これほど、物語性を感じる家電があるだろうか? 家電といえば、その名前の通り、"家"で使う、"電"気製品のはず。でも、19世紀からの旅の移動手段であった馬車を意味する言葉「barouche(バルーシュ)」を冠したこちらの家電のテーマは、"旅"なのだ。
リアル・フリートが手がける新ブランド「barouche」について、もう少し説明を加えたい。大きな特徴としては、仮に、言葉の通じない、文化に通じていない、異国の地のホテルに置いてあっても、容易に使い方を理解できるデザインを伴っていることが挙げられる。見た目に美しく、かつ機能を理解しやすく、だが、空間の中で存在を誇示することなく、そこはかとなく気配を残している……そういう印象を与える家電のシリーズだ。少なからず緊張と不安を抱える異国の旅の途上、唯一の安息の場所といってもいいホテルの部屋でこういう家電に出会えたら、心の中の不安感や焦燥感といったものが解放されていくに違いない。
その中から今回は、コーヒーメーカー「BR-01」を紹介したい。"旅"をテーマにしていることもあり、サイズはコンパクト。ちょっとした外出時にも、相棒として連れ出すのにちょうどいい1人用サイズだ。1回の抽出量は270mlなのだが、これはちょうど普通のコーヒーカップ2杯分にあたる。1人で静かにじっくりと飲むのもいいし、一緒に過ごすパートナーにおすそわけして会話を楽しみながら飲むのもいい。
作り方も簡単。ペーパーフィルターをセットしコーヒー粉と水を入れて、ボタンを押すだけ。不特定多数の人々が利用するホテルの客室などでも、説明書要らずで直感的に利用できるように考えられている。作り方がシンプルな分、その日の食事や気分によってコーヒーの粉を変えるなど、味にはこだわってみたい。
出来上がったコーヒーは、付属のステンレス製タンブラーへ。中空二重構造なので、飲み頃の温度を抽出後約10分間キープしてくれる。自宅の書斎、近所の公園、オフィスのデスクで、時間や場所を選ばず、いつでもコーヒーを楽しめるのもうれしい。
barouche「BR-01」は、おいしいコーヒーを提供してくれるだけでなく、コーヒーの楽しみ方や、コーヒーのある暮らしのシーンの選択肢をも増やしてくれる、新感覚のコーヒーメーカーだ。
baroucheシリーズ
baroucheとは、「amadana」を手がけるリアル・フリートが、2006年6月に発表した新ブランド。これまでの家電にはないコンセプト"旅"をテーマにした、ユニークなブランドだ。シリーズには、コーヒーメーカーの他に、電気ケトル「BR-02」とアラームクロック「BR-03」(2月発売予定)がある。どれもがホワイトを基調としており、置かれる場所を選ばない普遍的なデザインが特徴
撮影協力:イルカッフェ