もう動かない就職のお祝いにもらった腕時計、傷だらけのバイク、単なる電話帳にしか過ぎない古い携帯電話……日々の暮らしの表舞台に出てくることはほとんどないけれども、どうしても捨てられないモノがある。大切な人にもらったから……長い時間をともに過ごしたから……それらを手元に置いておきたい理由は様々だろう。でも、ひとことで言ってしまえば、きっとそれらに"恋をしてしまったから"ではないだろうか。
音楽や映像と同じように、場合によってはそれ以上に思い出が宿るモノたち。消費を繰り返すことがもはや快楽ではない現代において、心底恋に落ちてしまう、そしていつまでも長く付き合える家電に出会いたいものだ。
自分だけの"テレビ"を手に入れる
第一回目の今回は、ハンドル付きでいつでも一緒に移動できる小型テレビ、ソニー「BRAVIA(ブラビア)」M1シリーズの「プレミアムエディション」をご紹介したい。このテレビにはカラーやデザインに、ソニーが初挑戦したという"こだわり"が見られるという。これは気になる……。
詳しく見ていく前に、まずはBRAVIAシリーズ全体の歴史について簡単に触れておこう。BRAVIAは2005年9月に発表された、ソニーの大画面液晶テレビのブランド。同社が培ってきた映像技術を活かした商品で、自然でリアルな映像が評判だ。そのBRAVIAを小型化したモデルが、2007年2月に発表された16V型/20V型をラインナップするM1シリーズ。プライベートルームでの使用を前提とした"セカンドテレビ"の発想から生まれた同シリーズは、6色のポップなカラーと丸みを帯びたデザインで、女性を中心に人気を博している。また、併せてベゼル部とループ部のカラーを選択できる「スペシャルカラーエディション」も展開中だ。
そして2008年6月、これまでとは対照的に30代~40代の男性をターゲットとし、よりこだわりを演出したモデル「プレミアムエディション」がデビュー。一番に目に付くのは、ループの柄とカラーだ。「プレミアムエディション」では、「アースゴールド」、「アイスブルー」、「メタルブラウン」の3つのパターンを用意。手をつけていない自然こそが何よりも贅沢であると考え、地球上にある"貴重なもの"や"本質的なもの"、"純粋なもの"をモチーフとしている。
どれもが個性的でありながら、部屋の雰囲気にしっくりくるように仕上げているが、柄を採用するということ自体、ソニーのテレビとしては初の試み。開発時には、イメージ作りにかなりの時間をかけたという。
その他にも、電源などの操作ボタンをテレビの上部に集中させ、さらにその箇所を傾斜させることで、正面からはSONYのロゴと画面、そしてループの柄しか見えないシンプルなデザインを実現したり、テレビの本体とループの間にスリットを設けることで実際の重量よりも軽快な印象を与えたりと、細部に至るまでデザインに気が配られている。
スペックについても、従来の「ブラビアエンジン」をベースに進化したソニー独自の画質エンジン「ブラビアエンジン2」を搭載し、美しい映像と音声を実現。音質面では、「S-Force フロントサラウンド」を採用し、広い視聴エリアでの立体的な音響空間を創出するなど、こだわりをみせる。
書斎やベッドルーム、バルコニーなど、各人のライフスタイルに合わせた使い方が可能なプレミアムエディション。あらゆる空間にマッチするシンプルなデザインに加えられた少しだけ主張するループの柄とカラーは、上質なスーツの裾から、チラリと覗かせる遊び心のある腕時計のようなものだろうか……。
発売して間もないが、インテリアに関心の高い男性が、2台目のテレビとして購入するケースが多いそうだ。部屋のインテリアに合わせてループの柄を選ぶのもいいし、ループの柄に合わせてインテリアを考えるのもいいかもしれない。インテリアのアイデアに困ったら、センスの良い友人を招いて、一緒に考えてもらうのもいいかも。
お台場ソニースタイル
今回訪れたのは、AVシステムから、コンピューター、カメラと、大人の知的好奇心を満たすソニーのプロダクトを体感できるショールーム。それらを彩るhhstyle.comのデザイナーズ家具も楽しみのひとつ。名作椅子に腰掛けながら、美しい音と映像のシャワーを浴びられる贅沢な空間だ
住所:東京都港区台場1-7-1 メディアージュ3F&4F
営業時間:11:00~21:00