毎月当たり前のように支払っている電気代。しかし、請求書を見ても、「それぞれの家電の電気代」はわからないですよね。たとえば、ずっと電気を入れっぱなしの冷蔵庫は、1カ月でいくらかかっているのでしょうか。そこで本稿では、冷蔵庫の電気代について、自分で計算する方法や、消費電力を抑えて節約する方法をご紹介します。

  • 冷蔵庫の電気代はいくらかかっている?

    冷蔵庫の電気代はいくらかかっている?

■冷蔵庫の電気代を計算するには

<冷蔵庫の電気代の計算方法>

冷蔵庫の電気代は、正確に割り出すことは難しいですが、大まかに計算することができます。まずは、冷蔵庫本体や説明書などに記載されている「年間消費電力」を見てみましょう。次に、電力会社の請求書または電力会社のウェブサイトなどで「1kWhあたりの電気料金単価」を調べます。年間消費電力と1kWhあたりの電気料金単価がわかったら、以下の式に当てはめ、冷蔵庫の電気代を計算します。

冷蔵庫の年間電気代(円)=年間消費電力(kWh)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)

これを12で割れば、冷蔵庫の1カ月あたりの電気代を知ることができます。たとえば、冷蔵庫の年間消費電力が230kWh、1kWhあたりの電気料金単価が27円とした時の1カ月の電気代は、

230kWh×27円/kWh÷12カ月=517.5円

となります。

なお、冷蔵庫の年間消費電力は、扉の開閉回数や、開けている時間の長さなどによって変わり、測定が難しいとされています。そこで、家庭用冷蔵庫の消費電力は、JIS(日本工業規格)によって定められた測定方法をもとに、測定されています。最新の測定方法は2015年に定められたため、それ以降に販売されている冷蔵庫の電気代は、より正確に計算できるようになっています。

<サイズ別冷蔵庫の電気代の目安>

冷蔵庫の電気代は、年間消費電力や1kWhあたりの電気料金単価で割り出すことができますが、冷蔵庫の容量(サイズ)によっても大まかな電気代を知ることができます。以下、1人暮らし向け、2~3人暮らし向け、4人以上&複数世帯向けの代表的なサイズの冷蔵庫ごとに、年間の電気代と1カ月の電気代の目安をまとめてみました(1kWhあたりの電気料金単価は、27円/kWhとして計算)。

  • パナソニック「NR-B14DW」「NR-C371N」「NR-F476XPV」「NR-F607WPX」を参照機種として計算

    パナソニック「NR-B14DW」「NR-C371N」「NR-F476XPV」「NR-F607WPX」を参照機種として計算

・1人暮らし向け冷蔵庫168L(年間消費電力298kWh)

年間の電気代 8,046円
1カ月の電気代 670.5円

・2~3人暮らし向け冷蔵庫365L(年間消費電力341Wh)

年間の電気代 9,207円
1カ月の電気代 767.3円

・4人以上&複数世帯向け冷蔵庫600L(年間消費電力252kWh)

年間の電気代 6,804円
1カ月の電気代 567円

※パナソニック「NR-B14DW」「NR-C371N」「NR-F476XPV」「NR-F607WPX」を参照機種として計算

結果を見てみると、最も容量の大きい冷蔵庫の電気代が、一番安くなっています。一般的に、電化製品は大型になるほど消費電力が多くなり電気代も高くなる傾向にあります。しかし、冷蔵庫は例外で、容量の大きいものほど電気代が安くなる場合が多いのです。

それは、容量の大きい冷蔵庫のほうが、省エネ機能を多く搭載できるためです。冷蔵庫の場合、容量の大きさと電気代は比例しないのですね。

■冷蔵庫の電気代を節約する方法

常に電気が付けっぱなしとなる冷蔵庫は、全ての家電の中で、年間電力消費量が最も高くなっています。では、冷蔵庫の消費電力を抑え、電気代を節約するにはどうすればいいでしょうか。

1.食材を詰め込み過ぎない

冷蔵庫は、冷風を循環させることで温度を低く保っています。しかし、冷蔵庫の中に食材を詰め込み過ぎると、冷風が循環できなくなり、温度調節機能が稼働し続け、消費電力が多くかかってしまうのです。

賞味期限切れの食材があれば廃棄する、未開封なら常温保存できる調味料などは冷蔵庫から出すなどし、庫内にスペースを作るよう意識しましょう。

2.適正温度に設定する

冷蔵室の適正な温度は、約3~5度とされています。多くの冷蔵庫では、設定を「中」または、「3(5段階設定の場合)」にすると、適正温度となります。「強」にすると冷やし過ぎ、また、「弱」にすると食材を傷める原因となることも。基本的に、設定温度は「中」にしておき、冷蔵庫を長く開けっ放しにしてしまったなど、特別な事情がある時には強く冷やすなど調整をしましょう。

3.扉の開閉は少なく、すぐ閉める

冷蔵庫の扉を開けていると、外気が流れ込み、温度を上げてしまいます。再び庫内を設定温度まで下げるには多くの電力を消費するため、扉の開閉はできるだけ少なく、そして、開けたらすぐ閉めるようにしましょう。

4.省エネタイプに買い替える

経済産業省資源エネルギー庁によると、401~450Lの冷蔵庫の年間消費電力は、2007年では540~640kWh、2017年では290~320kWhと、省エネ性能が10年間で約49%もアップしています。逆に、古い冷蔵庫は、消費電力が多く電気代がかさみがちなのです。10年以上冷蔵庫を使っているなら、買い替えを検討してみましょう。

■工夫して冷蔵庫の電気代を節約しよう

冷蔵庫の買い替えは簡単にはできませんが、10年以上前のものを使用しているなら、そろそろ新しいタイプにすることを考え始めてみましょう。大型のものでもむしろ電気代が安くなる傾向にありますので、いつも食材でいっぱいになってしまうという人は、大きめの冷蔵庫も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。また、冷蔵庫の電気代を無駄にしない工夫を家族で共有できれば、節約効果が高まりそうですね。