私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

貯め上手さん、貯め下手さんにはそれぞれ共通点がある

20年近く、家計のやりくりの取材を通して、いろいろな方にお会いしてきました。中には年収300万円台で1,000万円貯めている貯め上手さんもいれば、年収500万円以上でも給料日前にはスッカラカンという残念な人もいます。貯め上手さんや貯め下手さんに何人もお会いしていると、それぞれ共通点があることに気づかされます。

今回は、貯まらない人に共通する行動パターンをご紹介します。

貯まらない人に共通する行動パターンとは? (画像はイメージ)

1. 家にいるより外出したい

休日に家にいると損した気持ちになったり、家にいると手持ち無沙汰に感じて、これといった用事もないのにフラリと外出したりしがちです。お金を使う機会の大半は外出中にあります。家にいれば、電気代や水道代がかかるかもしれませんが、大した金額ではありません。でも出かければお店をのぞいて、つい買い物したり、喉が渇いてお茶したり……で、お金がどんどん出ていきます。

2. 「2着買うとお得」「3つで1,000円」に弱い

貯め下手さんの行動パターンで共通するのが、今どうしても必要ではないのに安いモノを見つけると買わずにいられない点。値引き品やお買い得品を買うこと自体は節約に役立ちますが、必要ではないモノまで買うのは本末転倒。1着3,000円、2着で5,000円でも、2着買う必要がないのなら、1着分の3,000円で済みます。2,000円はムダ使いということに。

3. 出かける間際になってバタバタする

家を出る時間から逆算にして、家事を済ませたり、身支度を始めたりするのが苦手です。その結果、出かける間際になって慌てることになります。バタバタと家をでるので、忘れ物をして、外出先で買うハメになったり、時間に遅れそうでタクシーを利用したり……それで、余計な出費がかさみます。

4. 家にいるときはボーッとしていることが多い

そもそも家にいること自体が好きではありません。たまに家にいても、ボーッとテレビを見ていたり、LINEやゲームをしていたり。1日を計画的に過ごすことを考えたり、物事を段取りよく片づけたりすることが苦手な傾向が。この傾向はお金の管理にも通じることで、計画的に貯めたり、使ったりすることが苦手です。

5. お金をちょこちょこおろす

お金をおろすサイクルも金額も決まっていません。給料日にちょっと多めにおろして、あとは足りなくなると、その都度ちょこちょこおろします。だから月の前半は気前よく使い、給料日前になるとカツカツということも。何にいくら使ったか把握できていないので、「いつの間にかお金がなくなる」という事態が起こります。慌ててATMに駆け込み、時間外手数料を払うことも。

6. 自分で調べることをしない

SNSはよくチェックしているのに、肝心なことを調べるのは面倒に感じてしまいます。例えば、ATM手数料をタダにする方法、リスクを抑えた運用でお金を殖やすのに適した金融商品、自分に向いた保険の見分け方、将来の年金の受給見込み額など。ネットで探せば、割と簡単に調べられることですが「何となく面倒」に感じて、先延ばしにしがちです。

いかがでしたか? 上記の内容について思い当たることがあったら、お金が貯まらない人への第一歩。ちょっとだけ行動パターンを見直してみてください。ふだんの生活を自分でちょっと意識してみるだけで、貯め下手さんから貯め上手さんへ変身することができるはずです。

※画像は本文とは関係ありません。


村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。