連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


ほとんど世間を知らない20代前半のうちに節約をしたことは、贅沢の仕方すら知らなかったという点において、ストレスを溜めることなくお金を貯めるために良かったと思っています。一度贅沢な暮らしを知ってしまえば、そこから切り詰めた生活をすることは苦痛やストレスと伴うものになりかねません。その点、私自身贅沢な暮らしというよりもムダ遣いが多かったのがお金が貯まらない原因だったので、その無駄さえ省けば、お金が貯まっていったのです。

今では、無駄と贅沢の違いもわかるようになってきました。無駄な買い物をするくらいなら、ちょっと値の張るランチをした方が良いって思うくらいです。節約とダイエットは似ていると言いますが、ダイエットはあまり我慢をし過ぎるとかえってその反動でリバウンドを起こすと言われています。節約も同じで、ルールを決めて適度に息抜きをしなくては、安定した貯蓄生活を続けられない、と考えています。

お金を貯めるからと言って、「お金を遣ってはいけない」と決めることは、ダイエットにあてはめると、「食べると太るから何も食べてはいけない」、ということになります。お金を遣うことも食べるこも必要不可欠なことですので、それを禁止されてしまえば辛いと考えるのは当然のことでしょう。ですから、お金も出すところは出して、無駄遣いをしない。ダイエットなら、食べるべきものは食べて、間食などをしないと言うことになるのではないかと思います。貯蓄もダイエットも、メリハリを付けることで継続できるのです。

メリハリをつける方法として、ボーナスの使い方が挙げられます。ボーナスは貯蓄額のスピードを早くするチャンスですから、そのほとんどを貯蓄にまわしていましたが、9割を貯蓄に回して、1割は自由に遣うというルールを決めました。1割とは言え、数万円は手元に残りましたので、そのお金で会社の仲の良い同僚とちょっと良いレストランで食事をしたり、欲しかった洋服を買ったり、好きなアーティストのライブへ行ったりと、次のボーナスまで仕事を頑張ろうという気持ちになるよう工夫しました。

家計簿とは別に貯蓄の推移をノートに書いていた私は、2度目のボーナスをもらった時点で、ついに200万円の貯蓄を達成することができました。それは節約を初めて約1年後のことでした。ほんの1年前まではお金なんて貯まるはずないと思っていたのに、実際にやってみたらできたのですから、不思議なものです。

とは言え、目標の1,000万円まではまだまだ足りません。しかし、確実に一歩一歩近づいている感じが私を奮い立たせてくれました。そして、改めて考えました。お金は一日二日では貯まらない。毎日の節約の積み重ねが1カ月、1年、2年…10年後の大きな蓄えとなるのだと。以前は10万円くらい貯まると、何かしら出費してすぐに預金通帳が4桁になってオロオロしていた頃に比べると、随分と余裕も出てきました。ある意味、預金が貯まっているという安心感も、節約によるストレスを溜めない秘訣なのかも知れません。

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