スーツの内ポケットから、ジーンズの後ろポケットから、サッと小粋に取り出して、片手でムービー撮影開始。そんな新しい動画の楽しみ方を提案してくれるのが、5月22日に発売されたばかりのamadana「SAL」。
本体。文字はなく、シンプルなピクトグラムがあるのみ。説明書を見ずに触り始めてもいつのまにか使えるように、動画機能に絞ったシンプルな設計。カラーは、ブラック、シルバー、グリーンのほか、ブラウン、ピンクを用意 |
たとえば、ママなら子どもやペットのかわいい一瞬を、学生なら復習用に講義の内容を、ビジネスマンなら会議の議事録の代わりに、といったように使い方のアイデアはさまざま。ビデオカメラを取り出すのは大げさに感じるシチュエーションでも、名刺サイズのSALならスマート。まさに、これまでにない新しいカテゴリーの家電だ。
撮影だけでなく、撮影後に気軽に再生できるのもポイント。2インチの液晶で撮った動画をすぐに楽しんでもいいし、PCのモニターで再生してもいい。PCで再生する場合は、内蔵されているUSB端子をPCに接続するだけで、ケーブル不要でPCに動画を取り込める。さらに、2台のSALをつなげることで、家族や友人、恋人と動画をシェアすることも可能。結婚式やパーティーなどの幸せな風景を、みんなで簡単に分かち合うことができるというわけだ。
SALは、4月にイタリア・ミラノで開催された世界最大のデザインエキシビション「ミラノサローネ」に登場。30人のデザイナーが自分の夢を語るという、ウェブマガジンmoonlinxの映像インタビュープロジェクト「Dreams」をスポンサードするなど、世界中のメディアの話題をさらった。さらに、今後は、各種イベントへの参加や、スターフライヤーとのコラボレーションキャンペーンを企画するなど、そのユニークな動向から目が離せない。
SALのデザインを手がけたのは、他のamadana製品と同じく、鄭秀和率いるインテンショナリーズ。説明書不要、世界中の誰もが直感で理解できる操作性が魅力だ。グラフィックデザインはタイクーングラフィックス。SALをもじったサルのキャラクターがかわいい。しかし、実際のSALの意味は、Share a Love, Share a Life, Sexy and Lovely……。そして、「Smile and Laugh(世界のみんなに笑顔を!)」。
数年後、いや数ヵ月後には、SALを使った新しいコミュニケーションのかたちが生まれているかもしれない。
amadana(アマダナ)
2002年に設立されたリアル・フリートが手がけるブランド「amadana」。これまでに、オーディオや加湿器などのリビングで使われる家電から、キッチン家電、電話機や計算機などのオフィス家電まで、あらゆる家電をプロデュースしてきた。そして、amadanaの最大の功績は、それらの家電を通して、日本の家電業界にデザインという概念を持ち込み、多くの人々に普及したことが挙げられる。amadanaをかたちにしてきたプロジェクトメンバーには、「HOTEL CLASKA」「ユナイテッドシネマ豊洲」などの設計や、「atehaca」家電シリーズのプロダクトデザイン、クリエイティブディレクションを担当したインテンショナリーズ(プロダクトデザイン)、「表参道ヒルズ」や「堂島ホテル」のロゴデザインやサイン計画、ミュージシャンのCDジャケットなどを手がけてきたタイクーングラフィックス(グラフィックデザイン)が名前を連ねる