コロナ禍のリモートワーク。その影響からビジネスカジュアルの浸透は、これまで以上に拡がっています。なかでも防シワ・ストレッチ・ウォッシャブルといった機能をもつセットアップ全般は、アクティブスーツや高機能スーツなどと呼ばれています。
スーツのようにネクタイを締める着こなしからクルーネックTシャツの着こなしまで、シーンを選ばず使えるため、新しい生活様式に最適です。とはいえ着こなしを間違えてしまえば、途端にその姿が安っぽく見えかねません。
背景には「スーツとアクティブスーツは似て非なるもの」という本質的な違いがあるのです。今回は初心者がやりがちな「アクティブスーツの着こなしの注意点」について、『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)の著者がお伝えします。
地厚なクルーネックTを合わせよう
無地のクルーネックTシャツを合わせたアクティブスーツの着こなし。数年前まではIT業界やクリエイティブ職などドレスコードの自由度が高い人に限定されていました。ところがビジネスカジュアルの定着やリモートワークの浸透により、在宅勤務では業界を問わずに着用可能なのではないでしょうか。
このとき合わせるTシャツを無地にすることは容易に想像できるかもしれません。ところが、薄手の生地を合わせると途端に印象が安っぽく見えます。これはビジネスファッション全般に言えることですが、襟がついていないクルーネックTは、生地の厚み次第では下着と代り映えしないからです。
下着ではなく、インナーシャツであることを印象付けるには「地厚な質感」が求められます。もちろん画面越しのオンライン会議であれば、生地の質感は対面時ほど伝わりません。
ですが薄手のクルーネックで外出するのは避けたいところです。張り感があるクルーネックTを選びましょう。
また足下の着こなしもポイントです。アクティブスーツの場合、クルーネックでこなれ感を出すときはスニーカーで合わせます。このとき、上下同一のダークカラーであるアクティブスーツの場合、服と靴でコントラストを出したいところ。
そういう意味でも白いスニーカーは最適です。一方、シャツにネクタイを締める場合は黒い革靴で印象を引き締めてあげることが大切なので注意してください。
ネクタイの色数は絞る
アクティブスーツのメリットはクルーネックTシャツのみならず、ネクタイやシャツも合わせられること。スーツにネクタイを締めるという機会は以前ほど多くないでしょう。だからこそ普段使いできるアクティブスーツが人気なのです。
ここで心に留めたいのは、コーディネートの色数が増えるほど、ストレッチが利いた化学繊維で織られているアクティブスーツの印象が安っぽく見える懸念点。というのも、天然繊維に比べ、化学繊維は色むらがないため、色数が増えるほど生地の単調さが悪目立ちするからです。
お勧めしたいのは、シャツやネクタイに柄を入れず、シンプルにソリッドと呼ばれる無地ネクタイを合わせること。たったこれだけの工夫ですが、その仕上がりは別物です。
新時代のビジネススタイルも好印象を維持したいですね。