私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。その中には、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。
また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。
あなたの財布はお金が貯まる財布? 今すぐチェック!
次の質問項目のうち、当てはまるものをチェックしてみてください。
□今、財布にいくら入っているか言えない
□家で財布を開くことがない
□財布の置き場所が決まっていない
□今の財布を買ってから一度も拭いたことがない
□今の財布をいつ、どこで買ったか覚えていない
□財布をコロコロ買い替える
□レシートが入れっぱなしのことがよくある
□クレジットカードやポイントカードを入れる場所を決めていない
このうち1つでも当てはまることがあったら、あなたの財布は貯まらない財布かもしれません。
長年、家計のやりくりの取材をしていると、その人の財布を見ただけで、貯まる人か、たまらない人か、おおよそ見当がつくようになります。というのも、貯まる人、貯まらない人、それぞれの財布に共通点があるからです。上記の質問項目に当てはまる人は、残念ながら、"貯め力"が弱い人と言えるかもしれません。
財布使いを変えるだけで貯まる人になれる! ?
では、1,000万円貯めた人の財布の共通点はというと、まず「財布に入れる金額を決めている」。しかも、「月曜の朝に2万円入れる」など、財布にお金を補充するペースも決めています。つまり週予算を決めて、予算内でやりくりする習慣が身についているということです。財布の中身が少なくなるたびに補充していては、自分がいくら使っているのか把握できなくなります。
次に「財布がスリム」。レシートやカード類でパンパンではないということです。帰宅後、財布の中身をチェックして、レシートは金額を家計簿にメモしたら処分。カード類は1ポケット=1枚が原則。2枚重ねて入れたりはしません。本当に必要なカードを厳選することで、自然と利用する店や銀行が整理されて、お金の流れがスッキリします。クレジットカードはメインカード1枚、サブ1枚の2枚が基本です。
小銭はファスナー付きポケットに入れますが、買い物は小銭から使う習慣があるので、小銭がジャラジャラということもありません。
3つ目が「"マイラッキー・アイテム"を入れている」。お守り、大吉のおみくじ、お気に入りのチャーム、外国のコインや紙幣……など、「いいことがあったときのアイテム」を財布の中に忍ばせています。財布の中が常に整理整頓されているからこそ、大切なものを入れるしペースがあるというわけです。
"貯め力"は、一朝一夕で身につくものではありませんが、貯まる人の財布の使い方をまねすることは、貯め力アップに必ず役立つはずです。
村越克子
フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。