代理店型とダイレクト型では加入の仕方も違う
自動車保険には代理店を通じて保険会社と契約する「代理店型」とネットや電話などで見積りを取り、保険会社と直接契約する「ダイレクト型」があります。
「代理店型」は以前からあるタイプで、車のディーラーや修理工場、またはプロ代理店があります。その加入方法は以下のようになります。
【代理店型の加入方法】
・保険会社に電話した場合→最寄りの代理店を紹介される→代理店担当者が見積り書を作成→加入検討
・車の購入時→見積り書に任意保険の見積りが添付されている→加入検討
・家族や知人の紹介・代理店担当者から勧誘→代理店にて見積り書の作成を依頼→加入検討
自動車保険の加入者に意外に多いのが「車を買う時に一緒に申し込んだ」というケース。また「(家族で)昔からの付き合いがあるから」という契約スタイルも多いようです。その一方で保険の中身は「自分で確認しておきたい」「コストを抑えて安く加入したい」という人達が選ぶのが「ダイレクト型」の自動車保険です。
【ダイレクト型の加入方法】
・見積りに必要な書類「現在の証券」「車検証」「更新案内」「免許証」を用意→ネットにアクセスし自分で情報を入力、または保険会社に電話し見積りを作成→加入検討
見積りというとなんだか難しそうですが、実際には「現在の証券」「車検証」「更新案内」「免許証」が手元にあれば、誰でも簡単に取ることができます。「パソコンの操作が苦手」という方は、保険会社に電話すれば保険会社の担当者がすぐに見積もり料金を出してくれます。しかし、それでも本当にその内容で大丈夫なのか不安に思われる方もいるでしょう。そこでダイレクト型自動車保険の上手な見積りの取り方を公開します。
各社を比べるために「更新案内」を利用
現在保険会社に加入している人は「代理店型」「ダイレクト型」を問わず、満期が近付くと「更新案内」が届きます。実はコレが上手な見積りの必須アイテム。いくつかのプランが掲載されていますが、現在と同じ補償内容をそのまま入力、または電話で担当者に伝えましょう。
例えば対物賠償が無制限なら、見積りでも無制限、車両保険が250万円なら見積りでも250万円……といった具合です。この時、「更新案内」に記載されている補償充実タイプの内容を言ってしまうと正確な比較ができず、保険料もアップしてしまうので注意してください。
ただし、更新案内のみでは見積りに必要な情報が不足している場合があり、見積りができない可能性があります。また、「更新案内」には、「ノンフリート等級」が「次回の等級」で記載されていることが多いので、インターネットで見積りする際に「現在の等級」欄に誤って入力したり、電話のオペレーターに誤って伝えてしまったりすると、ノンフリート等級が誤った保険料が計算されてしまうので注意が必要です。なお、等級が誤った場合は、「契約等情報交換制度」により、等級の訂正と保険料の訂正が行われます。
大事なのは安さ? 補償? 目的別の見積りを
「せっかくの見積りだから自分にあった内容にしたい」という方も多いかと思います。その場合、何に重きを置くかがポイントです。代表的な目的タイプを以下にまとめました。
【補償をしっかり充実させたい】
子供が小さいうちは補償をしっかりつけておきたい……といった方の場合、自分を含めた家族のケガに備えるため「人身傷害補償」の加入をオススメします。人身傷害補償とはあらかじめ決められた保険金額の範囲内なら、過失割合に関係なく自分や家族、搭乗者のケガを補償してくれる保険です。例えば過失割合5対5の事故を起こし、家族が1千万円の被害を負った場合。自分の過失分の50%は補償されないので500万円は自己負担となります。自分の過失が100%なら保険金は一切受け取れません。しかし、人身傷害補償に加入して1千万円以上の保険金額に設定していれば、過失分でも保険金が受け取れるのです。
なお、人身傷害補償は必ず加入する会社と、自分の好みで加入するかしないか選べる会社があります。すでに加入している方は保険金額を見直すのも良いかもしれません。
【保険料を安く抑えたい】
代理店型からダイレクト型に移った場合、保険料は安くなる傾向にあります。しかしダイレクト型からダイレクト型に移った場合、さほど変わらない……というケースも。そのような場合、補償内容の見直しが有効です。とは言え、ケガに関わる部分の変更オススメできません。そこで最も効果的なのが「車両保険」のグレードダウンです。例えば新車時から5-6年経過した車は残念ながら車両の価値が下がっています。それでも車両保険がついている場合、思い切って車両保険のタイプを下げる、車両保険を外してしまう……という方法が効果的です。ただし車両の価値はそれぞれに違うので、十分に検討してから最終的に決めましょう。
【付加サービスが欲しい】
ダイレクト型自動車保険のメリットは値段の安さだけではありません。自動車保険の付加サービスである無料ロードサービスも代理店型の国内損保より充実している傾向にあります。
例えばガス欠時の給油を比べた場合、国内A社は高速道路上のみ給油作業無料(ガソリンは実費)、ダイレクト型B社は場所を問わず給油作業無料+ガソリン10L無料……という具合です。またダイレクト型の保険会社同士でもロードサービスには差があるようです。ロードサービスも保険選びの重要なポイントといえそうです。
最終決断! 保険会社選びの決め手
実際に見積りを取り、保険料と補償内容、サービスのバランスが整っている会社が最もよい会社です。ただし、人によって最高の会社はバラバラ。自動車保険は車や年齢、等級などで保険料に大きな差が出ます。Aさんが納得のA保険でも、Bさんも納得できるとは限りません。そこでアレコレ悩むよりも見積りを比較するのが一番確実ではないでしょうか。前述の「更新案内」の情報を基本にオンリーワンの自動車保険を見つけましょう。