自己PRでは、伝えたい「強み」と「弱み」のエピソードでセットにすると説得力が増します。前回は「コツコツ作業するのが好き」向けのエピソード作りを解説しました。
最後となる今回は「アイディアマン」向けです。
「アイディアマン」タイプは「地道に取り組んだ」エピソードを加える
好奇心が強く、行動力があり、発想力も高い。いわゆる「面白い人」です。自ら企画したり、アイディアが褒められて認められたりしたいタイプ。
自分のアイディアが認められたエピソードは沢山あるでしょう。しかし、こればかりだと面接官は、「アイディア豊富で切り口が斬新で認められてきたようだけど……」
→反対面
「自分の興味関心以外にはやりたくないのでは?」
「自分のアイディアが採用されなかったら拗ねて放り出すのでは?」など
「自分の興味関心やアイディア以外はやりたくない、わがままな人」と見られがちです。
新卒で入社したら、会社のルールや仕事の仕方を覚えることから誰もがスタートします。学生時代にどんな華やかな実績を出して自信があっても、そこがパスされるわけではありません。
本人は「イノベーションを起こせる」自信があっても、世の中そんなに甘くないからです。正しいことを正しく組織の中で起こすには、根回し含め、地道な努力が必要になります。
アイディア実現のための地道な取り組みが大切
そこで、このタイプは「アイディアを実現に受けて地道に取り組んだこと」をエピソードとして加えればいいのです。
「コロナ禍で新入生が大学に来られないので、サークルの新入社員募集にTikTokを活用することで大成功した」と自分のアイディアで成功したエピソードに手を加えてみましょう。
「コロナ禍で新入生が大学に来られないので、サークルの新入社員募集にTikTokを活用して大成功しました。実は壁が3つあって、それを乗り越えるため反対派の~、最初全然バズらず、再生もされなかったので有名TikToker〇〇さんのコツを~」というように、成功の裏にある地道な努力のエピソードを加えるのです。
派手に成功した面だけをPRしたがり、格好をつける傾向が強いですが、反面、アイディアを実現するために地道や努力や取り組みは必ずやってきているでしょう。
格好悪いことではないので、そこに光を当てればいいのです。
強みをPRした時点で「あなたの弱みは」対策も既に終わっている
以前の記事にも書きましたが、強みと弱みを別エピソードで話すと、取って付けた言い訳に聞こえやすくなります。
なぜなら、面接官は「弱み」からではなく「強み」から聞くので、強みのエピソードの連打を聞くことで、「この面が弱いのでは?」という先入観が多かれ、少なかれ持たれている状態で「弱み」を話す、いわば後出しじゃんけんになるので、どうしても言い訳っぽくなるのです。
そこで、強みのエピソードに「弱みを克服したエピソード」を混ぜると、いい意味で「強み・弱みのギャップ」が伝わります。
その結果、面接官が「この面が弱いのでは?」という疑問を解消し、魅力を感じている状態なので、「弱み」のエピソードが別事例でも、あら捜しにならず、逆に強み・弱みのギャップの魅力を上塗りすることに思考が働くのでお勧めします。