私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。そのなかには、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

食材を安く手に入れることから食費節約は始まる

長年、家計のやりくりの取材をしていて、食費を減らす肝は、(1)安い食材を(2)おいしく食べ切ることにあると思っています。

「安い食材」を手に入れる王道は、言うまでもなく特売品を買うことにあります。その時期に大量に出回る旬の食材は安く売られますが、旬の食材以外でも、安く売られているものがあります。それが、「値引き品」です。値引き品を上手に利用することで、食費節約がムリなく達成できます。

ちなみに、「(2)おいしく食べ切る」は、「安い食材を手に入れる」こと以上に大事。どんなに安く買ったものでも、食べ切れずに処分してしまっては元も子もないからです。食べ切ってこそ、食費節約は目的を達成できるのです。

「見切り品」を買うことはフードロスを減らす社会貢献?!

消費期限や賞味期限が近い商品は、「見切り品」として安く売られます。「見切り品」の値引き率は大きく、これを見逃す手はありません。

消費期限や賞味期限が「近い」だけで、「切れている」ことはありません。

期限切れになれば、商品として販売できなくなるので、廃棄処分されることが考えられます。つまり、「見切り品」を買うことは、食費節約のためだけではなく、フードロスを減らすことにも役立っているというわけです。

スーパーで特売品を手っ取り早く見つけるには……

売り場には、特売品が集まっている箇所があります。

通常の陳列ケースとは別に、陳列ケースが終わったところに継ぎ足しのように置かれたケースや、通常の陳列ケースの前に突き出しておかれているケースには、特売品、お買い得品、見切り品などが積まれています。普通に買うと高い調味料やチーズなどが破格値で売られていることもあるので、お見逃しなく!

  • ダンボール箱ごと大量に置かれた商品は、その日の目玉商品です

もっとお買い得なのが、通路の真ん中に置かれたワゴン売り場。通称“ジャマチン”と呼ばれるものです。

通路を歩いているお客さんが、イヤでも目につく場所に置いているということは、スーパー側としては、是が非でも売りたい商品。その分、値引き率も大きいので、超目玉商品です。その日のうちに売り切りたい「見切り品」も、ここに置かれることがよくあります。

  • 見切り品は通路のワゴンに置かれることがよくあります

必ずしも、毎日ジャマチンが出ているとは限りませんが、スーパーに入ったら、真っ先にチェックしたい場所です。

最後に、大事なことは、どんなにお買い得でも食べ切れる分だけを買うこと。特に、「見切り品」は消費期限や賞味期限が近いので、安さにつられて買ったのはいいけど、腐らせて処分してしまっては、食費節約にもフードロスを減らす社会貢献にもなりません。買い過ぎには、ご注意を!

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。