私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。そのなかには、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

買いだめしない

長年、家計のやりくりの取材をしてきてわかった、貯まらない人の共通点のひとつが、日用品の買いだめが多いこと。それに対して、私が取材させていただいた貯め上手さんで、日用品の買いだめをしている人はひとりもいません。

貯め下手さんは、ドラッグストアでトイレットペーパー、ティッシュ、シャンプー&コンディショナーの特売をしていると、「安いときに買わないと損!」と買いだめします。家にストックがあっても、「日用品は腐るものではないから」と購入します。

ドラッグストアの特売は定期的に実施されるので、安さにつられてその都度買わなくても、ストック切れしそうになったタイミングでも特売で買えるはずです。日用品を買いだめしたせいで、その月の生活費が足りなくなり、やりくりが崩れては元も子もありません。

お金はいつでも日用品に換えられますが、買ってしまった日用品はお金に換えられないので、必要以上にストックを持たないようにしましょう。

詰め替え用はグラム単価を計算してお得なら買う

洗剤やシャンプーなどは、容器代がかからない分、一般的には詰め替え用の方がお得です。でも、本体よりも詰め替え用の方が、内容量が少ない場合があるので、100gまたは100mlあたりの値段を計算して、お得かどうかを判断することが大事!

ひとことで「詰め替え用」といっても、「通常のサイズ」「大容量サイズ」「本体+詰め替え用」などいくつあるので、一番お得なものを選択するようにしましょう。

また、値段があまり変わらないときは、詰め替えの手間を考えると本体で購入した方がいいこともあります。

こだわりがあるものと値段優先を分ける

髪の毛を大事にしたいから、シャンプー&コンディショナーは高くても、ちょっといいものを、トイレットペーパーは安さ優先にして特売品でOK……など、お金のかけ方にメリハリをつけることも大事です。

なんでも「少しだけいいものを」というのは、日用品費がふくらむ原因になりがちです。「トイレットペーパーに花模様がついていて、いい香りがすると、トイレに行くたびに幸せな気持ちになれる」という人は、トイレットペーパーにお金をかけるのもアリですが、その分、他の日用品代を削る必要があります。日用品もお金のかけどころの優先順をつけましょう。

新製品発売前の"型落ち"商品を狙う

新年度が始まる4月は、日用品メーカーが新製品を売り出す時期。メーカーとしては、その前に在庫を処分したいので、ひとつ前の"型落ち"商品を特売することがよくあります。新製品はもちろん魅力的ですが、たとえば洗剤類の基本的機能はそれほど大差ありません(もちろん「水切れがいい」とか、「香りが新しい」などのプラス効果はありますが……)。

日用品のなかでもこだわりがないアイテムなら、型落ち商品をお得に安く買うというのも一案です。

一般的に、食料品と日用品を一緒に買うことが多いので、1カ月にかかる日用品費を把握していないことはよくあります。一度、レシートをチェックしながら、1カ月に購入する日用品と値段を書き出して、いくらかかっているのかを確認してみるのも、日用品費の節約に役立ちます。日用品費はそれほど大きな出費ではありませんが、"チリ積も"効果で、小さなムダを見直してみてください。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。