連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


「節約もいいけど、独身の今、遊んでおかないと、結婚してからじゃ遊べなくなるよ」。そう友人から言われても、動じませんでした。友人は今、遊びにお金を遣うことに生きる意味を見出しているようでしたが、私はそこにあまり意味を感じなかったのです。確かに、今しかできない遊びもたくさんあるかもしれません。ですが、私は自分の家を持つために節約をしてお金を貯めることに意味や価値を感じていたので、遊んでいる友人達をうらやましいとは思いませんでした。

むしろ、お金も貯めないで遊んでばかりいて本当に大丈夫なのかと、逆に問いたいぐらいでした。それは、独身であるこの瞬間こそ、人生で最初のお金の貯め時であると私は気づいていたからです。そういった持論を振りかざすほどできた人間でもありませんでしたので、その場は曖昧な笑いでごまかすことにしました。その友達を失いたくはなかったからです。友人に対するこうした曖昧な対応は、その後自分の家を持つまで続いていきました。

ですが、友人が節約生活に向かう私を心配するのも無理はありません。それまでは、バッチリメイクに、スカートにヒールを履いて、ジャケットを羽織るといった若い女性らしい格好をしていた私が、節約を始めるようになってからは、ほぼすっぴんで、髪の毛は一本縛り。夏はTシャツにジーパン、冬はトレーナーと服装が一変してしまったからです。それは、あまりにも分かりやすい"節約ファッション"でした。

節約生活を続けるうちに、元々少なかった友人がさらに減っていきました。寂しい人生だと思われるかもしれません。けれど私は、元々人付き合いはそれほど得意ではなかったし、人を利用することも利用されることも好きではありませんでしたから、友人は少人数でも気心を知れた人がいれば良いと考えていたのです。

友人や知り合いが多ければ多いほど、遊びの誘いも増えて出費もかさみ、時には友人の彼氏のライブや演劇などに誘われる。友人の彼氏としては、チケットをさばかなければならないノルマなどあるのかも知れませんが、巻き込まれるのは正直迷惑していました。すると幸いなことに、何度か断っているうちに自然と声もかからなくなりました。

一方その当時、一番仲が良かったのが、同じように一人暮らしをしてお金を貯めていた友人。その友人からは料理やパンの焼き方を教わったりしていました。その友人は留学するためにお金を貯めていたのですが、目標に向かってお金を貯めているという同じ状況だったので、一緒にいると何だか安心できたのです。

とは言え、節約生活は何も楽しめないかと言えばそうではありません。それなりに楽しむ方法はいくつもあるのです。例えば、家庭菜園をしたり、家を掃除したり、小物を作ったり。確かに20代前半の女性がすることとしては地味かも知れませんが、そういった経験が後から役に立ったことは言うまでもありません。

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