこまで何をすべきかゴールに迷いませんか。

世間の常識:靴の手入れは大切!

今回は「面接の印象で差をつける」というゴールを見据え、具体的な手入れのコツについて、『毎朝、迷わない! ユニクロ&ツープライススーツの上手な使い方』(WAVE出版)の著者が解説します。

塗る前にブラッシングしよう

靴磨きと聞くと、「何を塗るか」に意識が向きがち。でも実際は、靴墨を塗る前のブラッシングが大切です。黒い革靴に付着したほこりや花粉は意外に目立ちませんが、靴墨やクリームを塗る前のブラッシングで、仕上げの印象はだいぶ変わります。

最小限の労力で差を付けるには、3段階の工程が必要ですが、なかでもブラッシング、ポリッシングが重要なのです。

  • 革靴の手入れに欠かせない「ブラシ」と「ミトン」

    革靴の手入れに欠かせない「ブラシ」と「ミトン」

まずはブラッシング。汚れ落としの溶剤として、クリーナーを連想されるかもしれませんが、実はブラッシングで十分です。

ブラシの種類は、豚毛ではなく馬毛を選びましょう。というのも馬毛は毛が柔らかく、毛がしなるため、表面のみならず奥まった部分のほこりも簡単に掃きだしてくれるからです。

仕上げにこだわろう

ブラッシングで靴全体の汚れを掃き出した後、靴墨を塗っています。古いソックスやタオルの切れ端で満遍なく塗りましょう。なお、この段階ではなかなかピカピカになりません。実は、この後の仕上げが肝になります。ただ、特別な溶剤を塗る訳ではありません。

靴磨き用のポリッシャーミトンでササッと表面を磨きあげるだけ。指が分かれていない靴磨き用の手袋みたいなもので、溶剤がなくともツヤを出せるのです。さほど力を入れずともピカピカに仕上がりますよ。

靴磨きは奥が深い世界です。丁寧にやり出せばキリがありませんので、私は最小限の努力でピカピカにすることを心掛けています。このとき大事なポイントは、塗るものは最小限にして、「塗る前のブラッシング」と「ミトンで磨く」という2つの要素。

将来の仕事ぶりを感じさせるような、「効率よく効果を出せる」手入れで面接に臨みましょう。