事故が無いのに保険料があがる理由
満期が近付くと保険会社から「更新の案内」が送られてきます。更新案内には気になる次年度の保険料のほか、グレードアッププラン、はやめに契約した場合の割引などが書かれています。1年間の契約中に事故が無ければ、等級は1つアップし、保険料も少し安くなっているはずです。ところが、なかには「等級があがって、事故も無いのに保険料があがった!」という方も多くいます。実はこれ、保険会社が毎年行っている「料率改定」が主な原因です。
そもそも割引率は等級や年齢、乗っている車などに対し、ひとつひとつ細かく決められています。それらの項目に対し、割引率の見直しをするのが「料率改定」です。なんで急に? と思いますが、「料率改定」は過去1年間の膨大なデータに基づいて行われているのです。例えば過去1年間、全国的にAという車の事故が多ければ、A車はリスクの高い車となり保険料がアップする…という仕組みです。
これは契約者にはどうすることもできないので、保険の中身を見直してコストダウンを図ることをオススメします。また順調に安くなった方は、他社も比較すればさらに安くなる可能性があります。いずれにしても更新案内に書かれている内容のまま契約するなんてもったいない! 更新のタイミングの見積り、見直しで保険料のスリム化を目指しましょう。
保険の見直しは1年ごとがメリット大
さて更新のタイミングでの見直しですが、これは1年を経過した家族の年齢や生活スタイルの変化などに注目。具体的には以下の内容を確認してみましょう。
『運転する人が全員30才以上になった!』
家族、家族以外を含めて契約している車を運転する人が30才以上になった場合は注意。必ず保険会社に申告しましょう。ほかに年齢区分は21才、26才、35才があり、30才と同様に申告が必要です。
『運転する人が変わった!』
子供が独立した、免許を失効した、運転しなくなった…といった場合、告知している運転者を変更する必要があります。被保険者欄から外してもらう、家族限定や本人限定をつけるなど変更しましょう。
『通勤で使わなくなった!』
通勤や通学、または業務などに使用していた車を日常使用に変更した場合には申告が必要です。これらの使用区分によって保険料が変わってきます。使用区分は安い順に日常・レジャー>通勤・通学>業務となります。
『ゴールド免許になった!』
記名被保険者(契約した車を日常的に主に使う人)が免許の更新時期を迎えてゴールド免許を取得した場合、かならず保険会社に申告しましょう。なお被保険者(契約した自動車保険の補償の対象となる人)がゴールド免許を取得した場合には保険料に変化はありません。
『走行距離が変わった!』
これまで長距離を走っていたけど、これからは少ししか乗らない…という方は走行距離区分の見直しを。走行距離に対する割引のある会社では、走行距離区分が短いほど保険料が安くなります。
『車両の価値が下がった!』
年を追うごとに車両の価値は減っていきます。新車時から7年程度経過した車なら、車両保険の見直しを。一般タイプからエコノミー+Aタイプにする、車両保険を外す……といった見直しが有効です。ただし、車両保険を外した場合、自分の車の補償がなくなるのでご注意ください。
見積りは補償内容とサービスに注意
保険の中身を見直したら、いよいよ見積りです。インターネット上の一括見積りサイトなら、一度の入力で各社の条件が出そろうので大変便利です。具体的な手順は以下になります。
【1】更新案内の内容で情報を入力する
現在の会社と比較するために、更新案内にある内容をそのまま入力しましょう。補償内容を変えずに安くなっている保険会社は相性の良い会社です。
【2】見直しの内容入力
最初のデータに見直した内容を加えて再度見積りを取ります。条件を変えると、最初の会社とは違う会社の保険料が安くなることもあります。
【3】補償内容、ロードサービスをチェック!
各社の保険料が出そろったら、肝心の補償内容、ロードサービスを確認します。同じ保険だと思っていたら、中身が違っていることもあるので注意が必要です。
【3】の代表的な例が「人身傷害補償保険」です。大きな柱である「過失割合に関係なく、設定金額内で損害を補償」という点は各社変わりありません。ただし、「契約車両だけか、それ以外に乗車中もOKか」「車両に乗車中だけか、歩行中もOKか」「自分以外の家族も補償されるか」という点は会社により微妙に異なります。同じようにロードサービスも会社によって変わってくるのでご注意ください。保険会社のホームページを読んでもわからなければ、保険会社のフリーダイヤルに問い合わせれば、即座に回答してもらえます。
早めの契約は割引メリット大!
ダイレクト系の数社が取り入れているのが、「早期契約割引」というサービスです。更新案内が届くのは満期の2カ月前程度ですが、それ以降の満期45日前程度までに契約すれば提示の保険料からさらに割り引いてくれるというもの。いずれは契約する必要がある自動車保険ですから、早めに申し込んでおいたほうがオトクです。更新案内が届いたらすぐに見直し、見積りをして、契約を済ませてしまいましょう。