ドライヤーとしては珍しいコードレス式であることに加え、光と風で乾かす独自のメカニズムが注目を集めた「Zuvi Haloコードレスヘアドライヤー」(2021年9月発売)。第2弾として、2022年1月に有線のドライヤーを発売した。
今回は有線版のZuvi Haloヘアドライヤーを中心に、発売に至る経緯や意図、開発秘話について、Zuvi Japanの代表を務める川中良之氏に語ってもらった。
第2弾は有線版ドライヤー、新機能も搭載
コードレス版のデビューからわずか4カ月という短期間で、第2弾製品として有線版を発売。コードレス版の発売後に得られたフィードバックやニーズを受け、開発は急ピッチで進められた。
「2021年9月に日本と中国で先行して(コードレス版を)販売して、製品のコンセプトは市場に打ち出せたと思います。ですが、バッテリー駆動式は1度の充電で乾かせる髪に制限があるため(駆動時間)、すべての方々に使えるモデルとして有線版を発表しました。Zuviは、研究チームと工場の両方を持っていますので、試作や試験のスピードが他社と比べても速いと自負しています」(川中氏)
本体サイズはコードレス版とほぼ同じで、重さは630グラムから534グラムへと軽量化。コードレスではないためバッテリーの分だけ軽くなっているが、コード自体の重量があるため、差し引きしてこの重さになったそうだ。
機能はコードレス版と同じ「FAST」「SOFT」「COOL」モードのほか、「CARE」と「STYLE」といった2つのモードを追加。有線版には新たにアタッチメントも付属するが、川中氏はこうした仕様変更の理由を、「『コードレスか有線か』以外にも変化をつけるため」と語った。
また、特許技術「LightCare」を用いた乾燥方式を引き続き採用しながらも、使用時の髪表面温度が、コードレス版の38℃から44℃まで高くなっている(同じ環境下での試験に基づく)。この理由を以下のように説明した。
「コードレス版は、取り込んだ空気を光の熱と共に放出します。空気を熱しているわけではないため、特に冬場は洗面所で使うときに寒いという声がありました。使う場所の制約がないコードレスですので、リビングなど暖かな場所で使っていただくことをオススメしていますが、有線だと暖房がない洗面所で使う機会が多いと思います。そのため、一年を通して快適に使えるように使用時の温度をアップしました。また、出力が高まった分、速乾性が大きく向上しています」(川中氏)
コードレス版では温度と湿度センサーを備えていたが、有線版では温度センサーのみ搭載。新機能の「CARE」モードは、熱の出力を調整して、徐々に温度を下げていくことでヘアケア効果を高めたものだ。「有線化したことで光の出力を上げることができました。コードレス版では速乾とまでは言えなかったため、有線によってそれを実現しました」とも話す。
もう1つの新機能「STYLE」モードは、スタイリング専用のモード。ぬるい温風だけを放出する。特に日本のユーザーからは、スタイリングへのニーズが強かったそうだ。
「コードレス版は髪の乾燥モードのみで、スタイリング用途の機能はありません。有線版はあらゆる髪の長さや髪質、ニーズに対応できますので、乾燥用とスタイリング用のアタッチメントを追加しました」(川中氏)
機能美が生んだ、オーロラのような光
コードレス版も有線版も、外観のデザインはほぼ同じ。ハンドルの上に本体が乗った、T字のハンマー状となっている。「内部に5つの光源があり、光を放出するZuvi Haloの特徴から、このような丸い形状になりました」と川中氏。
また、使用中は送風面がオーロラのように光り輝くのも特徴だ。「(送風面は)有害な紫外線をカットするフィルターを透過した光の色で、それがZuvi Haloを象徴する色にもなりました。光る部分には、120層のチタンコーティングが施されています」と説明した。
本体カラーはホワイト。クリーンな印象でインテリアにもなじみやすいが、「白はどうしても汚れそうだと思われるかもしれませんので、お手入れをしやすいよう、ハンドル部分には耐油加工を施した合皮レーザーを用いています。日本向けモデルには、収納用のリングをコード部分に取り付けています」と明かす。
川中氏は、研究機関から開発部門・工場までを持ち、一気通貫で開発するスピード感と柔軟性がZuviの武器と強調する。最後に、今後の展望について次のように語ってくれた。
「さまざまな国でユーザー調査をしていますが、日本の消費者からいただいたご意見を即座に反映できる点はZuviの強みです。カラバリで黒が欲しいとの声もありますし、今後は体験価値の部分をさらに大きく訴求していきたいと思っています」(川中氏)