私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。
また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。
1カ月の収支を整理する
やりくり初心者さんにまずオススメしたいことは、自分が1カ月に使っているお金を整理すること。それには、収入と支出を書き出してみることです。
■収入
月収(手取り=税金や社会保険料などを引いた金額)
■支出
1. 先取り貯蓄(月収の10%程度)
2. 毎月の決まった出費
・住居費(家賃・住宅ローン・駐車場代など)
・水道代(2か月分がまとめ引き落とされる場合は1カ月分)
・電気代
・ガス代
・保険料(生命保険・医療保険など)
・通信費(携帯電話代・固定電話代・プロバイダー料金など)
・習い事
・ケーブルテレビ料金
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3. 生活費
・食費
・外食費
・日用品費
・美容・おしゃれ費(美容院代・洋服代・コスメ代など)
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「先取り貯蓄+支出」が月収内に収まっていれば、毎月、先取り貯蓄分が必ず貯まっていきます。問題は、「先取り貯蓄+支出」が月収をオーバーしているケース。この場合は、いったん先取り貯蓄をしたものの、途中で使い込んだり、せっかくこれまでに貯めたお金を切り崩したりすることになります。
そういう場合は、支出を見直す必要があります。使い過ぎている費目、削れそうな費目をチェックするというわけです。
削りどころをチェックする
次のチェック項目に当てはまることが多い費目ほど削りどころです。自分はどのタイプか確認してみましょう。
「外食費・レジャー費」が削りどころの人
□外出先で「ちょっと休憩しない」というのが口癖
□食事や飲み会に誘われると断れない
□外食するときお店のクーポン券を事前に用意しない
□休みの日に家にいると損した気分になる
□週末は決まって外食する
「食費」が削りどころの人
□野菜は丸ごと、肉は大量パックの方がお買い得だと思う
□冷蔵庫に消費期限切れのドレッシング、調味料などがある
□料理はレシピ本通りの食材で作る
□資源ごみの日は、空のペットボトルをたくさん出す
□その日食べたいものを何となく買う
「通信費」が削りどころの人
□格安スマホは安そうだと思うが、調べるのが面倒
□有料アプリをダウンロードすることがちょくちょくある
□通信費の内訳をチェックしたことがない
「日用品費」が削りどころの人
□洗剤、シャンプー、ラップなどのストックがないと不安だ
□行きつけの100円ショップがある
□ドラッグストアで「本日特売日」の看板が立っていたら立ち寄る
削りどころの費目を見つけて、出費を抑え、先取り貯蓄を死守しましょう。
村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。